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足跡に踏み荒らされた雪の道。
これが今年最後になるかも、とテレビの誰かが言っていた。
夜更けの雪が残った道は滑りやすくなっている。
「直ー! 待ってくれ! ……ったく、怖いもの知らずめ」
山田が迷いなく進んでいく背中に叫んでいる。
何も変わらない、いつもどおりの朝。
鼻歌交じりで歩いていた直は、ふと足を止めた。
道端の雪を指で掬い上げ、口元に運ぶ。
「ちょっ、お前! 汚いって言ったろ!?」
制止など聞いていない。
直の喉は上下に動き、口元を舌が舐める。
「……美味い」
――その表情は、誰かを思い浮かべているようだった。
これが今年最後になるかも、とテレビの誰かが言っていた。
夜更けの雪が残った道は滑りやすくなっている。
「直ー! 待ってくれ! ……ったく、怖いもの知らずめ」
山田が迷いなく進んでいく背中に叫んでいる。
何も変わらない、いつもどおりの朝。
鼻歌交じりで歩いていた直は、ふと足を止めた。
道端の雪を指で掬い上げ、口元に運ぶ。
「ちょっ、お前! 汚いって言ったろ!?」
制止など聞いていない。
直の喉は上下に動き、口元を舌が舐める。
「……美味い」
――その表情は、誰かを思い浮かべているようだった。
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