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最終章
ep.34 友達……?それとも……
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それからしばらくして、夏の前の長雨の季節が来た。
静寂に満ちた図書室では、雨が窓を打つ音だけが聞こえていた。
カーテンの陰に隠れるように、二人は出窓の縁に並んで座っている。
何気なく触れあった肩から、お互いの体温が伝わってくる。
ギルバートは、密かに彼女の横顔をじっと見つめていた。
彼女は真剣な表情で教本を読み込んでいる。
時折独り言を漏らしたり、険しい顔で何度も瞬きをしたり。本を読んでいるだけなのに、どこか忙しない。
「はあー。疲れた!」
かと思うと、彼女は突然大きな息を吐いて彼の肩に身体を寄せた。
ギルバートは思わず身じろいだ。すると、彼女もはっとしたように身を引いた。
「ごめん! つい……」
心臓が暴れている。それに呼応するように魔力も熱を持っていた。
けれど、不思議と危険な感じはしない。
ギルバートは、自分を落ち着かせようと顔を背けた。
一息置いて、彼女に向き直る。
すると、眉をハの字にした彼女がこちらを見上げていて、また熱が上がりそうになった。
「……いいんだ。俺もちょっとぼうっとしてたから」
「そう……?」
彼女の肩の力が抜け、また触れてしまいそうになる。
ギルバートは、そっと肩に手を回したい衝動を、どうにか飲み込んだ。
「珍しいね、ギルバートがぼーっとしてるなんて」
もう直前の出来事など忘れたかのように、彼女は少し嬉しそうに笑う。
一瞬、その視線が彼の手の上に落ちたことに、彼は気づいた。
指先が、わずかに動きかけて、止まる。
「ねえ、そう言えば。この前おすすめした本、読み終わった?」
彼女が突然話題を変える。
数日前、二人はお互いにお気に入りの本を紹介し合ったのだった。
彼女が彼に薦めたのは、魔法とは違う不思議な力で異世界を冒険する少年の物語だった。
「ああ。読んだよ」
ギルバートが答えると、彼女は目を輝かせた。
「どうだった?」
彼は言葉に詰まる。目を伏せ、少し考えてから口を開いた。
「……設定は、よくできていたと思う。魔力の代わりのエネルギー源が――」
自分でも止められないまま、言葉が次々と溢れていた。
彼は恐る恐る視線を上げる。
彼女は目をぱちぱちさせていた。
「すごい。よくそんなに上手に説明できるね」
そして、息を吐きながら少し諦め気味に笑う。
「……わたしは、うまく言葉で説明できないから」
彼女が不意に彼の肩にもたれた。
ギルバートは、逃げずにそれを受け入れた。
「わたしはね、主人公が、誰かに気づかれなくても、みんなのために戦ってるのが……切なくて、でもきれいで、好きなんだよ」
肩越しに見下ろすと、彼女の睫毛がゆっくりと下がっていくのが見えた。
彼女の呼吸が穏やかになるにつれて、彼もまどろみに落ちていく。
「……君がそう思うなら、きっとそうなんだろう」
――そう、信じている。
ギルバートは目を閉じ、口元に笑みを浮かべた。
彼女は、もう何も聞こえていないようだった。
◆◇◆
秋学期の試験も終わり、学園は祭りの雰囲気に包まれていた。
「えー、コニーも行こうよ!」
コンスタンシアは、ニコラの演劇を仲のいい友人たちと鑑賞していた。
その終わり、夕暮れの中庭で引き留められ、思わず視線が時計代わりの塔へ向く。
もうすぐ、約束の時間だった。
でも、彼のことはニコラ以外には話していないし、いい言い訳も思いつかない。
「この後、別の人との約束があるんだ。だから、また明日!」
コンスタンシアは、勢いで切り上げようとする。
「別の人? だれ?」
「もしかして、図書室でよく一緒にいる……」
「何それ! 私、知らない! だれだれ?」
そのとき、ひときわ明るい声でニコラが飛び込んできた。
「みんなー! どうだった? 私の男装見ました?」
舞台衣装のままのニコラがポーズをとる。
「わー、ニコラ! お疲れー!」
友人たちの視線が一気にコンスタンシアから離れる。
彼女はほっと胸を撫で下ろした。
ふと顔を上げると、ニコラがこちらをちらりと見て、得意げに片眼を瞑った。
その頃、ギルバートは寮の玄関でジャックたちに遭遇していた。
「お、珍しいじゃん。どこか行くのか?」
普段ならば夜の外出だろうと隠すこともないのだが、この日は事情が違った。
「訓練場に」
一瞬の間を置いて、そう答えた。
ジャックがわかりやすく顔を顰めた。
「は? こんな日にか?」
「人がいない日のほうがいいんだ」
あの時――中央機構へ無理な転位をしたせいで、彼の魔力神経は焼き切れ、未だリハビリが必要になっていた。
「今からこいつらと街の祭りを見に行くんだ。お前も来いよ」
ヴィンセント、レイ、アトラ――そして今年から寮に入った一年生二人と、大所帯だった。
「試験対策手伝ってくれたやつ、まだ何もしてなかったよな? 奢るからさ」
「ギルバート、行こうぜ」
アトラが言う。
「俺はいい。それ以外なら付き合うよ」
すると、ジャックが目を細めた。
「はーん。わかったよ。けど、あんまり無茶はするなよ。……俺たち、もうすぐ卒業するんだからな」
無茶、か。そんなつもりはない。彼女とは――。
ジャックの言葉に、ヴィンセントも何か気が付いたように微笑んだ。
「……元気そうでよかったです」
ヴィンセントが、小さくそう言った。
祭りの喧噪がわずかに漏れ聞こえる校舎の裏手。
訓練場の外れにある小さな池で、二人は落ち合うことになっていた。
先に着いていたのは、ギルバートだった。
「ごめん。遅くなっちゃった」
「いいよ」
そう言うと、ギルバートは彼女を迎え入れるように片手を広げた。
彼女は駆け寄るように彼の隣に立つ。
「寒そうだな」
「昼の服のまま来ちゃった」
ギルバートは、そっとコートの裾を持ち上げた。
「入るか?」
「……うん。ありがと」
二人は折れた木を椅子代わりに腰を下ろした。
池の水面には、ふわふわと漂う灯りが反射していた。
ギルバートのコートの内側で肩を寄せ合いながら、その光を眺めていた。
「きれい。どうやってるの?」
「説明すると長い。高等部に上がって、一年生の夏には習うよ」
「来年の、夏……」
そうこぼすと彼女は背を丸め、膝を抱えた。
「……卒業後も――」
ギルバートは躊躇いながらも口を開く。
彼女が顔を上げた。
「離れたくない」
彼女は泣きだしそうに顔を歪めた。
「……わたしも。……寂しいよ」
けれど、お互いに抱きしめることはなかった。
「……手紙を出しても、いいか?」
「うん。わたしも、絶対出すよ。……わたしのこと、忘れないで。絶対、迎えに来て」
ギルバートは小さく固唾を呑み、そして彼女を見つめて、微笑んだ。
「……ああ。必ず。約束する」
静寂に満ちた図書室では、雨が窓を打つ音だけが聞こえていた。
カーテンの陰に隠れるように、二人は出窓の縁に並んで座っている。
何気なく触れあった肩から、お互いの体温が伝わってくる。
ギルバートは、密かに彼女の横顔をじっと見つめていた。
彼女は真剣な表情で教本を読み込んでいる。
時折独り言を漏らしたり、険しい顔で何度も瞬きをしたり。本を読んでいるだけなのに、どこか忙しない。
「はあー。疲れた!」
かと思うと、彼女は突然大きな息を吐いて彼の肩に身体を寄せた。
ギルバートは思わず身じろいだ。すると、彼女もはっとしたように身を引いた。
「ごめん! つい……」
心臓が暴れている。それに呼応するように魔力も熱を持っていた。
けれど、不思議と危険な感じはしない。
ギルバートは、自分を落ち着かせようと顔を背けた。
一息置いて、彼女に向き直る。
すると、眉をハの字にした彼女がこちらを見上げていて、また熱が上がりそうになった。
「……いいんだ。俺もちょっとぼうっとしてたから」
「そう……?」
彼女の肩の力が抜け、また触れてしまいそうになる。
ギルバートは、そっと肩に手を回したい衝動を、どうにか飲み込んだ。
「珍しいね、ギルバートがぼーっとしてるなんて」
もう直前の出来事など忘れたかのように、彼女は少し嬉しそうに笑う。
一瞬、その視線が彼の手の上に落ちたことに、彼は気づいた。
指先が、わずかに動きかけて、止まる。
「ねえ、そう言えば。この前おすすめした本、読み終わった?」
彼女が突然話題を変える。
数日前、二人はお互いにお気に入りの本を紹介し合ったのだった。
彼女が彼に薦めたのは、魔法とは違う不思議な力で異世界を冒険する少年の物語だった。
「ああ。読んだよ」
ギルバートが答えると、彼女は目を輝かせた。
「どうだった?」
彼は言葉に詰まる。目を伏せ、少し考えてから口を開いた。
「……設定は、よくできていたと思う。魔力の代わりのエネルギー源が――」
自分でも止められないまま、言葉が次々と溢れていた。
彼は恐る恐る視線を上げる。
彼女は目をぱちぱちさせていた。
「すごい。よくそんなに上手に説明できるね」
そして、息を吐きながら少し諦め気味に笑う。
「……わたしは、うまく言葉で説明できないから」
彼女が不意に彼の肩にもたれた。
ギルバートは、逃げずにそれを受け入れた。
「わたしはね、主人公が、誰かに気づかれなくても、みんなのために戦ってるのが……切なくて、でもきれいで、好きなんだよ」
肩越しに見下ろすと、彼女の睫毛がゆっくりと下がっていくのが見えた。
彼女の呼吸が穏やかになるにつれて、彼もまどろみに落ちていく。
「……君がそう思うなら、きっとそうなんだろう」
――そう、信じている。
ギルバートは目を閉じ、口元に笑みを浮かべた。
彼女は、もう何も聞こえていないようだった。
◆◇◆
秋学期の試験も終わり、学園は祭りの雰囲気に包まれていた。
「えー、コニーも行こうよ!」
コンスタンシアは、ニコラの演劇を仲のいい友人たちと鑑賞していた。
その終わり、夕暮れの中庭で引き留められ、思わず視線が時計代わりの塔へ向く。
もうすぐ、約束の時間だった。
でも、彼のことはニコラ以外には話していないし、いい言い訳も思いつかない。
「この後、別の人との約束があるんだ。だから、また明日!」
コンスタンシアは、勢いで切り上げようとする。
「別の人? だれ?」
「もしかして、図書室でよく一緒にいる……」
「何それ! 私、知らない! だれだれ?」
そのとき、ひときわ明るい声でニコラが飛び込んできた。
「みんなー! どうだった? 私の男装見ました?」
舞台衣装のままのニコラがポーズをとる。
「わー、ニコラ! お疲れー!」
友人たちの視線が一気にコンスタンシアから離れる。
彼女はほっと胸を撫で下ろした。
ふと顔を上げると、ニコラがこちらをちらりと見て、得意げに片眼を瞑った。
その頃、ギルバートは寮の玄関でジャックたちに遭遇していた。
「お、珍しいじゃん。どこか行くのか?」
普段ならば夜の外出だろうと隠すこともないのだが、この日は事情が違った。
「訓練場に」
一瞬の間を置いて、そう答えた。
ジャックがわかりやすく顔を顰めた。
「は? こんな日にか?」
「人がいない日のほうがいいんだ」
あの時――中央機構へ無理な転位をしたせいで、彼の魔力神経は焼き切れ、未だリハビリが必要になっていた。
「今からこいつらと街の祭りを見に行くんだ。お前も来いよ」
ヴィンセント、レイ、アトラ――そして今年から寮に入った一年生二人と、大所帯だった。
「試験対策手伝ってくれたやつ、まだ何もしてなかったよな? 奢るからさ」
「ギルバート、行こうぜ」
アトラが言う。
「俺はいい。それ以外なら付き合うよ」
すると、ジャックが目を細めた。
「はーん。わかったよ。けど、あんまり無茶はするなよ。……俺たち、もうすぐ卒業するんだからな」
無茶、か。そんなつもりはない。彼女とは――。
ジャックの言葉に、ヴィンセントも何か気が付いたように微笑んだ。
「……元気そうでよかったです」
ヴィンセントが、小さくそう言った。
祭りの喧噪がわずかに漏れ聞こえる校舎の裏手。
訓練場の外れにある小さな池で、二人は落ち合うことになっていた。
先に着いていたのは、ギルバートだった。
「ごめん。遅くなっちゃった」
「いいよ」
そう言うと、ギルバートは彼女を迎え入れるように片手を広げた。
彼女は駆け寄るように彼の隣に立つ。
「寒そうだな」
「昼の服のまま来ちゃった」
ギルバートは、そっとコートの裾を持ち上げた。
「入るか?」
「……うん。ありがと」
二人は折れた木を椅子代わりに腰を下ろした。
池の水面には、ふわふわと漂う灯りが反射していた。
ギルバートのコートの内側で肩を寄せ合いながら、その光を眺めていた。
「きれい。どうやってるの?」
「説明すると長い。高等部に上がって、一年生の夏には習うよ」
「来年の、夏……」
そうこぼすと彼女は背を丸め、膝を抱えた。
「……卒業後も――」
ギルバートは躊躇いながらも口を開く。
彼女が顔を上げた。
「離れたくない」
彼女は泣きだしそうに顔を歪めた。
「……わたしも。……寂しいよ」
けれど、お互いに抱きしめることはなかった。
「……手紙を出しても、いいか?」
「うん。わたしも、絶対出すよ。……わたしのこと、忘れないで。絶対、迎えに来て」
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