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第九章 商人連合国アキンド編
第322話 迷宮再構築②
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ヴォーアル迷宮第70階層のボスモンスター、死の天使はロキさんの娘、死神がヘルヘイムに連れて行ってしまったし、第80階層のボスモンスター、フギンとムニンは俺が外に連れ出してしまった。
つまり、今、第70階層と第80階層を守護するボスモンスターは不在となっている。
あり得ないとは思うけど、万が一、ボスモンスターのいない第80階層を通過され、ラストフロアに安置されている迷宮核を奪われてしまえば、今までの苦労が水の泡だ。
思い返してみれば、『マデイラ大迷宮』に『名もなき迷宮』、『アンドラ迷宮』に『ヴォーアル迷宮』とどの迷宮も、最終フロアには最強格のボスモンスターを迷宮に設置されていた様に思う。
誰が作った迷宮化は知らないけど、迷宮を作った者は迷宮を作った者で、迷宮核を取られない様、必死だったのだろう。
もしそうなら、俺が手に入れたヴォーアル迷宮の迷宮核を取られない様に最強の守護者を設置しても問題ない筈だ。
迷宮核に手を触れ、第70階層と第80階層のボスモンスターは何にしようかと考える。すると、頭の中に設置可能なボスモンスターの名前が流れ込んできた。
なる程、ボスモンスターって選べるんだ……。
邸宅に迷宮核を設置した時は、ボスモンスターを選択する事ができる事を知らずに設置してしまった為、ボスモンスターがランダムに決まってしまった。
あの時は、運良く土地神と屋敷神という当たりを引いたからよかったものの、ボスモンスターが選択可能と知った今、前回と同じ轍を踏む気はない。
「よし、君に決めたっ!」
俺は第70階層と第80階層のボスモンスターを配置すると、新たに配置したボスモンスターに会いに第80階層に影転移した。
第80階層のボス部屋に影転移すると、ボス部屋の中央に描かれている魔方陣が赤く光り、見慣れた執事姿の屋敷神が現れる。
「さっきぶりだね。屋敷神」
俺が屋敷神に声をかけると、屋敷神は呆然とした表情を浮かべる。
「ゆ、悠斗様? ここは……??」
どうやら状況をよく飲み込めていないらしい。
俺は、コホンと息を吐くと、再度、屋敷神に話しかける。
「ここはヴォーアル迷宮第80階層のボス部屋だよ。さっき初めてボスモンスターを指定できる事を知ってね。どうせなら、屋敷神に管理して貰おうと思ったんだ。因みに第70階層のボス部屋には、土地神を配置したからね。邸宅にある地下迷宮とヴォーアル迷宮の兼任になって申し訳ないんだけど、お願いできないかな?」
屋敷神と土地神は長い付き合いだし信頼している。
強さも申し分ないし、万が一、迷宮を踏破されそうになったとしても、俺が相手を代わるか、ロキさんやカマエルさんを迷宮に召喚すれば問題はない筈だ。
「なるほど……分かりました。王都全域が迷宮核の支配下にある以上、この迷宮も私が管理した方がいいでしょう」
「ありがとう! それじゃあよろしくね。とはいっても、第70階層以上に到達する事のできる冒険者は限られているだろうし、ヴォーアル迷宮の管理が主になると思うけどね。あっ、あともう一点だけ、迷宮内に冒険者がいるお陰で、まだ第1階層から第20階層の再構築が終わっていないんだ。冒険者が出て行き次第、第1階層から第20階層までをエストゥロイ領にあるケァルソイ迷宮の様な畜産迷宮に変えておいてくれないかな?」
「ふむ……承知致しました。それでは冒険者のいない階層から順に第1階層から第20階層迄を畜産に適したフィールドに変えておきます。他に、何かございますか?」
「他には何もないかな? 細かい点は屋敷神に任せるよ。商人や冒険者が一杯来てくれる様な、そんな迷宮に再構築しておいてね」
「はい。私にお任せ下さい」
俺がそんな無茶振りをするも、屋敷神はまるで当然の事ですと言わんばかりの返事を返してきた。
流石は屋敷神。頼りになる神である。
「それじゃあ、後はよろしくね!」
俺はそう言うと、影転移で邸宅に戻る事にした。
邸宅に戻り、ダイニングに顔を出すとロキさんとカマエルさんが悲壮感に溢れた表情でエールを呑んでいる。
一体何があったのだろうか?
俺はクエスチョンマークを頭の中に浮かべたまま、ロキさんとカマエルさんに話しかける。
「二人ともどうしたの?」
俺がそう尋ねると、ロキさんとカマエルさんは、ガバッと視線を俺に向け目元に涙を浮かべた。
「ゆ、ゆ、悠斗様ぁぁぁぁ~! 屋敷神が、屋敷神がぁぁぁぁ!」
「ううっ……これが罰か……」
一体何があったのだろうか?
こんなにも感情を露わにしているロキさんやカマエルさんは珍しい。
「ど、どうしたの? そんなに飲んだくれて……」
恐る恐るそう言うと、カマエルさんがテーブルに空になったグラスを叩き付ける。
「どうしたもこうしたも……あの鳥共のせいで悠斗様にした事が屋敷神にバレてしまったのだっ!?」
「ううっ……ボク達あんなに反省したのに……あんなに反省したのに……階層を三分の一も削るなんてあんまりだよ~!」
どうやらフギンとムニンの密告により、俺にした所業がバレて階層の三分の一を削られてしまったらしい。三分の一位どうとでもないんじゃ、といった表情を浮かべていると、ロキさんとカマエルさんが悲壮感に溢れた表情を浮かべた。
つまり、今、第70階層と第80階層を守護するボスモンスターは不在となっている。
あり得ないとは思うけど、万が一、ボスモンスターのいない第80階層を通過され、ラストフロアに安置されている迷宮核を奪われてしまえば、今までの苦労が水の泡だ。
思い返してみれば、『マデイラ大迷宮』に『名もなき迷宮』、『アンドラ迷宮』に『ヴォーアル迷宮』とどの迷宮も、最終フロアには最強格のボスモンスターを迷宮に設置されていた様に思う。
誰が作った迷宮化は知らないけど、迷宮を作った者は迷宮を作った者で、迷宮核を取られない様、必死だったのだろう。
もしそうなら、俺が手に入れたヴォーアル迷宮の迷宮核を取られない様に最強の守護者を設置しても問題ない筈だ。
迷宮核に手を触れ、第70階層と第80階層のボスモンスターは何にしようかと考える。すると、頭の中に設置可能なボスモンスターの名前が流れ込んできた。
なる程、ボスモンスターって選べるんだ……。
邸宅に迷宮核を設置した時は、ボスモンスターを選択する事ができる事を知らずに設置してしまった為、ボスモンスターがランダムに決まってしまった。
あの時は、運良く土地神と屋敷神という当たりを引いたからよかったものの、ボスモンスターが選択可能と知った今、前回と同じ轍を踏む気はない。
「よし、君に決めたっ!」
俺は第70階層と第80階層のボスモンスターを配置すると、新たに配置したボスモンスターに会いに第80階層に影転移した。
第80階層のボス部屋に影転移すると、ボス部屋の中央に描かれている魔方陣が赤く光り、見慣れた執事姿の屋敷神が現れる。
「さっきぶりだね。屋敷神」
俺が屋敷神に声をかけると、屋敷神は呆然とした表情を浮かべる。
「ゆ、悠斗様? ここは……??」
どうやら状況をよく飲み込めていないらしい。
俺は、コホンと息を吐くと、再度、屋敷神に話しかける。
「ここはヴォーアル迷宮第80階層のボス部屋だよ。さっき初めてボスモンスターを指定できる事を知ってね。どうせなら、屋敷神に管理して貰おうと思ったんだ。因みに第70階層のボス部屋には、土地神を配置したからね。邸宅にある地下迷宮とヴォーアル迷宮の兼任になって申し訳ないんだけど、お願いできないかな?」
屋敷神と土地神は長い付き合いだし信頼している。
強さも申し分ないし、万が一、迷宮を踏破されそうになったとしても、俺が相手を代わるか、ロキさんやカマエルさんを迷宮に召喚すれば問題はない筈だ。
「なるほど……分かりました。王都全域が迷宮核の支配下にある以上、この迷宮も私が管理した方がいいでしょう」
「ありがとう! それじゃあよろしくね。とはいっても、第70階層以上に到達する事のできる冒険者は限られているだろうし、ヴォーアル迷宮の管理が主になると思うけどね。あっ、あともう一点だけ、迷宮内に冒険者がいるお陰で、まだ第1階層から第20階層の再構築が終わっていないんだ。冒険者が出て行き次第、第1階層から第20階層までをエストゥロイ領にあるケァルソイ迷宮の様な畜産迷宮に変えておいてくれないかな?」
「ふむ……承知致しました。それでは冒険者のいない階層から順に第1階層から第20階層迄を畜産に適したフィールドに変えておきます。他に、何かございますか?」
「他には何もないかな? 細かい点は屋敷神に任せるよ。商人や冒険者が一杯来てくれる様な、そんな迷宮に再構築しておいてね」
「はい。私にお任せ下さい」
俺がそんな無茶振りをするも、屋敷神はまるで当然の事ですと言わんばかりの返事を返してきた。
流石は屋敷神。頼りになる神である。
「それじゃあ、後はよろしくね!」
俺はそう言うと、影転移で邸宅に戻る事にした。
邸宅に戻り、ダイニングに顔を出すとロキさんとカマエルさんが悲壮感に溢れた表情でエールを呑んでいる。
一体何があったのだろうか?
俺はクエスチョンマークを頭の中に浮かべたまま、ロキさんとカマエルさんに話しかける。
「二人ともどうしたの?」
俺がそう尋ねると、ロキさんとカマエルさんは、ガバッと視線を俺に向け目元に涙を浮かべた。
「ゆ、ゆ、悠斗様ぁぁぁぁ~! 屋敷神が、屋敷神がぁぁぁぁ!」
「ううっ……これが罰か……」
一体何があったのだろうか?
こんなにも感情を露わにしているロキさんやカマエルさんは珍しい。
「ど、どうしたの? そんなに飲んだくれて……」
恐る恐るそう言うと、カマエルさんがテーブルに空になったグラスを叩き付ける。
「どうしたもこうしたも……あの鳥共のせいで悠斗様にした事が屋敷神にバレてしまったのだっ!?」
「ううっ……ボク達あんなに反省したのに……あんなに反省したのに……階層を三分の一も削るなんてあんまりだよ~!」
どうやらフギンとムニンの密告により、俺にした所業がバレて階層の三分の一を削られてしまったらしい。三分の一位どうとでもないんじゃ、といった表情を浮かべていると、ロキさんとカマエルさんが悲壮感に溢れた表情を浮かべた。
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