風邪をひいてフラフラの大学生がトイレ行きたくなる話

こじらせた処女

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(なんで…もうこんなにしたいんだよ…)
 さっきから10分も経っていないのに、さっきの気づくか気づかないかの下腹部の違和感は、無視できないものになっていた。
 布団の中で見えないことを良いことに、太ももをさすって、足をクロスさせる。下腹をそっと押すと、さっきとは比べ物にならないほど痛くて、思わず背中を丸めてしまう。
(おしっこおしっこおしっこ…)
さっきまでおいしいと感じていた雑炊も、味が分からない。食べれば食べるほど、お腹が圧迫される気になって、出口が緩んじゃう気がして。いつもより食べるスピードが遅すぎて、もどかしさでお腹がまた疼く。
「お腹いっぱい?」
トイレのことばかり考えていたから、目の前にスプーンが差し出されているのに気づけなかった。
「無理すんなよ。薬飲むか」
「はるさん…」
「ん?」
トイレに行きたい、ただそう言えば良いだけなのに、俺の目は滲むばかりで。
「っひっ、ぅ゛ぐ、」
「どーしたん?気持ち悪くなっちゃった?」
「ちが、ッヒグ、」
「そっかそっか。落ち着いて言ってみ?」
頭を撫でられて、涙を拭われる。
背中を摩られて、安心するけど、おしっこが出そうになって、ソコを握りしめて、腰を前後に振ってしまう。
「トイレ行きたいぃ…」
お腹がはち切れそうで、出口がキュンキュンして。みっともない声で、子供みたいな言葉で、それを訴える。
「おしっこな。じゃあ出ちゃう前に早く行こっか」
布団を捲られて、押さえている部分があらわになる。
「もう、もれるっ、」
首に手を回さないと落ちてしまう。だから、押さえられなくて、太ももで春さんの腰をはさみあげる。
「いつから行きたかったんだ?」
「っひっ、ぅっ、ごはんたべて、すぐ…」
「もー、言えばよかっただろー?」
お腹にソコををぐいぐい押し付けながら、涙の止まらない顔を埋めながら。
「だって、だいじょうぶっておもった、」
「で、大丈夫じゃなかったんだ」
「さっきいったばっかだもんっ、」
何をそんなに泣く要素があるのだろう。分からないのに止められない。
「おしっこぉ、はやくっ、でちゃうでちゃうっ、」
「まてまてまてまて。ほらついた」
ずりっとパンツごと降ろされて、腰掛けさせられる。
じょおおおおっ、じょおおおおおお…
「よっしゃセーフ。こっちもたれな」
腰掛けた膝に跨った春さんの胸に顔を埋める。
「間に合ったんだから泣きやめ。辛いだろ?」
「っひ、ぜんぜんがまんできないっ、うごけないし、おしっこひとりでできないもん、」
「風邪だから仕方ないだろ?いつでも連れてってやるから、行きたくなったらすぐ言えよー?」
「っひっ、う゛~…おしっこしんどいもん…」
「ははっ、おしっこしんどいってなんだ」
俺が何を言っても春さんは笑って頭を撫でてくれる。だから、もっと、もっとってなってしまう。


「…なおった…」
次に目が覚めると、びっくりするくらい体が軽くて。時計を見るといつも起きる時間。いつのまにか床の布団で寝ていて、春さんは俺のベッドに寝ている。
きゅぅ…
ふと、膀胱が限界で慌てて飛び起きた。

じょぼぼぼぼぼぼ…

「あー…しにたい…」
便器に落ちる小便をみながら、昨日の光景を思い浮かべる。漏らして、あんな、赤ん坊みたいな格好して。
めちゃくちゃ恥ずかしい。なのに、何かドキドキして。
(もー春さんの顔みれねーよ…)
「もー良いのか?」
「ぅわっ、」
手を洗い、台所で水を汲んでいると声がかかる。
「あ、の…きのうは…」
熱はもうないはずなのに、昨日の出来事が邪魔をして、顔が熱い。
「迷惑を、おかけしました…」
「いえいえ。しっかし昨日は面白かったよ。お前が薬あんなに嫌いだったとは…」
「え、なんですか、?」
「あれ?覚えてない?飯食ってる時におしっこ漏れそうってぐずぐずになって、ご飯食べさせてーって、食べさせてやるって言ってんのにずっと泣いてるし」
「え、ちょっとまって…おれ、漏らしてそんで、着替えさせてもらったのは覚えてるんですけど…」
「その後だな。一回寝て、起きた後の。薬の時なんか、「苦いのヤっ」なんて言ってさ。え、ほんとに覚えてないんだ」
クスクスと笑いながら昨日の俺の愚行を話す春さん。
「うぁー…しにてぇ…」
「まあまあ。元気になったのなら何より。疲れてたんだろ。でもまー、今日一日は安静にしとけ」
「はい…ほんとに、ありがとうございました…」
「しっかしまあ、写真とっとけばよかったな。もっかい風邪ひいたらみれたり?」
「ぜ、っ、た、い!!嫌です!!!」
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