前世の記憶さん。こんにちは。

満月

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ドワーフは大きいの?

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無事に出発!!!


『獣人国今までありがとう』と心のなかで感謝を伝えて、2人は獣人国からドワーフ国へと飛び立った。川を渡るのに30分もかからず、エメはシンジュの後ろを追いかけてあっという間にドワーフ共和国へ到着したのだった。


川を渡る途中で巨大な鯉?人面魚?がいて『えぇ?』と何度か心がざわついたが、ここまでくれば一安心と気持ちを落ち着かせ、あとは入国審査を待つだけとなった。

シンジュは怪しまれないためには、どうやって入ろうか『うーん』と考え始めた。


ここはドワーフ共和国の入口だから、どうやって来たのか聞かれた時に答えられないよなあ~
バカ正直に「空を飛んできました~」なんて言ったら投獄か、変な検査をされそう。

身分証はギルド発行だから···エメ君と打ち合わせするか。

「エメ君、私達まだ身分証がないから入国審査を受ける際に疑われるかもしれない。安全に入国出来るように話をすり合わせたい。入国できればギルドに行って身分証が作れるよ!ここが1番の頑張りどころ!!!」と熱意を含み伝えた。


僕が頑張れば喜んでもらえる?と思ったエメは
「わかりました、がんばりゅ。」と即答で答えた。



ふぅ~よかった。無事にエメ君が理解してくれたみたい。





ーーーーーーーーーーーー

打ち合わせの結果

私達の関係性については
シンジュは
獣人国付近の山の麓に両親と住んでいたけれど、両親が亡くなり麓から降りてきたところでエメに出会った。

エメ君は
親が亡くなってしまって、身寄りがいなかったため里から追い出された。お腹が空き1人でご飯を探しをしていたところシンジュに出会った。
自分たちで生きていくためには手に職をつけることが必要だと考えた結果、素晴らしく技術が発達しているドワーフ国に竜であるエメの力を借りて来た。


というストーリー

ーーーーーーーーーーーーー



少し後半無理があるけれど、ほぼ完璧じゃない?
小さくても竜は竜だから飛べると思われるでしょう!!

それから念入りに設定を頭に叩き込み、入国審査に並ぶのであった。ボロが出ないようにひたすら無言で並んでいた。

前に近付くにつれてシンジュはドキドキとしていたが、隣ではエメが余裕そうな表情で佇んでいる。『子供なのにすごいな~』と関心しつつ、迷子にならないように2人で手を繋い順番を待っていた。
実はこの時エメはあまりの人の多さに絶句し意識が飛びかけていたのである。


入国審査に並んだが物凄く長い行列でなかなか進まない···かれこれ1時間以上待っていた。


「楽しみだな···」

「あれが見たい」

「こっちのほうが楽しそう」アハハ 


なに、なに、なにが楽しみなの??並んでいる人達から「楽しみ」という言葉が度々聞こえてきた。気になったので近くの人達の会話を盗み聞きすると、明日からドワーフ共和国では技術祭りが開かれる???

ドワーフの巨匠達が技術を披露したり、販売したり···
だからこんなに入国審査に時間がかかっているのかと納得した。
獣人国の国境はほぼ無人であった。そのためなぜ同じ検問所で、これだけ人の数が違うのか不思議であった。

引き続きお隣さんを盗み聞きすると···



「お前は今回スカウトするのか??」

「あぁ俺か?一応国からはいい人材を探してこいって言われてるけどな~良い人材がいるといいのだが···」

「巨匠は無理でも若手なら1人くらいはいるだろう。若手の大会で見たらどうだ?」

「あぁそうだな。良い奴がいても交渉がな···お前も手伝えよ。」

「あぁ分かった。俺も熊親方の作った物が欲しかったが、今回は販売しないらしい。だからお前を手伝ってやるよ。」

うんうん。何となく話が読めた。
若手はきっと巨匠達の弟子のことかな?その弟子達の大会が開かれて、その人達をスカウトするのかな??

きっと巨匠と言われる人達はわざわざ他国に行く必要がないから若手がスカウトされるのかな?
うーんよく分からないけど···ドワーフって自分の作りたい物のために貪欲になるって聞いたことがあるけれど、入国してからドワーフ達を観察してみよう。

あとは今の話から入国してもホテルとかは無さそう···また外で泊まるか、でも休みたいし休ませたい···うーん悩んでいると「次の人こちらへ」とやっと私達が呼ばれた。



かれこれ3時間も待ちやっと呼ばれた。
初めは無言で我慢していた2人だったが、流石に並ぶだけでは飽きてしった。途中からエメとシンジュは恋人同士じゃないのにも関わらず話が止まらなかった。

「あの、シンジュ様はほんとうに人間?」
「もちろん、人間だよ!見えないかな?」
「うん、ピカピカキラキラしてて妖精に見えた。あのあの目は黒色なの?」 
「黒だよ。エメ君はキレイな緑でいいな~」
「ぼぼぼくの緑いい??」

····シンジュが盗み聞きを行うまで、エメからシンジュに対して圧迫面接が開始し、全て答えたため少し疲れたシンジュであった。エメはエメでたくさん話が聞きたくて話足りなかった。何処から来たのか教えてもらえなかったことに悲しくなったエメだったが『やっぱり妖精だ!!!』と思うのだった。

シンジュはまだ逃げてきた件については話してない。まだ入国前のため、どこで誰が聞いてるか分からないという不安からその件については口を閉ざした。

それから入国審査では、打ち合わせ通りの話をしたら無事に通ることができた。入国審査では、審査官が「はいはーい」と適当に流し、追求されることなくてスムーズに入国できた。

あまりにも呆気ない入国にシンジュは面をくらった。

祭りがあるのになぜ警備が緩いのか不思議にと思ったが、
『人間がどうこう出来るわけない』と思われたと解釈をした。だか実際には魔道具で犯罪者か非犯罪者ではないか入国審査の入り口で厳しく取締をしていたのだった。

入国手続きは出来たシンジュ達であったが、身分証がない場合は1人銀貨3枚必要だった。お金を持っていなくて困っていたところ、ドワーフの隊長さんが貸してくれたため無事に入国できた。
エメと合わせて銀貨6枚だった。





この世界は国によって収入が違うが
大体平民1ヶ月の給与が銀貨2枚のためかなりの高額である。
身分保証のためにはこの国に限らずお金を要求されることがある。国によって支払う金額はマチマチでありこの国は妥当な金額であった。腐敗している国や街で金貨を要求されることもザラにある。

それを知っていたシンジュはドワーフの隊長さんに大感謝をしたのである。しかし入国したのにも関わらず別室に案内され身構えたが、、、それは杞憂に終わる。

「どこに連れて行かれるのかな?」


「わかんにゃぃ。こわい。」もしかしてぼくのせいかな?と落ち込んでいた。

「私も怖い。」
と2人で小声で話していると突然「お前達は身長はいくつだ?」と質問をされ答えた。


シンジュが170cmで、エメが130cmと答えるとガハハと笑いだし、隊長が俺は195cmあるぞ!!!ガハハと笑った。

確かにデカイ。思わず凸凹コンビって言いたくなるような3人組です。それから隊長さんはまだまだ身長伸びているそうで、1年に8cmずつ・・・思春期かよ!ってツッコみたくなりました。

身長について質問されてから、ぺらぺらずーっと隊長さんが話してる。年齢が40歳で、1番若手なんだって···

「俺平民出身だけど隊長なっちまった」って言ってるよ。思わずエメ君と顔合わせちゃったよ。



何で別室に呼ばれたのだろう??何か取り調べられると思ったけれど、ペラペラ隊長が喋るだけ?···そういや鑑定魔法が使えるから見ればよかった。


(鑑定) 

名前 タラリトス
種族 ドワーフ族(見た目)
家族 母親熊獣人 父親ドワーフ族
年齢 40歳
身長  195cm(まだまだ伸びる予定)
体調 寝不足 成長痛
備考 両親の出会いについて・・・
父親が獣人国へ採掘に行った時に、熊獣人に一目惚れ。
手で岩を砕く姿にトキメキ。猛アタックの末に結婚。
今もラブラブで一緒に採掘をしている。
息子の見た目はドワーフ族であるが、身体機能は母親の熊獣人を受け継いでおり、最強な強さを持つ。
ただ平民ということもあり花形の役職ではなく、門番や討伐部門へ配属。
両親の恋愛に憧れていて、出逢った他種族全員に一目惚れ。

、、、、、、、
なんだこれ。1人じゃ処理しきれません。
鑑定魔法の共有できたりするかな?
エメ君に電波で通信するイメージで、、
ブフォッエメ君吹き出してる···無事鑑定の共有できたみたい。
なんでもありだな。私の魔法!!

早く魔法の検証したいと強く思った。



それよりもエメ君の驚いた姿『かーわーいーい。』
エメ君笑ってる。私もエメ君を見て笑顔になっちゃう!ふふ
弟にしたい病が発動して気持ち悪いシンジュだったが、気を取り直して鑑定魔法の内容を見ていくと、エメ君の時もだったが備考欄には今知りたい情報や鑑定魔法が教えたい情報が書かれるのではないかと考えた。

今回なぜ別室に連れて行かれたのか知るために鑑定魔法を使った。それによって備考欄に『他種族全員に一目惚れ』という謎のワードを読み解く事ができた。他の人の備考欄も今後チェックしていかなければならないと思った。



それよりも鑑定内容を読んでいたエメ君が突然口を抑えて爆笑している。ふふこの鑑定内容はさすがに笑ってしまう!!

もう少しまともな書き方をしてくれないと、今後鑑定魔法を使った時に笑ってしまいそうだ。



そしてなによりドワーフの隊長さんは私達に一目惚れ?それでお金を貸してもらえたのかな??
貸してもらえたからいいけど、熊獣人の要素もあるのか~
ドワーフなのに巨体······ドワーフへの思い込みを撤廃します!



あと『平民だから···』っていう文章が気になった。結局どこの国も貴族が優先って···もったいないな~



そんな事を考えてる最中、ずーっとしゃべってる隊長さん。
すごいおしゃべり···あまりにも止まらないので顔が思わず引き攣った···このお喋り地獄がなければ高身長で強そうだからモテると思うよ??

備考欄にドワーフ1のおしゃべり男って書いたほうが良いよ!鑑定魔法さん!!

それともドワーフは皆お喋りなのかな???

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