45 / 100
2章 臨時冒険者登録試験
第45話 グレイトリザード
しおりを挟む
Dランクダンジョンとはいえ、初めはEランクの魔物のリザードからだ。
こちらが動くまで寝ているようなハンデつきだが、コボルトと同じランクだし、怖さを振り払って垂直に剣を突き刺した。
一瞬、硬い鱗の感触があったが、「剛力」lv2の力で強引にねじ込んた。
厚い肉の感触が伝わる中、リザードが暴れ出すが、地面にまで突き刺して抑えつける。
剣をコンパスの軸としてリザードの尾がこちらに来るが、剣がめり込んでいる分相殺されるのと「剛体」lv1で強引に耐え、そのまま抑えつけているとしばらくして息絶えた。
「ふ~、これで同ランク?!とんでもない!」
突き刺した感触、そして暴れているときの強さはコボルトやゴブリンから伝わってくる迫力とは段違いだ。
単純なステータスならホブゴブリンと変わらないんじゃないのか、これは。
まあ、それでも倒し方のコツは掴めた。
脳が小さいのか刺しても即死しないのかはわからないが、そこよりも剣をもう少し、体側にすれば暴れても尾が飛んで来ることはないだろう。
コイツらはワニに似ていてもあくまで蜥蜴で、足がある分、抑えつけられていると尾の振り回しは難しいようだった。
とはいえ、グレイトリザードはまだ避けてリザードから始末していく。
かなり力がいるので、休憩と移動を挟みながら夕方前には30体ほどのリザードを倒し、レベルアップも果たした。
あくまでランクというのは人間が決めた討伐難易度の目安であり、経験値はこちらのが多いようだ。
さて、最後にポーションを飲み、今日の締めに一体だけグレイトリザードに挑戦だ。
この感触で明日以降の指針としよう。
意を決して、グレイトリザードに近づく。100kgを楽に超える力強い迫力に、思わず唾を飲み、喉を鳴らした。
懐のリボルバーも抜けるように、準備だけはしておく。
剣が通じなかったとき、口を開けて襲ってきたらそのときには口の中に数発撃って、そのまま逃げようと保険のためだ。
「剣士」のジョブレベル1で取得する『回転切り』でもあれば、首すら落とせるのかもしれないが、今はある手駒で何とかしなければならない。
「ハアァ!!」
今日一番の力を込めて、口の付け根当たりを狙い、突き刺す。
硬い鱗に当たり、強引に剣を入れても人間の五倍近く太い首の肉に阻まれ、中途で止まってしまった。
マズイっと思った瞬間、こちらへ向かう強引な力が働き、体制を崩されそうになる。
ここで剣ごと振り回されれば本当に危なくなる!
ところだったが、次の瞬間
ドッッ、ズゥーン! バリバリ
剣を支点に、相手の向かってくる力を利用して、逆に相手の態勢を崩す「合気道」の『入身投げ』が応用の形で決まる。
投げの遠心力で剣は抜け、背中から地面の岩場に叩きつけられ、岩石にひびが入っていく。
千載一遇のチャンスにすぐさま剣を握り返し、柔らかい腹に一閃を加え、勝負はついた。
「はぁはぁ、少し危なかったな」
完璧に技が決まったが、それは力の弱いEランクのリザードで力のかかるタイミングと方向を掴んでいたためだ。
力の大きいグレイトリザード相手に上手く経験を応用することが出来た。
調子に乗って、最初からグレイトリザードに挑んでいたら重傷を負っていたかもしれない。
それと、合気道が元は剣術からの派生の柔術が発祥なだけあり、剣を持った状態との相性が思いの外、良かったのもある。
滴り落ちる汗を拭い、先程上がったばかりの筈のレベルアップを再び感じながら、初日の戦いを引き上げることにした。
こちらが動くまで寝ているようなハンデつきだが、コボルトと同じランクだし、怖さを振り払って垂直に剣を突き刺した。
一瞬、硬い鱗の感触があったが、「剛力」lv2の力で強引にねじ込んた。
厚い肉の感触が伝わる中、リザードが暴れ出すが、地面にまで突き刺して抑えつける。
剣をコンパスの軸としてリザードの尾がこちらに来るが、剣がめり込んでいる分相殺されるのと「剛体」lv1で強引に耐え、そのまま抑えつけているとしばらくして息絶えた。
「ふ~、これで同ランク?!とんでもない!」
突き刺した感触、そして暴れているときの強さはコボルトやゴブリンから伝わってくる迫力とは段違いだ。
単純なステータスならホブゴブリンと変わらないんじゃないのか、これは。
まあ、それでも倒し方のコツは掴めた。
脳が小さいのか刺しても即死しないのかはわからないが、そこよりも剣をもう少し、体側にすれば暴れても尾が飛んで来ることはないだろう。
コイツらはワニに似ていてもあくまで蜥蜴で、足がある分、抑えつけられていると尾の振り回しは難しいようだった。
とはいえ、グレイトリザードはまだ避けてリザードから始末していく。
かなり力がいるので、休憩と移動を挟みながら夕方前には30体ほどのリザードを倒し、レベルアップも果たした。
あくまでランクというのは人間が決めた討伐難易度の目安であり、経験値はこちらのが多いようだ。
さて、最後にポーションを飲み、今日の締めに一体だけグレイトリザードに挑戦だ。
この感触で明日以降の指針としよう。
意を決して、グレイトリザードに近づく。100kgを楽に超える力強い迫力に、思わず唾を飲み、喉を鳴らした。
懐のリボルバーも抜けるように、準備だけはしておく。
剣が通じなかったとき、口を開けて襲ってきたらそのときには口の中に数発撃って、そのまま逃げようと保険のためだ。
「剣士」のジョブレベル1で取得する『回転切り』でもあれば、首すら落とせるのかもしれないが、今はある手駒で何とかしなければならない。
「ハアァ!!」
今日一番の力を込めて、口の付け根当たりを狙い、突き刺す。
硬い鱗に当たり、強引に剣を入れても人間の五倍近く太い首の肉に阻まれ、中途で止まってしまった。
マズイっと思った瞬間、こちらへ向かう強引な力が働き、体制を崩されそうになる。
ここで剣ごと振り回されれば本当に危なくなる!
ところだったが、次の瞬間
ドッッ、ズゥーン! バリバリ
剣を支点に、相手の向かってくる力を利用して、逆に相手の態勢を崩す「合気道」の『入身投げ』が応用の形で決まる。
投げの遠心力で剣は抜け、背中から地面の岩場に叩きつけられ、岩石にひびが入っていく。
千載一遇のチャンスにすぐさま剣を握り返し、柔らかい腹に一閃を加え、勝負はついた。
「はぁはぁ、少し危なかったな」
完璧に技が決まったが、それは力の弱いEランクのリザードで力のかかるタイミングと方向を掴んでいたためだ。
力の大きいグレイトリザード相手に上手く経験を応用することが出来た。
調子に乗って、最初からグレイトリザードに挑んでいたら重傷を負っていたかもしれない。
それと、合気道が元は剣術からの派生の柔術が発祥なだけあり、剣を持った状態との相性が思いの外、良かったのもある。
滴り落ちる汗を拭い、先程上がったばかりの筈のレベルアップを再び感じながら、初日の戦いを引き上げることにした。
64
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる