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再び
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王太子殿下も無事に卒業され、ベル様達生徒会のメンバーは新体制のもと、長期休暇にも関わらず入園式の準備の為に生徒会室で作業を進めていた。因みに、今年の生徒会長は、私達と同じ学年の第二王子─ユシール=コンフォール様である。王太子殿下と同じ金髪ではあるが、瞳の色は紫ではなく、王妃陛下と同じ碧色をしている。
完璧腹黒?な王の器に相応しい王太子殿下とは少し違い、勉強はできるが、他人に流されてしまうようなところがあり、上に立つ者としては心配になる事もあるが、基本はしっかりとした人だ。
ーこの人が、エレーナと…ー
と思うと、私はイマイチこの第二王子を信頼する事が出来ずにいる。
「そう言えば、シルの従妹弟が新入生で入ってくるのよね?」
「はい。その…平民枠での入園になりますが…」
「平民枠?」
ベルフォーネ様が小首を傾げる。どうせ、隠していたところで、直ぐに噂になるだろうし─と思い、叔母が身分を放棄している事、ただ、アルダートン公爵家嫡男の婚約者候補になっている為、婚約者に決定された場合は叔母達は伯爵家へ戻されるなど、素直に話した。
「ひょっとして、シルも候補の1人なの?」
「そうです。ただ、私は婚約者になるつもりは無いと─父と祖父には伝えてあります。」
それでも、アルダートン公爵側は、未だにマクウェル様の婚約者を決定していない上に、私にもこの学園生活の間は候補を辞する事も止められている。
ーエレーナに決めれば良いのにー
エレーナに決まれば、私だって…本当に……
実は、学園生活が始まってからは、あまりマクウェル様とは会えていない。クラスが違うのもあるが、私は淑女コースを選択した上に、常にベルフォーネ様と行動している。
マクウェル様の方は、領地運営など将来公爵を継ぐ為に必要なコースを選択している為、全く授業で被る事がないから。
それでも、月に1、2回程はキリクス邸にやって来てお茶をすると言う事は続いていた。今はまだ、マクウェル様も私にも優しい笑顔を向けてくれている。
そう言えば…そろそろアヤメさん達も、王都に来る頃じゃなかったかなぁ?そうなると、マクウェル様はエレーナ達が暮らす予定のハイネル邸にも通う事になるだろう。そうなると、2人の距離も…縮まるかもしれない…よね…
チクリ─と胸が痛むのは…きっと気のせい─だよね。
「シル?」
黙り込んでしまったところで、ベルフォーネ様に心配そうに声を掛けられる。
「あ、すみません。少し…考え事を。」
「大丈夫なの?」
「はい、大丈夫です。では、私はこの書類を先生に渡して来ますね。」
先生のサインが必要な書類を持って、私は職員室へと向かった。
「あぁ、また会ったな。」
職員室に入り、生徒会の顧問の元へと向かうと、そこにはまた、王弟殿下が居た。
「王弟殿下。あの、以前はご挨拶もせずに失礼致しました。私、オーティス=キリクスの娘、シルフィーと申します。この学園に通っていますが、ベルフォーネ=アルダートン様付きの侍女をしております。」
書類を持っていた為、軽く頭を下げるだけに留まる。
「あぁ…“キリクス”の…なるほど…」
一瞬目を細めて私を見た後、何故かニヤリと笑う。
この態度からすると、私がベルフォーネ様の“盾”だと言う事を、知っている、若しくは勘付いたのかもしれない。王弟であるから、別に知られても構わないし、王弟殿下が他人に言いふらす事もないだろう。
「俺は─って、知ってたな。王弟のアシュレイ。アシュレイ=ウォルバートだ。ひょっとして、生徒会顧問のカレン先生に用があったのか?」
「はい、そうです。カレン先生は、不在ですか?」
「カレン先生は居ないが、その生徒会の顧問、俺が引き継いだから、俺が話しを聞くよ。」
「──はい??」
ー王弟殿下が…生徒会の顧問?ー
「カレン先生、妊娠してな。その代役として俺が就任したんだ。一応、2年間の予定でな。」
カレン先生は、魔法学の先生でもある。
しかも、王弟殿下は現役の宮廷付きの魔法騎士だ。そんな、色んな意味で凄い人が…学園で指導を!?それって、凄い事だよね!?
ーでも…私には…ー
興奮する自分が居る。でも、私には…殆ど魔力がないから─
「そうなのですね。私は魔法学は選択していませんので…残念です。あ、すみません。この書類なんですが、目を通してサインをいただけますか?このうち、上から3枚は急ぎですので、ここで待たせていただいて宜しいでしょうか?」
「分かった。そこに座って待ってろ。」
私から書類を受け取った王弟殿下は、直ぐに書類へと視線を落とした。
王弟殿下はもともと魔力量も多かった事もあり、この学園では魔法学を学んでいて、卒業後は成人したのと同時に王位継承権を放棄した。
『俺は上に立つタイプではなく、支える側が性に合ってる。』
そう宣言されて、王弟殿下は魔法騎士の道へ進み、今では副団長を努めている。
ー私にも、もっと魔力があったら、王弟殿下の授業を受けれたのかもしれないなぁー
そう思いながら、王弟殿下の様子を眺めていた。
完璧腹黒?な王の器に相応しい王太子殿下とは少し違い、勉強はできるが、他人に流されてしまうようなところがあり、上に立つ者としては心配になる事もあるが、基本はしっかりとした人だ。
ーこの人が、エレーナと…ー
と思うと、私はイマイチこの第二王子を信頼する事が出来ずにいる。
「そう言えば、シルの従妹弟が新入生で入ってくるのよね?」
「はい。その…平民枠での入園になりますが…」
「平民枠?」
ベルフォーネ様が小首を傾げる。どうせ、隠していたところで、直ぐに噂になるだろうし─と思い、叔母が身分を放棄している事、ただ、アルダートン公爵家嫡男の婚約者候補になっている為、婚約者に決定された場合は叔母達は伯爵家へ戻されるなど、素直に話した。
「ひょっとして、シルも候補の1人なの?」
「そうです。ただ、私は婚約者になるつもりは無いと─父と祖父には伝えてあります。」
それでも、アルダートン公爵側は、未だにマクウェル様の婚約者を決定していない上に、私にもこの学園生活の間は候補を辞する事も止められている。
ーエレーナに決めれば良いのにー
エレーナに決まれば、私だって…本当に……
実は、学園生活が始まってからは、あまりマクウェル様とは会えていない。クラスが違うのもあるが、私は淑女コースを選択した上に、常にベルフォーネ様と行動している。
マクウェル様の方は、領地運営など将来公爵を継ぐ為に必要なコースを選択している為、全く授業で被る事がないから。
それでも、月に1、2回程はキリクス邸にやって来てお茶をすると言う事は続いていた。今はまだ、マクウェル様も私にも優しい笑顔を向けてくれている。
そう言えば…そろそろアヤメさん達も、王都に来る頃じゃなかったかなぁ?そうなると、マクウェル様はエレーナ達が暮らす予定のハイネル邸にも通う事になるだろう。そうなると、2人の距離も…縮まるかもしれない…よね…
チクリ─と胸が痛むのは…きっと気のせい─だよね。
「シル?」
黙り込んでしまったところで、ベルフォーネ様に心配そうに声を掛けられる。
「あ、すみません。少し…考え事を。」
「大丈夫なの?」
「はい、大丈夫です。では、私はこの書類を先生に渡して来ますね。」
先生のサインが必要な書類を持って、私は職員室へと向かった。
「あぁ、また会ったな。」
職員室に入り、生徒会の顧問の元へと向かうと、そこにはまた、王弟殿下が居た。
「王弟殿下。あの、以前はご挨拶もせずに失礼致しました。私、オーティス=キリクスの娘、シルフィーと申します。この学園に通っていますが、ベルフォーネ=アルダートン様付きの侍女をしております。」
書類を持っていた為、軽く頭を下げるだけに留まる。
「あぁ…“キリクス”の…なるほど…」
一瞬目を細めて私を見た後、何故かニヤリと笑う。
この態度からすると、私がベルフォーネ様の“盾”だと言う事を、知っている、若しくは勘付いたのかもしれない。王弟であるから、別に知られても構わないし、王弟殿下が他人に言いふらす事もないだろう。
「俺は─って、知ってたな。王弟のアシュレイ。アシュレイ=ウォルバートだ。ひょっとして、生徒会顧問のカレン先生に用があったのか?」
「はい、そうです。カレン先生は、不在ですか?」
「カレン先生は居ないが、その生徒会の顧問、俺が引き継いだから、俺が話しを聞くよ。」
「──はい??」
ー王弟殿下が…生徒会の顧問?ー
「カレン先生、妊娠してな。その代役として俺が就任したんだ。一応、2年間の予定でな。」
カレン先生は、魔法学の先生でもある。
しかも、王弟殿下は現役の宮廷付きの魔法騎士だ。そんな、色んな意味で凄い人が…学園で指導を!?それって、凄い事だよね!?
ーでも…私には…ー
興奮する自分が居る。でも、私には…殆ど魔力がないから─
「そうなのですね。私は魔法学は選択していませんので…残念です。あ、すみません。この書類なんですが、目を通してサインをいただけますか?このうち、上から3枚は急ぎですので、ここで待たせていただいて宜しいでしょうか?」
「分かった。そこに座って待ってろ。」
私から書類を受け取った王弟殿下は、直ぐに書類へと視線を落とした。
王弟殿下はもともと魔力量も多かった事もあり、この学園では魔法学を学んでいて、卒業後は成人したのと同時に王位継承権を放棄した。
『俺は上に立つタイプではなく、支える側が性に合ってる。』
そう宣言されて、王弟殿下は魔法騎士の道へ進み、今では副団長を努めている。
ー私にも、もっと魔力があったら、王弟殿下の授業を受けれたのかもしれないなぁー
そう思いながら、王弟殿下の様子を眺めていた。
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