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囚われる
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王弟殿下との視線を逸らさずに答える。
「はい。マクウェル様を…庇ってできた傷です。」
もう隠していても仕方無いと思い、素直に答えると、王弟殿下は「そうか─。」とだけ呟いた。きっと、マクウェル様が王族の血筋であり、幼い頃は命を狙われていたと言う事を知っているんだろう。それ以上の事は、何も訊いて来なかった。
「私は…キレイなエレーナとは違って、“傷物”なんだそうです。」
『ルー』
「見返りが欲しくて、マクウェル様を庇った訳ではないんです。ただただ…守りたかっただけなんです。」
王弟殿下は何も言わずに、私の話をただじっと聞いてくれている。
「私も記憶を失っていて、思い出したのもマクウェル様と再会してから何年か経った後でした。マクウェル様も…忘れていたようですけど。でも、それで良いと思ったんです。この傷痕のせいで、マクウェル様を縛り付けるような事はしたくなかったので。」
だから、私は余計にマクウェル様と婚約を結びたくないと思った。責任をとって結婚をする─みたいで…嫌だったから。
「ふふっ。それなのに…まさか、マクウェル様から…あんな事を言われるなんて…思わなかっ────」
それ以上は、言葉にできなかった。
縛り付けたくない─と言いながら、私を選んでくれたら─とも思った事もあった。
私が助けたかっただけだから、マクウェル様は何も悪くない─と言いながら、貴方を庇ってできた傷なのに─と思ってしまった自分も居た。
ー本当に…私は何て汚い人間なんだろうー
「私は…王弟殿下の側に居て良い様な人間じゃないんです。私が側に居る事で、王弟殿下に迷惑が掛かるだけで…“影の盾”としても役に立たない…傷物なんです。だから──」
ー婚約を解消して下さいー
と、続けるつもりだったのに。
気が付けば、王弟殿下に引き寄せられて
王弟殿下に、服の上から左肩にある傷痕の場所にキスをされた。
「──っ!?」
「こんな傷痕一つでお前の価値は何も変わらない。この傷痕を含めて、俺はお前を─シルフィーを愛しいと思っている。ただ…この傷がついたのが、マクウェルのせいかと思うと─腹立たしいがな。」
傷のある場所から、じんわりと王弟殿下の魔力が流れ込んで来るのが判った。
「シルフィーは、俺の体に傷痕があったら…軽蔑するか?」
「そんな事はしません!」
「だろう?それと同じだ。前にも言ったと思うが、シルフィーがどう足掻こうが、俺はお前を逃がすつもりはないからな?逃げたとしても──必ず捕まえるからな。だから、おとなしく──俺に囚われていろ。」
口角を上げて笑い、今度は私の髪にキスを落とした。
ー心臓に悪い!!ー
あれ?おかしい…私、ショックを受けて…倒れたのよね?なのに…何故…気持ちが軽くなっているの?
恥ずかしい気持ちをグッと我慢して、チラリと王弟殿下を見ると、王弟殿下は愉しそうな顔をして私を見下ろしていた。
トクン
と、私の胸が反応する。
今度こそ…信じても…良いのだろうか?その優しさを信じて…受け入れても良いのだろうか?
「ん?俺の顔に何かついているのか?」
「ふふっ。何もついていません。」
いつか私が言った言葉だ。
「そうか。なら…俺に見惚れていたと言う事で良いのか?それなら、応えないといけないな?」
「応える?」
ー何をー
と言い掛けた口を──何かに塞がれた。
でもソレは一瞬で──
「………」
「…可愛いな………。」
王弟殿下は、まるで眩しいものを見るかのように、目を細めて私を見ている。
「─え?」
「さぁ、そろそろ帰ろうか?また倒れると大変だから、馬車迄送って行こう。」
そう言うと、王弟殿下は私に有無を言わせず、私を横抱きにして歩き出した。
そして、我に返った時は…馬車の中だった。
そんな2人が出て行った医務室には、ベルフォーネとアーロンが居た。
「アーロンは…シルの傷痕の事を知っていたの?」
「いえ。あるのは知っていましたけど…それが、マクウェル様を庇って─とは知りませんでした。」
「そう─。なら、この事は、このまま秘密にしておいてくれるかしら?」
「何故ですか?この事は、マクウェル様に言うべきではないのですか?」
「それをシルが望んでいるのならね。でも、シルはそれを望んではいないわ。それに…それをマクウェル様に伝えてどうなると?あんな男は─シルに相応しくはないわ。アーロンには申し訳無いけど、あの男にはエレーナ位がお似合いだわ。」
「申し訳ありません。」
アーロンがベルフォーネに頭を下げて謝る。
「アーロン、勘違いしては駄目よ。例え姉弟─双子であっても、アーロンはアーロン、エレーナはエレーナよ。貴方が謝る必要なんてないわ。寧ろ、この状況できちんと自分の意思を持って動いている貴方は立派だと思うわ。」
「─!ありがとう…ございます。」
アーロンがお礼を言うと、ベルフォーネはニッコリと微笑んだ。
ーマクウェル=ルーラント、エレーナ。私は貴方達を赦さないー
「はい。マクウェル様を…庇ってできた傷です。」
もう隠していても仕方無いと思い、素直に答えると、王弟殿下は「そうか─。」とだけ呟いた。きっと、マクウェル様が王族の血筋であり、幼い頃は命を狙われていたと言う事を知っているんだろう。それ以上の事は、何も訊いて来なかった。
「私は…キレイなエレーナとは違って、“傷物”なんだそうです。」
『ルー』
「見返りが欲しくて、マクウェル様を庇った訳ではないんです。ただただ…守りたかっただけなんです。」
王弟殿下は何も言わずに、私の話をただじっと聞いてくれている。
「私も記憶を失っていて、思い出したのもマクウェル様と再会してから何年か経った後でした。マクウェル様も…忘れていたようですけど。でも、それで良いと思ったんです。この傷痕のせいで、マクウェル様を縛り付けるような事はしたくなかったので。」
だから、私は余計にマクウェル様と婚約を結びたくないと思った。責任をとって結婚をする─みたいで…嫌だったから。
「ふふっ。それなのに…まさか、マクウェル様から…あんな事を言われるなんて…思わなかっ────」
それ以上は、言葉にできなかった。
縛り付けたくない─と言いながら、私を選んでくれたら─とも思った事もあった。
私が助けたかっただけだから、マクウェル様は何も悪くない─と言いながら、貴方を庇ってできた傷なのに─と思ってしまった自分も居た。
ー本当に…私は何て汚い人間なんだろうー
「私は…王弟殿下の側に居て良い様な人間じゃないんです。私が側に居る事で、王弟殿下に迷惑が掛かるだけで…“影の盾”としても役に立たない…傷物なんです。だから──」
ー婚約を解消して下さいー
と、続けるつもりだったのに。
気が付けば、王弟殿下に引き寄せられて
王弟殿下に、服の上から左肩にある傷痕の場所にキスをされた。
「──っ!?」
「こんな傷痕一つでお前の価値は何も変わらない。この傷痕を含めて、俺はお前を─シルフィーを愛しいと思っている。ただ…この傷がついたのが、マクウェルのせいかと思うと─腹立たしいがな。」
傷のある場所から、じんわりと王弟殿下の魔力が流れ込んで来るのが判った。
「シルフィーは、俺の体に傷痕があったら…軽蔑するか?」
「そんな事はしません!」
「だろう?それと同じだ。前にも言ったと思うが、シルフィーがどう足掻こうが、俺はお前を逃がすつもりはないからな?逃げたとしても──必ず捕まえるからな。だから、おとなしく──俺に囚われていろ。」
口角を上げて笑い、今度は私の髪にキスを落とした。
ー心臓に悪い!!ー
あれ?おかしい…私、ショックを受けて…倒れたのよね?なのに…何故…気持ちが軽くなっているの?
恥ずかしい気持ちをグッと我慢して、チラリと王弟殿下を見ると、王弟殿下は愉しそうな顔をして私を見下ろしていた。
トクン
と、私の胸が反応する。
今度こそ…信じても…良いのだろうか?その優しさを信じて…受け入れても良いのだろうか?
「ん?俺の顔に何かついているのか?」
「ふふっ。何もついていません。」
いつか私が言った言葉だ。
「そうか。なら…俺に見惚れていたと言う事で良いのか?それなら、応えないといけないな?」
「応える?」
ー何をー
と言い掛けた口を──何かに塞がれた。
でもソレは一瞬で──
「………」
「…可愛いな………。」
王弟殿下は、まるで眩しいものを見るかのように、目を細めて私を見ている。
「─え?」
「さぁ、そろそろ帰ろうか?また倒れると大変だから、馬車迄送って行こう。」
そう言うと、王弟殿下は私に有無を言わせず、私を横抱きにして歩き出した。
そして、我に返った時は…馬車の中だった。
そんな2人が出て行った医務室には、ベルフォーネとアーロンが居た。
「アーロンは…シルの傷痕の事を知っていたの?」
「いえ。あるのは知っていましたけど…それが、マクウェル様を庇って─とは知りませんでした。」
「そう─。なら、この事は、このまま秘密にしておいてくれるかしら?」
「何故ですか?この事は、マクウェル様に言うべきではないのですか?」
「それをシルが望んでいるのならね。でも、シルはそれを望んではいないわ。それに…それをマクウェル様に伝えてどうなると?あんな男は─シルに相応しくはないわ。アーロンには申し訳無いけど、あの男にはエレーナ位がお似合いだわ。」
「申し訳ありません。」
アーロンがベルフォーネに頭を下げて謝る。
「アーロン、勘違いしては駄目よ。例え姉弟─双子であっても、アーロンはアーロン、エレーナはエレーナよ。貴方が謝る必要なんてないわ。寧ろ、この状況できちんと自分の意思を持って動いている貴方は立派だと思うわ。」
「─!ありがとう…ございます。」
アーロンがお礼を言うと、ベルフォーネはニッコリと微笑んだ。
ーマクウェル=ルーラント、エレーナ。私は貴方達を赦さないー
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