前世の記憶さん。こんにちは。

満月

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ギルドが遠い。

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隊長さんと別れてギルドに向かった2人は早速迷ってしまった。
隊長さんから行き方を教えてもらったのだが、「ここからまっすぐ進んだ先を右に曲がって、また進んだら左手にあるぞ!分からなくなっても冒険者が歩いている報告に進めばわかるぞ。」

と言っていた。もう一度説明を求めたら違う行き方を話されたので、途中で話を遮り最初に言われた通りに向かったのだが、40分ほど歩いたけれど全く着く様子がない。

分からなくなったので2人で冒険者らしき人達の事を観察してみるも、冒険者達は左右バラバラに歩いている···困ってしまった。


それもそのはずである。お祭りの影響で護衛として街にやってきた冒険者や、お祭りで武器を買おうとわざわざ遠くの国からやってきた冒険者で街は溢れていた。

さらにほとんどの人がシンジュやエメよりも背が高く、混雑の影響もあって街の様子が分からない。


ドンッ「ッくそ邪魔だなコラ」

「うぅ、ごめんなさい」

「あぁ?ごめんな。お前ら2人とも子供か。俺も悪かった。小さいからお前達気を付けろよ!」

とういうやり取りを何度したこと·····

あまりにも混雑しているため、よそ見をすると必ず誰かにぶつかり大声で怒られるが許してもらえる···小さい子特典で許してもらえるけれど物凄く怖いと思った。

厳つい冒険者風の獣人やドワーフ達···少しぶつかるだけで何度か転んでしまったシンジュやエメはこのままだと骨折などの怪我をするかもしれないと思った。流石にこのまま探し続けるのは不味いと思ったシンジュが口を開いた。



「エメ君、やっぱり分からないよね。誰かに聞いてみようか。」

エマ君はキョロキョロしてる。ふふ

「わかった!!ぼく、ぼくが聞いてくるよ?」

いやいやいや、エメ君がここから離れたら迷子になるよ。
走り出そうとしたエメ君の腕を必死に掴み、「一緒に声かけに行こうね。」と伝えた。
すると直ぐに「はい」と元気いっぱいな返事をした。

ただ腕を掴んだときに力が強すぎて少し引きづられた。流石竜人だと思った···

それからどの人に聞くか観察をしていると、人の良さそうなおじさんがいた!!あの屋台のおじさんに聞いてみようかな。何屋だろうか???

勇気を振り絞り一歩一歩向かうと

「いらっしゃい」ニカッと笑うおじさん素敵だった!!!



「おじさん冒険者ギルドの場所を教えてほしい。」



「嬢ちゃんたちが冒険者ギルドに何か用があるのか?ここの道をまっすぐ進んで行くと、すぐ右手に酒場が見えるからその隣だな。多分今日は外で酒の販売をしてるはずだからわかると思うぞ?」

酒場があるのか。それを目印に行けば大丈夫そうだね。
「おじさんありがとう!!冒険者ギルドに行った帰りに寄ってもいい?」

「おぉ待ってるぞ。先に注文受けとくか?」

うーん、見たところ何かの串焼き?見た目は美味しそう。1本で焼き鳥何本分だろう?拳位あるお肉の固まりが3つ棒に刺さってる。あっそうだった、まだお金がなかった····

「おじさん中身は全部一緒?2本お願いしてもいい? それとギルドの帰りにお金を払ってもいい?」


「支払いはあとでいいぞ!全部オークの塩焼きだ。新鮮なオークだからうまいぞ!俺が昨日獲ってきたからな。わははは」


オーク!!!ファンタジー!!この世界にいることは知っていたけど、私の住んでた国にはオークなどの大きな魔物はいなかった。異世界に来たって感じがする。ワクワク

ちなみにオークって醜い豚さんであってるよね、、、

あれ?そういえば逃亡中は虫の魔物には嫌というほど遭遇したけれど、オークやコブリンといった魔物は見かけなかったな?

何でだろう?···暫く考えたが分からなかったので『無事にドワーフ共和国にたどり着いたからそれで良しとしよう』ということにした。

「おじさんすごいね!!冒険者なの?今度倒し方を教えてね!じゃあオークの塩焼き2本よろしくね。」

「おぉ待ってるぞ!!!さっさといってこい!」



は~いいってきます!手をブンブン振って屋台を後にした。

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