前世の記憶さん。こんにちは。

満月

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皆で久しぶりにご飯とシンジュのやらかし···

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その後結局クリーン魔法を使って身体をキレイにすると、気づかないうちに眠っていたようだ。
起きた時は、ベット横に隊長とエメがいて2人が大泣きしているところだった。ピクニックに行けなくて泣いたのかな?


「ピクニック行けなくてごめんね」とシンジュはベットの上で土下座した。

それに慌てた隊長とエメが「ぢ、がう。そ、れはどうでもいい···ぼ、くはいっしょにいれるなら、しょ、れでいい。」

「今回はどこまで転移できるか分からなかったからエメを連れて行かなかっただけだよ。置いていくことはないから安心してね?」

「そ、れでもいっしょがぃぃ」 

「今度は絶対に一緒に行く」と約束し、エメは機嫌が直ったのだった。しかし隊長は不機嫌のままで「自分も一緒に行く」宣言して、何とかみずほが了承するとやっと機嫌が直った。

その後シンジュの部屋にギルドマスターまでやってくると、全員で食事を摂った。

久しぶりの全員での食事だったので初めは話が盛り上がっていたが始めて食べたスイートポテトに3人が釘付けになり、それぞれ牽制し合いながら食べていた。

「おいこれなんだ?美味すぎる。砂糖も好きだが、これも美味い。」

「ギルドマスターは砂糖好きですもんね。これはスイートポテトです。甘い芋で作りました。砂糖を食べるよりも身体にいいよ。」

「あ?身体にいい?甘い芋?あれは食べれんのか?」

「もちろん食べれますよ。あの芋を使うと甘いお菓子がたくさん作れます。それに芋のお酒とかも美味しいですよ!」



「は???芋の酒ってなんだ?どこに売ってんだ?」

シンジュとギルドマスターの会話に突然興奮した隊長が入ってきた。


あっやばぃ···
「···どこかで飲んだことあるような。アハハ」


「どこだ?嬢ちゃんの祖国か?俺は大の酒が大好きだからな。お願いだ。俺に教えてくれ!」


うっわ前世で飲んだ芋焼酎···この世界はワインとエールしかないから飲めるわけないよね···やらかした。
「私の知っている知識はもろみって呼ばれる発酵した液を使ってたような~そこに芋や米、麦を入れて発酵させて、さらに蒸留や濾過をして作られたような···」

梅酒とかは作ったことあるけれど、そもそも焼酎は買ったものを使って梅酒を作るからお酒の作り方なんてわからない。


「おお!!!!すごいな!!!俺に教えてくれ。」


いやいや、焼酎はむりです。エールならできるかな···
「詳しく分からないならから作れないよ。エールなら作れるかもしれない。」

「は?エールってあのエールか?あれなら俺も作れるのが、ドワーフのエールとは別物か?」


「エール工房を見に行ったことがあるから作れるはずだよ。」

前世でご当地ビールにハマってからネットで色々調べてそれなりの知識があるはず。それにドワーフのエールとは全く別物だから売れるはず···

「俺と一緒にビールを作らないか?俺は仕事をやめたら酒とともに暮らしたいと思っていた。それぐらい酒が好きだ。たがハーフって理由から酒を作る工房へ弟子入りをしようとしたら何度か断られたことがある。理由はな、ドワーフ以外の血が混ざると酒が不味くなるってよ。」


そんな事があったのか···それは差別だよな~
味は作る人次第だと思う。いくら良い素材を使っても、適当に作れば最初は美味しいかもしれないけれど、その後が続かない。
「手伝うけれどメインは隊長がやってくれる?それに知識は少しあるけれど作ったことがないから分からないよ?」

「それは問題ねぇ。俺も知識があるが作ったことはねぇ。だかこの4人で取りかかれば美味い酒ができるはずだ。」

へ?4人?!いつの間にエメやギルドマスターが協力することになったのかな?
2人とも未だに黙々と食べていて私達の話を聞いてないけど大丈夫なのかな?!

「おい、ギルドマスター、庭に酒造を作っていいか?」

モグモグ···モグモグ、モグモグ

「ありがとうよ。んじゃ親父に行ってくるわ。」とすごい速さでいなくなった。んーーー、ギルドマスターはあれで返事をしたの?!

モグモグ食べてる姿が頷いて見えただけだと思うけど···私は知らない。ちゃんと話を聞いていなかったギルドマスターが悪いもんね。

その後3日ほどで酒造が出来上がった。さらに内装も酒造りをしたかった息子のためにと、空いた時間を利用して酒を作る器具を準備していた隊長の父親によって全て整えられており、すぐに酒造りができる状態になったのだった。
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