傷物令嬢は騎士に夢をみるのを諦めました

みん

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それぞれの処遇

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ユシール王子による、お粗末な断罪劇は断罪劇にはならず、反撃劇となり幕を閉じた。





ユシール王子は、王族の席には残っているが王位継承権を剥奪。王子よりも五つ年上の伯爵家の令嬢と婚約し、結婚後は王族席から外れ、その伯爵家へ婿入りする事となった。伯爵位を継ぐのはそのご令嬢。とても気の強い、しっかりとしたご令嬢らしい。

マクウェル=ルーラント様は、隣国とはいえ王族の血をひいている為、あまり厳しい処罰を与える事はできなかったらしい。
ただ、マクウェル様─ルーラント公爵家が、ハイネル伯爵家とキリクス伯爵家と婚姻を結ぶ事は今後一切許可しない─と、国王陛下が断言した。
そのままマクウェル様が、ルーラント公爵家の嫡男として居続ける事が出来るか出来ないかは、現ルーラント公爵次第だそうだ。

そして…元凶であるエレーナは、ハイネルの色を持っていた為、先代のハイネル伯爵が庇おうと動いたが、母であるカルディアアヤメがそれを拒否。今迄父親に大人しく従っていた現ハイネル伯爵も、ここでようやく父親に反抗し、エレーナは平民のままで戒律厳しい修道院に送られた。それと同時に、先代のハイネル伯爵も領地へと引き籠もらせた。













*生徒会室にて*





「緩いですわね……」

「そう…ですか?」

3人の処分を聞いたベルフォーネ様は、納得いかない!と言うように溜め息を吐いた。

「はぁ─。私は納得いかないけれど…コレは、シルの思い通りになったと言う事かしら?」

「──そう…ですね。」

本来であれば、来年の私達の卒業式─公の場で行われる筈だった断罪劇。そんな場で第二王子をも巻き込んで揉め事を起こそうものなら、どれだけの人がどれだけの罰を受ける事になるのか…平民のエレーナだけではなく、マクウェル様の命だってどうなるか分からなかった。

ならば─と、私は被害を最小限に抑えようと思った。私を陥れようとしたエレーナだけど、私の従妹には変わらない。だった頃には、病んでいた私を支えてくれた事もあった。マクウェル様も─。

だから、私は計画を実行して、断罪される場を公の場ではなく、生徒会室になるように持っていった。
そのお陰?で、今回の事はあの場に居た者以外の生徒には知られる事はなかった。

そう。表立っては、何も起こっていないのだ。
ただ、あの反撃の日から、ユシール王子とマクウェル様とエレーナが休学する事になった─位だ。
そして、生徒会長でもあるユシール王子の不在のまま、今年の卒業式を迎え、特に問題もなく終える事ができた。

ユシール王子とエレーナは、そのまま退学となるそうだ。
マクウェル様に関しては、現ルーラント公爵の意向次第で、まだどうなるのかは決まっていない。

「結局、シルの噂に関しては払拭できてないのよね…」

ベルフォーネ様が怒っているのは、その事らしい。
今回の事は、公には伏せられた。その為、私に関する噂を完全に消す事ができなかったのだ。

ー分かってくれる人が居るから、そんな噂なんてあんまり気にしてないんだけどー

どうしたものか?と思っていると

「それなら大丈夫だ。」

と言いながら、王弟殿下がやって来た。

「大丈夫とは?」

「シルフィーが予定通りから、次の夜会で俺との婚約を発表する。」

「まぁー!!」
「はい!?」

パアッと喜んだのはベルフォーネ様で、普通に驚いたのがシルフィーである。

そう、私はしたのだ。飛び級で。3年のところを詰めて2年で全ての試験をクリアしたのだ。その為に、この半年は普通の授業を出ずに、特別に別室で先生から指導を受けていたのだ。
それを、ユシール王子達は、私がサボっていると勘違いしていた。いや、他の生徒達もそう思っていたから、私が男漁りをしている─と言う噂が広まったのだろう。

「その発表の時に、シルフィーの噂の事を説明するつもりだ。」

王弟殿下はニッコリ笑って、私の腰に手を回して自分の方へと引き寄せる。

「なっ─…王弟殿下、人前で───っ」

「シル、気にしなくて大丈夫ですわ!私、レオと約束しているから、今から登城するけれど、今日は付いて来なくて良いわ!王弟殿下、シルを宜しくお願いしますわ!」

「あぁ、俺に任せてくれ。」

そうして、ベルフォーネ様は満面の笑みを浮かべたまま生徒会室から出て行った。



















「あの……こんなところ、誰かに見られたら…」

「もう、生徒会室に来る生徒も先生も居ないし、鍵も掛けてあるから大丈夫だ。」

ー鍵も掛けてある!?ー

「お前は卒業したし、俺の婚約者だから全く問題はない。」

ーいや、全く無い事は…ない筈ー

「せめて……少し離れていただく事は…」

「離れる必要があるのか?」

「……」

2人掛けのソファーに、ピッタリと体をくっつけて座っている。その上、王弟殿下の腕が私の腰に回されていて、反対の手で私の髪をクルクルと弄っている。
兎に角、近過ぎるんです!こんなにくっつく必要はないですよね?と、言いたい。でも、きっと何を言っても離れてはくれないだろう─と、嬉しいような恥ずかしいような……

「シルフィー、次の夜会には俺がドレスを用意するから、それを着て俺のエスコートで参加してもらうからな。」

「分かりました。宜しくお願いします。」

軽く微笑んでお礼を言うと、王弟殿下も微笑んで──





そのまま、また触れるだけのキスをされた。

















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