11 / 22
ヤトコさんの初任給で買いたいもの
しおりを挟む
「これ、昨日の報酬です」
これが、朝から散々な目に遭ったヤトコさんの機嫌を直した一言だった。
なんとかヤトコさんを起こした後、町に向かって朝ごはんを食べつつ、保安官――イグルンさんのもとへと向かった。
そこでアジンさんの被害届と交換で、二つの封筒を受け取った。その一つがヤトコさんのボディーガード代だったのだ。
外に出てすぐにそれを伝えると、ヤトコさんは『わぁ、手渡しってなんだかありがたいね』と、わざわざ一度拝んでから封筒を受け取り、中を確認した。
『あれ? これって……』
ヤトコさんは封筒から出てきた二枚の紙幣を、目を丸くしながら表裏を確認した。
『一万五千円? 日本円じゃん』
「この国では、そちらの世界の通貨も使えるんです。異世界人には異世界の通貨で報酬を払うのが通例になっています。ですから、わたしの方は、この国の通貨です」
わたしはもう一つの封筒を開いて、中を見せた。そこには銀貨が十二枚入っている。
『なんか小銭ばっかだね。っていうか、わたしが一万五千円ってもらい過ぎじゃない? 交換する?』
「一応ですけど、ボディーガードという命を張る仕事をしたわけなので、少ないくらいだと思いますよ。ちなみに、この銀貨が一枚で、一万円紙幣と同じ価値があります」
ヤトコさんは目を見開いて、指を差して封筒の銀貨を数え始めた。
『じゅう……に? えぇ! 超お金持ちじゃん! いや、もしかして逆? この一万円って百円くらいしか価値なかったりする?』
ヤトコさんは眉をひそめ、手元の紙幣を睨みつけた。
『うーん』
しばらくそうしていたけれど、そんなことでは正体はわからないと気づいたのか、目だけ動かして、上目遣い気味にわたしを見た。
『ねぇ。一万五千円あったら、何ができる?
』
「そうですねぇ……安い服で頑張れば、全身の物が揃いますかね。もしくは、ちょっと良い宿に泊まるとか。贅沢言わなければ、夕ご飯と朝ごはんもつけれると思います」
『お! じゃあ日本とほとんど一緒じゃん。何に使おっかなー』
ヤトコさんはお金をカタナの袋と一緒に胸に抱き寄せ、天を仰いだ。空の青さに感謝しているわけではないだろう。
水を差すようで申し訳なかったけれど、わたしはヤトコさんの肩を叩いて視線を戻させた。
「申し訳ないですけど、そのお金の使い道はもう決まっています」
『えぇ!? わたしのお金じゃないの!』
「別に奪おうってわけじゃないですよ。生活に必要なものを買うだけです」
『なぁんだ。そんなの自分で選べるよ』
わたしは大きく首を横に振った。これだけは譲るわけにはいかない。
「ダメです。この世界では絶対に必要な物が一つあるんです。ほら、行きますよ」
『はぁい』
わたしが手を引くと、ヤトコさんは素直についてきた。
~~~~~~~~~~~~~~~
保安官事務所から大通りにでて、そのまま反対側に渡って路地に入った。その路地の一番奥まで行って、下ったところに目的のお店はある。
『えぇ、ヤダなぁ。もっと明るいところで買い物しようよぉ。こんなところで売ってる物なんて、絶対かわいくないじゃん』
「大丈夫ですよ。とてもかわいいものが買えますから」
ヤトコさんが心配になるのもわかる。路地は奥まったところに行くほど暗く細くなるし、戸の数は少なくなっていく。一人がやっと歩けるくらいまで細くなると、完全に戸はなくなってしまう。
今歩いているのは、石の壁に挟まれただけの細い通路だ。ダンジョンの中だと言われたら信じてしまう人もいるだろう。
わたしだって、そんな場所に案内されたら警戒する。
でも、そんな場所にそのお店はあるのだ。
「ここです」
わたしは右の壁に張り付いた、飾り気のない真っ黒な扉に手をかけた。突然現れたその扉は、誰かが黒い絵の具で描いたんじゃないかと思えるくらい、異様な存在感を放っている。
『え? なにここ? ヤクザのアジトじゃないよね?』
ヤトコさんはカタナの入った麻袋を握り直した。
「そんなに警戒しないでください。ただのお店です。あーでも……」
ひとつ気がかりなことがあったけれど、わたしは言うのをやめた。なんにせよ、このお店には入らないといけないのだ。
『なに? 途中で言うのやめないでよ。怖いじゃん!』
「いや、まぁ、でもどうしようもないので」
わたしは扉を開けた。中は真っ暗だ。明り取り用の窓が一つもない。
「こんにちは」
わたしの声に反応するように、奥のカウンターの裏が明るくなった。ランタンが点けられたようにも見えるけれど、そうではない。
その光源はカウンターへと上がった。
『なにあれ? 人魂?』
ヤトコさんがわたしの背中に張り付くように、身を乗り出した。
確かに人魂に似ている。でもそれは宙に浮くことはない。カウンターの上を氷のように滑り、流れる水のように床へと降りた。
そのまま床を走って近くのテーブルの足を上る。テーブルの上で一度止まってから、ラストスパートと言わんばかりにわたしの方へと走ってきて、飛んだ。
わたしは両手でお皿を作って、それを受け止めた。大きめなボールを取ったような、しっかりとした重みがある。
『やぁやぁフクラ。久しぶりだね』
小さな子供みたいな声だ。
わたしの手の平の上で、眩しく光り輝くトカゲさんが大きな顔を傾けている。アジンさんと同じくらい大きくて、鱗がつるつるしていて触り心地がいい。
彼の名前はスクリューさん。ヒカリコエスキンクという種類の中型のトカゲさんだ。
「どうもスクリューさん。元気そうで何よりです」
スクリューさんに挨拶すると、背中に重みを感じた。ヤトコさんだ。
『うわぁ。なにこれ!』
ヤトコさんがわたしの肩越しに、スクリューさんを覗き込む。
『かわいい!』
悲鳴ではなく、意外な感想が出たことに逆に驚いた。
「ヤトコさんは、トカゲさんは怖くないんですか?」
『うん。だって吠えないし、牙もないじゃん。それに、よく見るとかわいい顔してるんだよね。うじゃうじゃいたらさすがに気持ち悪いけど』
「ハロウルもかわいい顔をしてるので、よく見てみるといいですよ」
わたしはスクリューさんの乗った手を持ち上げて、ヤトコさんの顔にゆっくり近づけた。ヤトコさんは逃げるような素振りは見せなかったので、本当に怖くないみたいだ。
スクリューさんは自分の目を舐めて潤したあと、ヤトコさんの顔を覗き込んだ。
『おやおや。この人が今日のお客さんかな?』
スクリューさんがかわいらしい声でそう言っているように、わたしには聞こえる。けれど、トカゲさんは意思表示に声ではなく、仕草や臭い、体の色を使う。
だから翻訳術を使えないヤトコさんには、スクリューさんがわたしの方をちらちら見たようにしか見えなかったはずだ。
ヤトコさんはスクリューさんをゆっくりと指さした。驚かさないようにしてくれたみたいだ。
『ねぇ、なんでこの子光ってるの?』
「この種類のトカゲさんは、体を光らせて寄ってきた虫を食べる性質があるんです。活動中はだいたい光っているので、光源生物として飼う人がたまにいるんですよ」
『へぇー』
質問してきたくせに気のない返事をしたヤトコさんは、スクリューさんに向けた指をちょこちょこと動かしていた。スクリューさんがその指を追って、きょろきょろしているのが面白いみたいだ。
「そんなことしてると、噛まれますよ」
わたしはスクリューさんをヤトコさんから離した。ヤトコさんが痛い目を見て、トカゲさんまで嫌いになったら大変だ。
「それじゃあスクリューさん。マスターを呼んできてもらえますか?」
『いいよいいよ。任せて』
テーブルに戻すと、スクリューさんは来たときと同じルートで店の奥へと消えていった。あっという間にわたしたちの周りが暗くなる。
『そういえば、ここお店なんだね。絶対に必要なものって言ってたけど、何を買いに来たの?』
「はい。ここで買うのはハンコです」
ヤトコさんはピンとこなかったのか、首を傾げた。
これが、朝から散々な目に遭ったヤトコさんの機嫌を直した一言だった。
なんとかヤトコさんを起こした後、町に向かって朝ごはんを食べつつ、保安官――イグルンさんのもとへと向かった。
そこでアジンさんの被害届と交換で、二つの封筒を受け取った。その一つがヤトコさんのボディーガード代だったのだ。
外に出てすぐにそれを伝えると、ヤトコさんは『わぁ、手渡しってなんだかありがたいね』と、わざわざ一度拝んでから封筒を受け取り、中を確認した。
『あれ? これって……』
ヤトコさんは封筒から出てきた二枚の紙幣を、目を丸くしながら表裏を確認した。
『一万五千円? 日本円じゃん』
「この国では、そちらの世界の通貨も使えるんです。異世界人には異世界の通貨で報酬を払うのが通例になっています。ですから、わたしの方は、この国の通貨です」
わたしはもう一つの封筒を開いて、中を見せた。そこには銀貨が十二枚入っている。
『なんか小銭ばっかだね。っていうか、わたしが一万五千円ってもらい過ぎじゃない? 交換する?』
「一応ですけど、ボディーガードという命を張る仕事をしたわけなので、少ないくらいだと思いますよ。ちなみに、この銀貨が一枚で、一万円紙幣と同じ価値があります」
ヤトコさんは目を見開いて、指を差して封筒の銀貨を数え始めた。
『じゅう……に? えぇ! 超お金持ちじゃん! いや、もしかして逆? この一万円って百円くらいしか価値なかったりする?』
ヤトコさんは眉をひそめ、手元の紙幣を睨みつけた。
『うーん』
しばらくそうしていたけれど、そんなことでは正体はわからないと気づいたのか、目だけ動かして、上目遣い気味にわたしを見た。
『ねぇ。一万五千円あったら、何ができる?
』
「そうですねぇ……安い服で頑張れば、全身の物が揃いますかね。もしくは、ちょっと良い宿に泊まるとか。贅沢言わなければ、夕ご飯と朝ごはんもつけれると思います」
『お! じゃあ日本とほとんど一緒じゃん。何に使おっかなー』
ヤトコさんはお金をカタナの袋と一緒に胸に抱き寄せ、天を仰いだ。空の青さに感謝しているわけではないだろう。
水を差すようで申し訳なかったけれど、わたしはヤトコさんの肩を叩いて視線を戻させた。
「申し訳ないですけど、そのお金の使い道はもう決まっています」
『えぇ!? わたしのお金じゃないの!』
「別に奪おうってわけじゃないですよ。生活に必要なものを買うだけです」
『なぁんだ。そんなの自分で選べるよ』
わたしは大きく首を横に振った。これだけは譲るわけにはいかない。
「ダメです。この世界では絶対に必要な物が一つあるんです。ほら、行きますよ」
『はぁい』
わたしが手を引くと、ヤトコさんは素直についてきた。
~~~~~~~~~~~~~~~
保安官事務所から大通りにでて、そのまま反対側に渡って路地に入った。その路地の一番奥まで行って、下ったところに目的のお店はある。
『えぇ、ヤダなぁ。もっと明るいところで買い物しようよぉ。こんなところで売ってる物なんて、絶対かわいくないじゃん』
「大丈夫ですよ。とてもかわいいものが買えますから」
ヤトコさんが心配になるのもわかる。路地は奥まったところに行くほど暗く細くなるし、戸の数は少なくなっていく。一人がやっと歩けるくらいまで細くなると、完全に戸はなくなってしまう。
今歩いているのは、石の壁に挟まれただけの細い通路だ。ダンジョンの中だと言われたら信じてしまう人もいるだろう。
わたしだって、そんな場所に案内されたら警戒する。
でも、そんな場所にそのお店はあるのだ。
「ここです」
わたしは右の壁に張り付いた、飾り気のない真っ黒な扉に手をかけた。突然現れたその扉は、誰かが黒い絵の具で描いたんじゃないかと思えるくらい、異様な存在感を放っている。
『え? なにここ? ヤクザのアジトじゃないよね?』
ヤトコさんはカタナの入った麻袋を握り直した。
「そんなに警戒しないでください。ただのお店です。あーでも……」
ひとつ気がかりなことがあったけれど、わたしは言うのをやめた。なんにせよ、このお店には入らないといけないのだ。
『なに? 途中で言うのやめないでよ。怖いじゃん!』
「いや、まぁ、でもどうしようもないので」
わたしは扉を開けた。中は真っ暗だ。明り取り用の窓が一つもない。
「こんにちは」
わたしの声に反応するように、奥のカウンターの裏が明るくなった。ランタンが点けられたようにも見えるけれど、そうではない。
その光源はカウンターへと上がった。
『なにあれ? 人魂?』
ヤトコさんがわたしの背中に張り付くように、身を乗り出した。
確かに人魂に似ている。でもそれは宙に浮くことはない。カウンターの上を氷のように滑り、流れる水のように床へと降りた。
そのまま床を走って近くのテーブルの足を上る。テーブルの上で一度止まってから、ラストスパートと言わんばかりにわたしの方へと走ってきて、飛んだ。
わたしは両手でお皿を作って、それを受け止めた。大きめなボールを取ったような、しっかりとした重みがある。
『やぁやぁフクラ。久しぶりだね』
小さな子供みたいな声だ。
わたしの手の平の上で、眩しく光り輝くトカゲさんが大きな顔を傾けている。アジンさんと同じくらい大きくて、鱗がつるつるしていて触り心地がいい。
彼の名前はスクリューさん。ヒカリコエスキンクという種類の中型のトカゲさんだ。
「どうもスクリューさん。元気そうで何よりです」
スクリューさんに挨拶すると、背中に重みを感じた。ヤトコさんだ。
『うわぁ。なにこれ!』
ヤトコさんがわたしの肩越しに、スクリューさんを覗き込む。
『かわいい!』
悲鳴ではなく、意外な感想が出たことに逆に驚いた。
「ヤトコさんは、トカゲさんは怖くないんですか?」
『うん。だって吠えないし、牙もないじゃん。それに、よく見るとかわいい顔してるんだよね。うじゃうじゃいたらさすがに気持ち悪いけど』
「ハロウルもかわいい顔をしてるので、よく見てみるといいですよ」
わたしはスクリューさんの乗った手を持ち上げて、ヤトコさんの顔にゆっくり近づけた。ヤトコさんは逃げるような素振りは見せなかったので、本当に怖くないみたいだ。
スクリューさんは自分の目を舐めて潤したあと、ヤトコさんの顔を覗き込んだ。
『おやおや。この人が今日のお客さんかな?』
スクリューさんがかわいらしい声でそう言っているように、わたしには聞こえる。けれど、トカゲさんは意思表示に声ではなく、仕草や臭い、体の色を使う。
だから翻訳術を使えないヤトコさんには、スクリューさんがわたしの方をちらちら見たようにしか見えなかったはずだ。
ヤトコさんはスクリューさんをゆっくりと指さした。驚かさないようにしてくれたみたいだ。
『ねぇ、なんでこの子光ってるの?』
「この種類のトカゲさんは、体を光らせて寄ってきた虫を食べる性質があるんです。活動中はだいたい光っているので、光源生物として飼う人がたまにいるんですよ」
『へぇー』
質問してきたくせに気のない返事をしたヤトコさんは、スクリューさんに向けた指をちょこちょこと動かしていた。スクリューさんがその指を追って、きょろきょろしているのが面白いみたいだ。
「そんなことしてると、噛まれますよ」
わたしはスクリューさんをヤトコさんから離した。ヤトコさんが痛い目を見て、トカゲさんまで嫌いになったら大変だ。
「それじゃあスクリューさん。マスターを呼んできてもらえますか?」
『いいよいいよ。任せて』
テーブルに戻すと、スクリューさんは来たときと同じルートで店の奥へと消えていった。あっという間にわたしたちの周りが暗くなる。
『そういえば、ここお店なんだね。絶対に必要なものって言ってたけど、何を買いに来たの?』
「はい。ここで買うのはハンコです」
ヤトコさんはピンとこなかったのか、首を傾げた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる