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閑話
ルスカside 幼女、学校にいく その参
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教室の扉を開けて入って来た女性は、とても長身でアカツキに近い。
何より特筆するのは、その身体の細さ。
短い黄緑のスカートから出てる脚はスラッと長く、朱色のフードの付いた半袖のパーカーを着ており腕も白く細い。
顔は切れ長の眼に、薄く紅をひいた唇、そして尖った耳。リンドウギルドの受付のナーちゃんと同じエルフだ。
「あややや、せ、先生が一番最後ですか? お、遅れてすいません」
入って来た途端に腰を曲げ、内股になる女性。
「リロ先生、大丈夫だよぉ。遅刻じゃないよぉ」
セリーが慰めるようにフォローする。リロ先生と呼ばれた女性は、教壇に立つまでに何かに怯えているのか脚は震え、キョロキョロと辺りを伺いながら、生まれたての仔馬の様に歩く。
「セリー、あれが先生なのじゃ? 大丈夫かのぉ?」
「大丈夫! いつも通りだよ」
心配そうに見るルスカとリロ先生の目が合う。
リロ先生は、教壇にしがみつくように、のし掛かり、教壇は地震でもないのに震えている。
「あやややや! だ、誰ですか? 先生の知らない子が居ます! ゆ、幽霊ですか?」
「誰が幽霊なのじゃ!!」
「リロ先生、新しく来たルスカちゃんですぅ」
ルスカに怯えるリロ先生と、幽霊扱いされ青筋を立てるルスカ。セリーがすかさずフォローした。
「あややや、新しい子ですか? そうですか。るるる、ルスカちゃんですね、よろしくお願いします。ああ、あれ? “ルスカ?”何処かで聞いたような?」
「ルスカじゃ! よろしくなのじゃ、リロ先生」
「あやや、小さいのによく挨拶出来ましたね。偉いですよ」
リロ先生は、全身を震わしながらルスカに近寄ると、頭を撫でてあげる。
しかし、全身震えているため、ルスカの頭に伝わり震え出す。
「だだ、大丈夫かのぉぉ?」
「面白い先生でしょぉ?」
学校生活が少しずつ不安になるルスカだった。
◇◇◇
「あややや、き、今日は新しい本を配りますね。あややや、あれ? わ、忘れて来ました、取ってきます」
「先生、俺が行く。先生の机の上?」
「あやや、ハリー君。ありがとうございます。はい、先生の机の上に本があるので、にに、人数分お願いします」
ハリーが率先して立ち上がり教室を出ていくと、後ろの席のユーリがつついてくる。
「ハリー、ルスカちゃんに良いとこみせたいみたいだね」
「こんなハリー、珍しいよね」
ユーリとユーキはお互いを見合い、クスクスと笑いだした。
「先生、取って来たぞ」
「あや、速いですね。そのまま配って貰えますか?」
ハリーはそのまま順番に配っていき、ルスカの番になる。
「ほらよ」
「うむ、ありがとうなのじゃ」
ハリーから手渡しで受け取ったルスカはニッコリ微笑むと、ハリーはプイッと他所を向く。
最後にリロ先生の分を渡すとハリーは席に着いた。
「どれどれ? “グルメール物語”?」
ルスカは早速本を開くと、固まる。
「あや、これは国から配られた絵本になります。おお、主に昔あったグルメールであった英雄“ルスカ・シャウザード”の物語です。歴史の勉強になるし、色々と教訓なども書かれていてとっても勉強になる本です。あや? ルスカ? ルスカちゃんと同じ名前ですね」
「ひ、人違いじゃ」
表表紙を開くと一面にルスカの肖像画が描かれている。
「わぁ、ルスカちゃんに似てるねぇ」
「ひ、人違いじゃ」
絵本に描かれているのは、いわゆる英雄譚で、ルスカが言った事のないような恥ずかしい台詞の数々が絵と共に描かれている。
たまに、実は魔女だとか、子供を食べるとか、人の揚げ足を取るのが上手いとか所々悪口が書かれてもいた。
「あや、この絵本は、先日ワズ大公が新しく書き直したもので……って、ルスカちゃーん、聞いてますかー?」
ろくでもない内容に微動だにしなかったルスカが突然勢いよく絵本を閉じる。
そして、そのまま机に絵本を叩きつけるといきなり立ち上がった。
「……ワズ大公め。ぶっ飛ばすのじゃーー!!!」
「あややや、ルスカちゃん、駄目ですよぉ」
目が吊り上がり、顔を真っ赤にして正に鬼の形相へと変わり、教室を飛び出そうとする。
鬼の形相のルスカに臆しながらも、今までの動きからは信じられない速さでリロ先生は、後ろから持ち上げる。
「ぶっ飛ばす、ぶっ飛ばす、ぶっ飛ばすのじゃーー!!」
手足をバタつかせ暴れるが、リロ先生は離さない。
「あややや、落ち着いてくださーい。あああ、明日お城に行きますけどぶっ飛ばすのは駄目です」
ピタリとルスカが暴れるのを止めて、リロ先生の方を振り返る。
「明日、城に行くつもりなのじゃ?」
「あや、ししし、社会見学です」
それを聞きルスカはニヤリと、何やら含みのある笑みを見せる。
「あややややや、な、な、なんかこの子怖いですー」
リロ先生は、明日の社会見学が不安に苛まれ、うっすらとその目には涙が浮かんでいた。
◇◇◇
その後の授業は、文字の練習や小学四年生くらいまでの算数、グルメールの歴史など、ルスカにとっては退屈なものだったのだが、明日の事を考えるとニヤニヤが止まらず終始笑顔だった。
しかし、却ってそれがリロ先生には不気味で不安で、帰る時には胃の辺りを押さえていた。
授業は昼過ぎに終わり、五人揃って寮へと行く。
寮の食堂では、ご飯の用意とおやつが用意されていた。
ふらふらと食堂に行こうとするルスカの腕を引っ張り、まずは部屋に荷物を置きに行く。
寮の部屋は、八人部屋なのかベッドが八つあり、男女別とはなっておらずハリーやユーリも一緒の部屋だった。
荷物を置き、再び食堂へと向かい、まずは用意されたご飯を食べた。
その頃には食堂には別の街からやって来ている子供達もおり、気がつけばルスカの周りには絵本に似た女の子が居ると集まって来ていた。
「今からおやつの時間じゃ。おやつに集中したいのじゃ」
何処から来たのとか、何歳だとか同じような質問責めにうんざりとしたルスカがそう言うと、成る程と散っていく。
「人気者だねぇ、ルスカちゃん」
「全然、嬉しくないのじゃ! それより、おやつ。おやつじゃ」
出されたおやつは、何かの果物をゼリー状にしたもので、ほんのり甘い。
周りの子供達は、それを嬉しそうに食べるが、一口食べたルスカは口を尖らし不満げな表情をする。
「どうしたのぉ? ルスカちゃん」
心配そうに見てくるセリーに、ルスカは黙って首を振り耳打ちする。
「あまり美味しくないのじゃ……アカツキの作ったおやつの方が格段に旨いのじゃ」
「そうなのぉ?」
「旨いし、とーっても甘いのじゃ。今度食べに来るのじゃ」
「私も行きたいな」
「僕も行きたいな」
「なぁ……俺もいいか?」
いつの間にかルスカとセリーの周りに集まっていたハリー達も会話に参加する。
動乱を終え、アカツキは余った時間が出来る度に、おやつを作っていた。
もちろん食べるのはルスカだ。
「わかったのじゃ。みんな来ればいいのじゃ」
作るのはアカツキなのだが、勝手に約束するルスカ。
おやつは結局綺麗に平らげ、ルスカ達五人は部屋へと戻って行く。
五人は部屋で集まって、アカツキのおやつの話で盛り上がる。
ルスカの過剰な表現により、アカツキのおやつへの妄想は留まる所を知らない。
ホットケーキの話などは、大きさがウェディングケーキ並みになっていた。
意外だったのは、皆が勉強が好きだということ。談笑を終えると皆は自主的に復習などを始める。
ハリーまでもが、積極的に勉強に取り組んでいた。
退屈になってきたルスカは、大きな欠伸をする。
「ルスカちゃん、もう寝るぅ? 寝るなら寝間着に着替えようねぇ」
「わかったのじゃ……」
ルスカはその場で服を脱ごうとし始める。
慌ててセリーとユーキが止めた。
「ルスカちゃん、駄目だよぉ! 着替えるならここでね」
セリーに試着室みたいな場所に放り込まれると、寝間着に着替えて出てくる。
「あ、終わったぁ? じゃあ、寝ようねぇ」
セリーが手を繋ぎルスカのベッドに連れて行こうとするが、動かない。
「セリー、一緒に寝るのじゃ」
そう言うとルスカはセリーのベッドによじ登り、ベッドの上を這っていく。
枕のある場所までたどり着く前に、ルスカは力尽きた様にその場でうつ伏せになると、そのまま眠りについたのだった。
何より特筆するのは、その身体の細さ。
短い黄緑のスカートから出てる脚はスラッと長く、朱色のフードの付いた半袖のパーカーを着ており腕も白く細い。
顔は切れ長の眼に、薄く紅をひいた唇、そして尖った耳。リンドウギルドの受付のナーちゃんと同じエルフだ。
「あややや、せ、先生が一番最後ですか? お、遅れてすいません」
入って来た途端に腰を曲げ、内股になる女性。
「リロ先生、大丈夫だよぉ。遅刻じゃないよぉ」
セリーが慰めるようにフォローする。リロ先生と呼ばれた女性は、教壇に立つまでに何かに怯えているのか脚は震え、キョロキョロと辺りを伺いながら、生まれたての仔馬の様に歩く。
「セリー、あれが先生なのじゃ? 大丈夫かのぉ?」
「大丈夫! いつも通りだよ」
心配そうに見るルスカとリロ先生の目が合う。
リロ先生は、教壇にしがみつくように、のし掛かり、教壇は地震でもないのに震えている。
「あやややや! だ、誰ですか? 先生の知らない子が居ます! ゆ、幽霊ですか?」
「誰が幽霊なのじゃ!!」
「リロ先生、新しく来たルスカちゃんですぅ」
ルスカに怯えるリロ先生と、幽霊扱いされ青筋を立てるルスカ。セリーがすかさずフォローした。
「あややや、新しい子ですか? そうですか。るるる、ルスカちゃんですね、よろしくお願いします。ああ、あれ? “ルスカ?”何処かで聞いたような?」
「ルスカじゃ! よろしくなのじゃ、リロ先生」
「あやや、小さいのによく挨拶出来ましたね。偉いですよ」
リロ先生は、全身を震わしながらルスカに近寄ると、頭を撫でてあげる。
しかし、全身震えているため、ルスカの頭に伝わり震え出す。
「だだ、大丈夫かのぉぉ?」
「面白い先生でしょぉ?」
学校生活が少しずつ不安になるルスカだった。
◇◇◇
「あややや、き、今日は新しい本を配りますね。あややや、あれ? わ、忘れて来ました、取ってきます」
「先生、俺が行く。先生の机の上?」
「あやや、ハリー君。ありがとうございます。はい、先生の机の上に本があるので、にに、人数分お願いします」
ハリーが率先して立ち上がり教室を出ていくと、後ろの席のユーリがつついてくる。
「ハリー、ルスカちゃんに良いとこみせたいみたいだね」
「こんなハリー、珍しいよね」
ユーリとユーキはお互いを見合い、クスクスと笑いだした。
「先生、取って来たぞ」
「あや、速いですね。そのまま配って貰えますか?」
ハリーはそのまま順番に配っていき、ルスカの番になる。
「ほらよ」
「うむ、ありがとうなのじゃ」
ハリーから手渡しで受け取ったルスカはニッコリ微笑むと、ハリーはプイッと他所を向く。
最後にリロ先生の分を渡すとハリーは席に着いた。
「どれどれ? “グルメール物語”?」
ルスカは早速本を開くと、固まる。
「あや、これは国から配られた絵本になります。おお、主に昔あったグルメールであった英雄“ルスカ・シャウザード”の物語です。歴史の勉強になるし、色々と教訓なども書かれていてとっても勉強になる本です。あや? ルスカ? ルスカちゃんと同じ名前ですね」
「ひ、人違いじゃ」
表表紙を開くと一面にルスカの肖像画が描かれている。
「わぁ、ルスカちゃんに似てるねぇ」
「ひ、人違いじゃ」
絵本に描かれているのは、いわゆる英雄譚で、ルスカが言った事のないような恥ずかしい台詞の数々が絵と共に描かれている。
たまに、実は魔女だとか、子供を食べるとか、人の揚げ足を取るのが上手いとか所々悪口が書かれてもいた。
「あや、この絵本は、先日ワズ大公が新しく書き直したもので……って、ルスカちゃーん、聞いてますかー?」
ろくでもない内容に微動だにしなかったルスカが突然勢いよく絵本を閉じる。
そして、そのまま机に絵本を叩きつけるといきなり立ち上がった。
「……ワズ大公め。ぶっ飛ばすのじゃーー!!!」
「あややや、ルスカちゃん、駄目ですよぉ」
目が吊り上がり、顔を真っ赤にして正に鬼の形相へと変わり、教室を飛び出そうとする。
鬼の形相のルスカに臆しながらも、今までの動きからは信じられない速さでリロ先生は、後ろから持ち上げる。
「ぶっ飛ばす、ぶっ飛ばす、ぶっ飛ばすのじゃーー!!」
手足をバタつかせ暴れるが、リロ先生は離さない。
「あややや、落ち着いてくださーい。あああ、明日お城に行きますけどぶっ飛ばすのは駄目です」
ピタリとルスカが暴れるのを止めて、リロ先生の方を振り返る。
「明日、城に行くつもりなのじゃ?」
「あや、ししし、社会見学です」
それを聞きルスカはニヤリと、何やら含みのある笑みを見せる。
「あややややや、な、な、なんかこの子怖いですー」
リロ先生は、明日の社会見学が不安に苛まれ、うっすらとその目には涙が浮かんでいた。
◇◇◇
その後の授業は、文字の練習や小学四年生くらいまでの算数、グルメールの歴史など、ルスカにとっては退屈なものだったのだが、明日の事を考えるとニヤニヤが止まらず終始笑顔だった。
しかし、却ってそれがリロ先生には不気味で不安で、帰る時には胃の辺りを押さえていた。
授業は昼過ぎに終わり、五人揃って寮へと行く。
寮の食堂では、ご飯の用意とおやつが用意されていた。
ふらふらと食堂に行こうとするルスカの腕を引っ張り、まずは部屋に荷物を置きに行く。
寮の部屋は、八人部屋なのかベッドが八つあり、男女別とはなっておらずハリーやユーリも一緒の部屋だった。
荷物を置き、再び食堂へと向かい、まずは用意されたご飯を食べた。
その頃には食堂には別の街からやって来ている子供達もおり、気がつけばルスカの周りには絵本に似た女の子が居ると集まって来ていた。
「今からおやつの時間じゃ。おやつに集中したいのじゃ」
何処から来たのとか、何歳だとか同じような質問責めにうんざりとしたルスカがそう言うと、成る程と散っていく。
「人気者だねぇ、ルスカちゃん」
「全然、嬉しくないのじゃ! それより、おやつ。おやつじゃ」
出されたおやつは、何かの果物をゼリー状にしたもので、ほんのり甘い。
周りの子供達は、それを嬉しそうに食べるが、一口食べたルスカは口を尖らし不満げな表情をする。
「どうしたのぉ? ルスカちゃん」
心配そうに見てくるセリーに、ルスカは黙って首を振り耳打ちする。
「あまり美味しくないのじゃ……アカツキの作ったおやつの方が格段に旨いのじゃ」
「そうなのぉ?」
「旨いし、とーっても甘いのじゃ。今度食べに来るのじゃ」
「私も行きたいな」
「僕も行きたいな」
「なぁ……俺もいいか?」
いつの間にかルスカとセリーの周りに集まっていたハリー達も会話に参加する。
動乱を終え、アカツキは余った時間が出来る度に、おやつを作っていた。
もちろん食べるのはルスカだ。
「わかったのじゃ。みんな来ればいいのじゃ」
作るのはアカツキなのだが、勝手に約束するルスカ。
おやつは結局綺麗に平らげ、ルスカ達五人は部屋へと戻って行く。
五人は部屋で集まって、アカツキのおやつの話で盛り上がる。
ルスカの過剰な表現により、アカツキのおやつへの妄想は留まる所を知らない。
ホットケーキの話などは、大きさがウェディングケーキ並みになっていた。
意外だったのは、皆が勉強が好きだということ。談笑を終えると皆は自主的に復習などを始める。
ハリーまでもが、積極的に勉強に取り組んでいた。
退屈になってきたルスカは、大きな欠伸をする。
「ルスカちゃん、もう寝るぅ? 寝るなら寝間着に着替えようねぇ」
「わかったのじゃ……」
ルスカはその場で服を脱ごうとし始める。
慌ててセリーとユーキが止めた。
「ルスカちゃん、駄目だよぉ! 着替えるならここでね」
セリーに試着室みたいな場所に放り込まれると、寝間着に着替えて出てくる。
「あ、終わったぁ? じゃあ、寝ようねぇ」
セリーが手を繋ぎルスカのベッドに連れて行こうとするが、動かない。
「セリー、一緒に寝るのじゃ」
そう言うとルスカはセリーのベッドによじ登り、ベッドの上を這っていく。
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