超能力者の異世界生活!

ヒデト

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占い師!

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「おいお前!何してる!」

「ちょっとソーゴ、言い方」


そこには機嫌が悪そうなソーゴにレーナそしてネロもいた。クロがいつまで経ってもギルドに来ないから痺れを切らし、迎えにきたのだ。


「早く準備しろ!クエストに行くぞ」

「はぁ、偉そうに…」


クロはベッドに寝転んだまま聞こえないくらいの声でつぶやく


「俺はいいや、三人で行ってこいよ」

「はぁ?お前何言ってるんだ!」

「だから三人で行ってこいって言ってんだよ。俺いいわ」

「何がいいんだよ?」


クロとソーゴのやり取り、少し雲行きが怪しくなる。それを察したレーナは「わかりました」と半ば強引に話を終わらせ、ソーゴを部屋から連れ出した。
静まり返る空間にクロ、ミラ、アリスの三人。クロは何事もなかったかの様に再び電子書籍を読み続ける。


そして、その翌日の昼。昨日と同じように電子書籍をベッドにだらし無く寝転びながら読んでいた。

バタンッ!!

「おい、二回目だぞ!」


勢い良く扉が開き、振り返ると怒った様子のソーゴが立っていた。


「お前、迷惑かけてる自覚あるか?」


真剣な顔で少し偉そうに言う。


「……また、偉そうに」


クロは舌打ちをし、ソーゴが聞き取れない声で呟く。


「は?何言ってんだよ」


ソーゴにはこれは聞こえていたが内容までは聞き取れていなかった。


「お前、年いくつだ?」

「十四だよ」

「…やっぱ年下」

「は?お前、さっきから何言ってんだ?」


クロはスマホを置きムクっと体を起こす。


「前から思ってたけどな。お前なんでそんなに偉そうなんだ?俺はなあ。ずっと我慢してたんだよ。ムカついてんだよ。言葉を交わすたび、偉そうに話すお前に。調子乗ってんじゃねぇぞ!」


ソーゴに対し、説教を始めるクロ。ニーナも止めようとするが既に口を出しにくい空気へと変わっていた。


「そんなのしらねぇよ。テメェこそ勝手なことしてんじゃねぇよ!お前こそ、パーティー組んでるんだからめいわくかけんじゃねぇよ!」


お互いに熱くなり口論になる。完全には口を出せる雰囲気では無い。それでも、喧嘩を止めようとニーナは控えめにソーゴの服の袖を引っ張り「やめなよ」と囁く。
だが、クロとソーゴの言い合いは止まらない。激しさを増す口論。少しずつ声が大きくなっていく。お互いの感情が打つかる。


「もういいわ!俺、このパーティー抜けるわ!」

「え?!」


クロの不意の一言に一同が驚き声を漏らす。


「ああ!やめろやめろ!やめちまえ!!」

「ちょっとソーゴ!クロさん冗談ですよね?」

「冗談なんかじゃねぇよ。わかったら出て行ってくれ」

「ああ。そうさせてもらうよ」


そう言い、ソーゴはニーナの手を引き部屋から出ていく。ネロも戸惑いながらも部屋を立ち去った。
部屋漂う嫌な空気。クロは溜息を吐くと再び電子書籍を読み始める。
アリスも心配そうにクロの顔を目詰めるが、クロが放つ雰囲気に声をかけることが出来なかった。


一日中電子書籍を読む生活。だが、この生活はすぐに終わる。
かつてなら何も思わず行なっていた習慣が今は何か落ち着かない。
アリスとミラも初めはずっとそばに居たが今ではよく居なくなる。遅い時は朝に出て行き夕方に帰ってきたりもする。

金の貯蓄も対して無いこの状況でニート生活を決め込む俺に愛想を突かせた。

そう思ってもおかしくは無い。

部屋が落ち着かなくなったクロは街へ繰り出した。ぼんやりと街をふらつき。街外れの原っぱで寝転がる。


「あーあ。帰りテェな…」


今の生活は定年退職したお父さんそのもの。だが、現状はそんな可愛いものでは無い。
変える場所は金のかかる宿で仕事もせず収入も無い只管わずかな貯蓄を只管浪費するクズ人間。
そんな俺はふと占いの店に立ち寄る。


「へぇ、こんな店あったんだ」


薄暗い店内、奥には黒のロープを着た婆さんが居た。オカルト臭漂う店内はまんまとしか言いようがなかった。


「何か用かな?」

「あっ!えーっと…」


何気なく入ったクロはすぐに言葉が出なかった。


「まぁ座りなさい」


クロは言われるがままお婆さんの前に座る。


「悩み事があるようだね。うーん……。色々苦労したんだね」

「わかるんですか?」


そう言いつつも、うすっぺらいなぁと思っていた。占い師っぽい事いつまでいるだけにしかクロには聞こえなかった。


「これから俺はどうすればいいですかね」

「うーん。……元の世界に帰る、って言うのは、正直今すぐは無理だよ。まず、前の世界の事は忘れる事だね。完全に忘れた頃に帰ることができるだろう。」

「そうですか………………え?」


聞き流すように聞いていたクロは耳を疑った。


「今は辛いだろうがしっかりここでの基盤を作ることだ。それから……」


「チョチョッ!ちょっと待った!!も元の世界って何のことですか??」


占い師がさらっと発した『元の世界』『前の世界』と言うワードに動揺を隠せない。


「お主が胡散臭いと思っておったからな。これを言えば、信用するかと思ったのでなぁ」


異世界の人間である事を言い当てる不思議な占い婆さん。疑う点は沢山ある。が、クロはお婆さんへの印象が一変した。そして、自分がだれであるかをしっている。そう思った瞬間、正体不明の占い師の婆さんに壁を感じなくなった。
クロの瞳から涙が溢れた。この婆さんはクロの心を読んだ。これは疑い、警戒するポイントである。誰でも心をを読まれれば警戒する。その事に恐怖を覚えるはずだ。
だがクロの心をあった感情は真逆。
嬉しさ、喜び、感動、感激、そう言った感情だったのだ。
この世界で唯一、クロを理解できる人だった。


「……俺は…元の世界に帰りたい…」


クロは絞り出すように呟く。


「もう嫌なんだ…しんどいんだよ……」


気づけば、クロは今の気持ちを打ち明けていた。それをお婆さんは黙っていく。


「俺は…間違いでこの世界に来たんだ。来たくてたんじゃ無い!この世界でもう何回も死にかけた。もう、うんざりだ」

「すまんが、わしにはどうすることもできない」

「わかってる。何も期待はしてないよ。でも、言わずにはいられないんだよ。悪いが聞いてくれる。


クロは言いたい事、溜め込んでいた事を全て吐き出した。お婆さんはこれを黙っていたていた。同じ事を何度も何度も声が枯れるまで言い続けた。
もうどのくらい話したかわからない。


「はぁ、ありがとうお婆さん。楽になったよ。本当に帰る方は無いのか」

「ああ。だけど、さっきも言ったが忘れた頃、本当に思いがけないタイミングで元の世界への道は開かれるだろう」

「そうか。なぁ、また来てもいいか」

「ああ、いつでもいたらええ。ただ、ひとつだけ良いか?」

「ああ」

「お主が元の世界へ帰りたいのはわかっている。だが、お主が居ないと困る者、お主を慕う者もおる。その者達の事はこの世界にいる間は…」


お婆さんはここで言うのをやめた。
これが誰のことを指しているのかはすぐに分かった。言いたい事も。
クロ「わかってるよ」といい店を出た。


「明日から頑張るか」


勉強をしない学生のようだが、本気でそう思った。だが、ソーゴと喧嘩していた事を思い出しどうするか考える。
店の外はもう暗く人気も少なくなっていた。クロは気分良くそのまま宿まで帰った。
帰ると部屋の中は暗くアリスとミラ、二人がいなかった。


「あいつらどこ行った?」


クロは心配し探した行こうとすると、普通に二人が帰ってきた。


「お前らどこ行ってたんだ!心配するじゃ無いか」

「えっ?あっ!ごめんなさい」


少し驚きを見せ、二人は謝った。
まぁ無理もない。クロは気づいていないがクロが冒険に行かなくなってからこう言う事をしていたのだ。今までは何も言われなかったのに今日になっていきなり怒られた。怒られるなんて思っていなかったのだ。
そして、この瞬間クロも少し驚いた。クロが叱った時アリスだけで無くミラも謝った事、ミラの表情が少し明るくなっていた。出会った頃は無表情だったが目に光が宿っていた。


「お前ら随分やか良くなったんだな」

「はい。お兄ちゃん、これ」


そう言い、アリスが巾着を差し出す。重量感があるその中身。巾着を開けるまでもない。


「このお金どうしたんだ?」

「お金、いるでしょう?」

「いや、いるけど…このお金どこで?」

「依頼、やって来たの」

「依頼って二人でか?」

「ソーゴさんとレーナさんとネロさんとだよ」

「そ、そうか…」


これは……やばいな。このままじゃ俺は、最低クズ認定されてしまうな。ていうか、もう思われてるか…


クロは宿でゴロゴロ。アリスとミラは依頼を受けに行く。この図はどう見てもクロがアリスとミラを稼ぎに行かせているようにしか見えない。

だが、そんな事よりも今は…


「気持ちは嬉しいが、これは受け取れないよ」

「え?何で?」

「大人が子供に働かせるとかクズすぎるだろ。だからこれはアリスとミラのお金だ」

「でも…」

「良いから!で、明日からまた一緒に依頼に行こう」


クロは巾着を無理やり返し、言い聞かせた。
そして、クロにやることが出来た。
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