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2章 臨時冒険者登録試験
第44話 Dランクダンジョン
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Dランクダンジョンに向かうため、約一週間ぶりに初心者の森に入る。
この世界に一週間という単位はない、10日×3で1ヶ月を12で1年だ、わかりやすい。
ここ数日は雨が降っておらず、スライムは見かけなかったが、奥にいくとコボルトが少しだがリポップしていた。
成長試しに斬って見たが、そもそもここにいたときから無双(本当は雑魚狩り)できていたので特に手応えもなく、あっさり倒せた。
予定としては着くのは夕方で、どっちにしろダンジョンに入るつもりはないので、心の余裕を持って移動できていた。
変に宣言などしてしまったが、焦りで危なくなるのは避けねばならないだろう。
森の反対側に出て、そこからまた歩くこと3時間。疲労が出てきたところで、ようやく目的地が見えてきた。
Dランクダンジョン『リザードの巣窟』はダンジョンの見た目こそ変わらないが、中に入ればリザードとグレイトリザードが犇《ひし》めいているという。牛じゃなくて蜥蜴だけど。
真っ赤なトカゲで火は吐かないらしいが、戦闘になると全身が高温になり触れると火傷をするらしい。
それに備えて、昨夜はスキルブック「火傷耐性」を作成して、読んでおいた。
火傷に効くポーションもあり、用意もしたのだがソロでの戦闘中なら耐性があったほうが絶対にいいな。耐性がなく、全身火傷にでもなれば最悪意識が飛んでしまうし。
まずはダンジョン近くにテントを張り、落ち着くとしよう。冒険者達がある程度固まってテントを張るのは理由がある。自衛のためだ。
数組なら逆に怖いが、すべて一箇所に固まっておけば悪さをするとすぐにバレるし、当然重い厳罰になる。
それに街の外なので、ここあたりは滅多に出ないが、フィールドの魔物が襲ってくる場合もある。
そういった理由で自然とキャンプ場のように固まって皆で戦えるようにしている。
さて、今日の夜もまたスキルブックを作成し、明日に備えて早めに就寝した。
翌朝、早速ダンジョンへ、係の人に特別許可証を見せ、中に入る。
中は『ゴブリンの巣』に似ている、開けた空間だが、木々や平原ではなく岩石地帯だった。
「うぉ、このデカさがこれだけいると、迫力が凄いな。寝ているのが救いだけど。」
小声で一人呟く。
岩石にへばりつくように多くのリザード達が寝そべっている。
コボルト程度の大きさのEランク魔物のリザードと、もはやデカいワニにしか見えない、人間二人分くらいの大きさのDランク魔物のグレイトリザード達だ。
この魔物は群れてはいないので、一体ずつ倒すのがベターだ。
その点でいくと、銃で戦うのはリスクがある。
轟音が鳴り、近くのリザード達を起こして襲われると厄介だ。それに、皮膚が厚くて硬く、数発で仕留められるとは限らないだろう。
基本は剣で戦う。こちらの武器はリザードを捕食するという、ワイバーンの牙でできている。
刃が負けることはないだろうが、最初の一撃で相当ダメージを負わせないと苦戦するだろう。
そのことを踏まえて、昨夜は「剛力」のスキルをさらに取得した。切り裂くには技術もいいが、まずはパワーだ。
怖いがそっと近づき、脳天らしき部分に上から垂直に剣を振り下ろす。
―Dランクダンジョン攻略が始まった。
この世界に一週間という単位はない、10日×3で1ヶ月を12で1年だ、わかりやすい。
ここ数日は雨が降っておらず、スライムは見かけなかったが、奥にいくとコボルトが少しだがリポップしていた。
成長試しに斬って見たが、そもそもここにいたときから無双(本当は雑魚狩り)できていたので特に手応えもなく、あっさり倒せた。
予定としては着くのは夕方で、どっちにしろダンジョンに入るつもりはないので、心の余裕を持って移動できていた。
変に宣言などしてしまったが、焦りで危なくなるのは避けねばならないだろう。
森の反対側に出て、そこからまた歩くこと3時間。疲労が出てきたところで、ようやく目的地が見えてきた。
Dランクダンジョン『リザードの巣窟』はダンジョンの見た目こそ変わらないが、中に入ればリザードとグレイトリザードが犇《ひし》めいているという。牛じゃなくて蜥蜴だけど。
真っ赤なトカゲで火は吐かないらしいが、戦闘になると全身が高温になり触れると火傷をするらしい。
それに備えて、昨夜はスキルブック「火傷耐性」を作成して、読んでおいた。
火傷に効くポーションもあり、用意もしたのだがソロでの戦闘中なら耐性があったほうが絶対にいいな。耐性がなく、全身火傷にでもなれば最悪意識が飛んでしまうし。
まずはダンジョン近くにテントを張り、落ち着くとしよう。冒険者達がある程度固まってテントを張るのは理由がある。自衛のためだ。
数組なら逆に怖いが、すべて一箇所に固まっておけば悪さをするとすぐにバレるし、当然重い厳罰になる。
それに街の外なので、ここあたりは滅多に出ないが、フィールドの魔物が襲ってくる場合もある。
そういった理由で自然とキャンプ場のように固まって皆で戦えるようにしている。
さて、今日の夜もまたスキルブックを作成し、明日に備えて早めに就寝した。
翌朝、早速ダンジョンへ、係の人に特別許可証を見せ、中に入る。
中は『ゴブリンの巣』に似ている、開けた空間だが、木々や平原ではなく岩石地帯だった。
「うぉ、このデカさがこれだけいると、迫力が凄いな。寝ているのが救いだけど。」
小声で一人呟く。
岩石にへばりつくように多くのリザード達が寝そべっている。
コボルト程度の大きさのEランク魔物のリザードと、もはやデカいワニにしか見えない、人間二人分くらいの大きさのDランク魔物のグレイトリザード達だ。
この魔物は群れてはいないので、一体ずつ倒すのがベターだ。
その点でいくと、銃で戦うのはリスクがある。
轟音が鳴り、近くのリザード達を起こして襲われると厄介だ。それに、皮膚が厚くて硬く、数発で仕留められるとは限らないだろう。
基本は剣で戦う。こちらの武器はリザードを捕食するという、ワイバーンの牙でできている。
刃が負けることはないだろうが、最初の一撃で相当ダメージを負わせないと苦戦するだろう。
そのことを踏まえて、昨夜は「剛力」のスキルをさらに取得した。切り裂くには技術もいいが、まずはパワーだ。
怖いがそっと近づき、脳天らしき部分に上から垂直に剣を振り下ろす。
―Dランクダンジョン攻略が始まった。
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