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おまけ
◯◯しないと出れない部屋②(エリオスとレイナード)
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「ふふ…」
レイナードはくすぐったいらしく目を細めて声を出す。小さい頃、まだ一緒に暮らしていた頃、大人たちから隠れて宮殿の部屋の一室でのことを思い出す。レイナードの父親は王にとても可愛がられていたから、幸い怒られることもなかったけど、今思い返すと結構大ごとではあった、かも。
何部屋もある寝室の一つに潜り込む。ひらひらと服の裾を揺らしながら、探検気分で歩き回った。遠い日の思い出だ。今は全部奪われた。主も、親友も、自分の夢も。
(まあいい。取り返せばいいだけだ)
エリオスは息を大きく吐くと、そのまま顔を近づけた。が。
むぎゅ
「…は?」
レイナードの手で口を覆われてしまい、思わず不機嫌な声音になる。
「…ふぁにおまえ、やるひあんの?」
「だだだだって!なんか改められると、恥ずかしいっていうか、なんていうか……その……」
レイナードは顔を赤くして目を泳がせる。エリオスは内心舌打ちしたくなった。
(この天然たらしめ)
「ふんっ」
むにむにと手の下で唇を動かしていると、レイナードが不満そうな顔をした。
「もーそれもやめてよぉお…」
「おまへがへんなことかんがえてるらけじゃん」
すけべとジト目を送ると、レイナードは首をブンブン振る。
「ちっ!違うよ!変なことなんて考えてないって!」
「…ふーん」
そう言うとエリオスはすっと目を細める。そのまま舌なめずりをすると、かぷりと手を噛んだ。
「っ!?!?」
レイナードが目を白黒させて手を引っ込めようとするので、エリオスはそれを許さないとばかりに手首を掴んで引き寄せた。そしてそのまま指の根元まで咥え込む。舌で指をなぞり、軽く歯を立てる。
「ひゃ…ひゃあ…」
顔を真っ赤にしておろおろしだすレイナードを、エリオスは上目で見上げた。目が合うと更に赤くなる。
「…レイのえっち」
「ぼ、僕のせい!?違うよね?」
驚くと少しつり目の目が大きく見開く。レイナードの母国語のイントネーションが変わらないことに、エリオスは内心、すごく、とても、ほっとしている。
毒されてたまるかと思っている自分と、元来お人好しのレイナードでは恐らく変化も受容の度合いも違う。数年後、学園で背の高い金髪の男に甲斐甲斐しく面倒を見られている姿を見て焦燥は一層強くなっていく。
「……お前って、ほんと、ずるいよね」
「え?」
そんなのは僕だけでいい。他の奴になんか絶対見せたくないし渡さない。
「いいでしょ?別に。全部僕が初めてだったわけだし」
「それはその…子供の頃の話で……」
レイナードは恥ずかしいのか頰を赤らめてもじもじしている。その仕草にエリオスは苛々する。
「今は?」
「…へ?」
「なんで今は恥ずかしいの?」
(一つ一つ、外堀を埋めるように詰めていかないと、鈍いレイは気付かない)
「それは…その…」
目を逸らす仕草にエリオスは心の中で確信する。
「…意識しちゃった?僕のこと」
「っ!」
レイナードの顔が真っ赤になる。エリオスはにやりと笑った。
「可愛いね、レイ」
「もー!からかってばっかり!僕は真剣に悩んでるのに……」
「じゃあ真面目に答えてよ。僕とキスするの嫌?」
「……い、いやじゃ……ないけど……」
(よし…!)
心の中でガッツポーズをした。この流れでいけば、このまま押し切れるだろうという確信があった。
「なら問題ないでしょ?それともずっとここにいる??僕はそれでも構わないけど」
半分脅しで半分本音。正直な話どちらでもよかった。このまま2人でいるのだって、そんなに悪い話じゃない。ここには、面倒くさいしがらみも、自分から親友を奪っていく悪いやつらもいない。
(まあそれでも、レイは出ていくって言うんだろうけど…)
その優しさを好きだと思うし、同じくらい許せないと思う。一緒の世界を見てたはずなのに大事なものが違うことに、エリオスは密かに傷ついていた。
***
レイナードはくすぐったいらしく目を細めて声を出す。小さい頃、まだ一緒に暮らしていた頃、大人たちから隠れて宮殿の部屋の一室でのことを思い出す。レイナードの父親は王にとても可愛がられていたから、幸い怒られることもなかったけど、今思い返すと結構大ごとではあった、かも。
何部屋もある寝室の一つに潜り込む。ひらひらと服の裾を揺らしながら、探検気分で歩き回った。遠い日の思い出だ。今は全部奪われた。主も、親友も、自分の夢も。
(まあいい。取り返せばいいだけだ)
エリオスは息を大きく吐くと、そのまま顔を近づけた。が。
むぎゅ
「…は?」
レイナードの手で口を覆われてしまい、思わず不機嫌な声音になる。
「…ふぁにおまえ、やるひあんの?」
「だだだだって!なんか改められると、恥ずかしいっていうか、なんていうか……その……」
レイナードは顔を赤くして目を泳がせる。エリオスは内心舌打ちしたくなった。
(この天然たらしめ)
「ふんっ」
むにむにと手の下で唇を動かしていると、レイナードが不満そうな顔をした。
「もーそれもやめてよぉお…」
「おまへがへんなことかんがえてるらけじゃん」
すけべとジト目を送ると、レイナードは首をブンブン振る。
「ちっ!違うよ!変なことなんて考えてないって!」
「…ふーん」
そう言うとエリオスはすっと目を細める。そのまま舌なめずりをすると、かぷりと手を噛んだ。
「っ!?!?」
レイナードが目を白黒させて手を引っ込めようとするので、エリオスはそれを許さないとばかりに手首を掴んで引き寄せた。そしてそのまま指の根元まで咥え込む。舌で指をなぞり、軽く歯を立てる。
「ひゃ…ひゃあ…」
顔を真っ赤にしておろおろしだすレイナードを、エリオスは上目で見上げた。目が合うと更に赤くなる。
「…レイのえっち」
「ぼ、僕のせい!?違うよね?」
驚くと少しつり目の目が大きく見開く。レイナードの母国語のイントネーションが変わらないことに、エリオスは内心、すごく、とても、ほっとしている。
毒されてたまるかと思っている自分と、元来お人好しのレイナードでは恐らく変化も受容の度合いも違う。数年後、学園で背の高い金髪の男に甲斐甲斐しく面倒を見られている姿を見て焦燥は一層強くなっていく。
「……お前って、ほんと、ずるいよね」
「え?」
そんなのは僕だけでいい。他の奴になんか絶対見せたくないし渡さない。
「いいでしょ?別に。全部僕が初めてだったわけだし」
「それはその…子供の頃の話で……」
レイナードは恥ずかしいのか頰を赤らめてもじもじしている。その仕草にエリオスは苛々する。
「今は?」
「…へ?」
「なんで今は恥ずかしいの?」
(一つ一つ、外堀を埋めるように詰めていかないと、鈍いレイは気付かない)
「それは…その…」
目を逸らす仕草にエリオスは心の中で確信する。
「…意識しちゃった?僕のこと」
「っ!」
レイナードの顔が真っ赤になる。エリオスはにやりと笑った。
「可愛いね、レイ」
「もー!からかってばっかり!僕は真剣に悩んでるのに……」
「じゃあ真面目に答えてよ。僕とキスするの嫌?」
「……い、いやじゃ……ないけど……」
(よし…!)
心の中でガッツポーズをした。この流れでいけば、このまま押し切れるだろうという確信があった。
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半分脅しで半分本音。正直な話どちらでもよかった。このまま2人でいるのだって、そんなに悪い話じゃない。ここには、面倒くさいしがらみも、自分から親友を奪っていく悪いやつらもいない。
(まあそれでも、レイは出ていくって言うんだろうけど…)
その優しさを好きだと思うし、同じくらい許せないと思う。一緒の世界を見てたはずなのに大事なものが違うことに、エリオスは密かに傷ついていた。
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