8 / 15
捌
しおりを挟む
お姫様抱っこのまま運ばれた部屋に入ると、そこにはブラントと兄が居た。そして、アドルファスは、私をソファーにソッと下ろしてくれた。
「あの─ありがとうございます。」
と、アドルファスにお礼を言ってから、横に座っている兄に体を向けると、兄は心配そうに私の両手を握って来た。
「ララ、大丈夫?」
「まだ少し体が怠いけど…何とか─。それで…兄さんは…」
チラリとブラントを見る。
「あぁ…番の事…だよね?私には分からないけど、本当に、私は…竜王様の番らしい。私は…男なんだけどね?」
と、兄は困った様に言ってはいるが、嫌がっているようには見えない。
「色々と説明しようと思っていたんだが、妹の─ララ…殿だったか?ララ殿も一緒に聞いてもらった方が良いと思って、アドルファスにララ殿を迎えに行ってもらったんだ。」
そう言うブラントも、本当に穏やかに話している。
「そうなんですね。色々とご迷惑を掛けてしまって、すみませんでした。」
そして、私と兄が座っているソファーと、テーブルを挟んだ向かい側にブラントとアドルファスが座り、番についての話しを聞く事になった。
切っ掛けは、二代前の竜王─オルガレン─の番が人族だった事からだった。それから色々調べた結果、お互いに“番”だと認識し合える種族であれば、本能も殆ど暴走しない。だけど、どちらか片方が“番”だと認識できない場合、認識できている方の本能が暴走しやすい─と言う事が判明した。それを直す事は出来ない為、暴走する本能を抑える事はできないか?と言う研究が始まったそうだ。
ーオルガレン様に、ヴァネッサ様と共に奥の離宮に閉じ込められて、外部との接触も殆どなかったから、全く知らなかったなー
「それで、最近になって漸く、竜族に限ってだが、暴走する本能を抑えられる事ができる方法が見付かったんだ。そのお蔭で、もし、相手の番が人族だったり既婚者だったりした場合も、その方法を使えば本能が暴走する事はないし、番ではないけど好きな相手と竜心を交わし伴侶を得れば、本能で番を求める事もなくなる。」
ーそう…なのか…だから、ブラントは人族の番である兄を目の前にしても、穏やかで居られるのかー
知らず知らずのうちに、手に力が入る。
「……もっと早くに判っていたら…喪わずに済んだのに…」
アドルファスが何かを呟き、ブラントが彼の肩を優しく叩いたが、私と兄には何を言ったのかは聞き取れなかった。
「それで、この式典に参加するにあたって、念には念を─と言う事で、予めその方法を使用して来たんだ。そのお蔭で、人族の番─ジュード殿を見付けても、私はこうして穏やかに居る事ができているんだ。」
そう言って、ブラントは兄に優しく微笑む。
「あの…でも、私は…男なんです。」
「あぁ、それは、竜族にとっては、番の性別は関係無いんだ。竜心を飲むと、その竜心の竜に合わせて、身体が作り替えられるんだ。」
ーそうなんだよねー
竜だった頃の私は、ソレが当たり前だと思ってたけど…。人族になって初めて、それって凄い事だったんだ!って知ったんだよね。
竜の力は大きい。同じ竜同士なら問題は無いけど。とてもじゃないけど、人族が竜の力を受け止める事は─皆無だ。でも、竜心を飲むと、その大きな竜の力も受け止められるようになるし、子供が出来るようにもなる。
「え?それじゃあ、私は…その竜心を飲んだ場合、女性になると?」
「いえ、見た目も性別も…変わらないんです。ただ、人族でも竜の力を受け止められるようになるのと…男だとしても、妊娠できるようになる─と言う事です。」
それを聞き、兄がピシッと固まる。
ーそりゃそうだ。男で妊娠だ。色々…困るよね…ー
「…私は、番だからと言って、ジュード殿を無理矢理手に入れようとは思っていない。ただ、“竜だから”、“男だから”と言う理由で断られるのは嫌なので、少しだけ、私に時間をくれないだろうか?」
「時間?」
「そう。暫くの間竜国で過ごして、私を見て知ってもらいたい。私も、番だから─だけではなく、ジュード殿の事を知りたいと思っている。お互いを知っていき、それでも駄目だと思ったら、番は諦めよう。そうだな…期間は1年から2年…でどうだろう?」
“番は諦めよう”
何て事ないよ─みたいにブラントは言うけど、見付けた半身を諦める事は、自身の身体が悲鳴をあげる程辛い事だ。また、更に手をギュッと握り締める。
「あの…少し…妹と話しを…させてもらっても良いですか?」
「あぁ、それは勿論だ。あ、その前に。ララ殿に紹介するのを忘れていたが、これは私の“左腕”で、名はアドルファスだ。」
「あ、私もご挨拶がまだでした!すみません!私はララ─ララ=スペラインです。アドルファス様、先程は、本当にありがとうございました。」
「それと、もしジュード殿が竜国に来るのであれば、その時はララ殿、あなたも一緒に来てくれれば良いから。領地の事は、二人が不在の間こちらから人を派遣するから。では、私達は席を外すから、話が終わったら声を掛けてくれ。」
ブラントはそう言った後、アドルファスと共に部屋から出て行った。
『兄さん、今からは古代語で話そう?』
ー古代語ー
今では廃れてしまった、遥か昔に人族で使われていた言葉。亡くなった母が、その古代語の研究をしていて、唯一古代語を読めて話せる人だった。そんな母から、小さい頃から聞かされたり読まされたりした私達兄妹は、自然とその古代語をマスターしたのだ。それから、兄と内緒話をする時にはよく古代語で話したりしていた。
『竜は、目や耳が良いの。この部屋と隣の部屋の距離なら…意識すると聞かれてしまうかもしれないから。』
『分かった。』
『それで…兄さんは、どうしたいの?』
『…ララ…呆れたり、軽蔑しないで聞いてくれるか?』
『勿論!私が、兄さんを軽蔑する訳ないじゃない!』
私がそう言うと、兄はポツリポツリと今の自分の気持ちを話し出した。
『不思議なんだけどね?竜王様も私も男なのに…嫌悪感とかが全く無いんだ。それどころか、何と言うか…嬉しい?みたいな感情があるんだ。それでも、相手は竜だから、少し怖いなと言う気持ちもある。受け入れたとして─身体が作り替えられるとか…それもちょっと怖いな─って。』
私は何も言わずに、兄の手を握って、兄の話に耳を傾ける。
『でも、竜王様を…もっと知りたい─とも思った。竜王様の言う通り、見て知ってから…返事をしようと思ってる。それで、私は、ララにも一緒に竜国に来て欲しいとも思ってる。』
そう言うと、兄は私の手をギュッと握り締め、私に視線を合わせて来た。
『心配しないで?兄さんが竜国に行くと言うなら、私も一緒に行くわ。それで、兄さんが竜王の番になると言うなら、私は全力でお祝いするし、やっぱり駄目だってなったら、その時も全力で兄さんを守るつもりだから。』
ニッコリ微笑むと、兄も『ありがとう』と笑った。
「あの─ありがとうございます。」
と、アドルファスにお礼を言ってから、横に座っている兄に体を向けると、兄は心配そうに私の両手を握って来た。
「ララ、大丈夫?」
「まだ少し体が怠いけど…何とか─。それで…兄さんは…」
チラリとブラントを見る。
「あぁ…番の事…だよね?私には分からないけど、本当に、私は…竜王様の番らしい。私は…男なんだけどね?」
と、兄は困った様に言ってはいるが、嫌がっているようには見えない。
「色々と説明しようと思っていたんだが、妹の─ララ…殿だったか?ララ殿も一緒に聞いてもらった方が良いと思って、アドルファスにララ殿を迎えに行ってもらったんだ。」
そう言うブラントも、本当に穏やかに話している。
「そうなんですね。色々とご迷惑を掛けてしまって、すみませんでした。」
そして、私と兄が座っているソファーと、テーブルを挟んだ向かい側にブラントとアドルファスが座り、番についての話しを聞く事になった。
切っ掛けは、二代前の竜王─オルガレン─の番が人族だった事からだった。それから色々調べた結果、お互いに“番”だと認識し合える種族であれば、本能も殆ど暴走しない。だけど、どちらか片方が“番”だと認識できない場合、認識できている方の本能が暴走しやすい─と言う事が判明した。それを直す事は出来ない為、暴走する本能を抑える事はできないか?と言う研究が始まったそうだ。
ーオルガレン様に、ヴァネッサ様と共に奥の離宮に閉じ込められて、外部との接触も殆どなかったから、全く知らなかったなー
「それで、最近になって漸く、竜族に限ってだが、暴走する本能を抑えられる事ができる方法が見付かったんだ。そのお蔭で、もし、相手の番が人族だったり既婚者だったりした場合も、その方法を使えば本能が暴走する事はないし、番ではないけど好きな相手と竜心を交わし伴侶を得れば、本能で番を求める事もなくなる。」
ーそう…なのか…だから、ブラントは人族の番である兄を目の前にしても、穏やかで居られるのかー
知らず知らずのうちに、手に力が入る。
「……もっと早くに判っていたら…喪わずに済んだのに…」
アドルファスが何かを呟き、ブラントが彼の肩を優しく叩いたが、私と兄には何を言ったのかは聞き取れなかった。
「それで、この式典に参加するにあたって、念には念を─と言う事で、予めその方法を使用して来たんだ。そのお蔭で、人族の番─ジュード殿を見付けても、私はこうして穏やかに居る事ができているんだ。」
そう言って、ブラントは兄に優しく微笑む。
「あの…でも、私は…男なんです。」
「あぁ、それは、竜族にとっては、番の性別は関係無いんだ。竜心を飲むと、その竜心の竜に合わせて、身体が作り替えられるんだ。」
ーそうなんだよねー
竜だった頃の私は、ソレが当たり前だと思ってたけど…。人族になって初めて、それって凄い事だったんだ!って知ったんだよね。
竜の力は大きい。同じ竜同士なら問題は無いけど。とてもじゃないけど、人族が竜の力を受け止める事は─皆無だ。でも、竜心を飲むと、その大きな竜の力も受け止められるようになるし、子供が出来るようにもなる。
「え?それじゃあ、私は…その竜心を飲んだ場合、女性になると?」
「いえ、見た目も性別も…変わらないんです。ただ、人族でも竜の力を受け止められるようになるのと…男だとしても、妊娠できるようになる─と言う事です。」
それを聞き、兄がピシッと固まる。
ーそりゃそうだ。男で妊娠だ。色々…困るよね…ー
「…私は、番だからと言って、ジュード殿を無理矢理手に入れようとは思っていない。ただ、“竜だから”、“男だから”と言う理由で断られるのは嫌なので、少しだけ、私に時間をくれないだろうか?」
「時間?」
「そう。暫くの間竜国で過ごして、私を見て知ってもらいたい。私も、番だから─だけではなく、ジュード殿の事を知りたいと思っている。お互いを知っていき、それでも駄目だと思ったら、番は諦めよう。そうだな…期間は1年から2年…でどうだろう?」
“番は諦めよう”
何て事ないよ─みたいにブラントは言うけど、見付けた半身を諦める事は、自身の身体が悲鳴をあげる程辛い事だ。また、更に手をギュッと握り締める。
「あの…少し…妹と話しを…させてもらっても良いですか?」
「あぁ、それは勿論だ。あ、その前に。ララ殿に紹介するのを忘れていたが、これは私の“左腕”で、名はアドルファスだ。」
「あ、私もご挨拶がまだでした!すみません!私はララ─ララ=スペラインです。アドルファス様、先程は、本当にありがとうございました。」
「それと、もしジュード殿が竜国に来るのであれば、その時はララ殿、あなたも一緒に来てくれれば良いから。領地の事は、二人が不在の間こちらから人を派遣するから。では、私達は席を外すから、話が終わったら声を掛けてくれ。」
ブラントはそう言った後、アドルファスと共に部屋から出て行った。
『兄さん、今からは古代語で話そう?』
ー古代語ー
今では廃れてしまった、遥か昔に人族で使われていた言葉。亡くなった母が、その古代語の研究をしていて、唯一古代語を読めて話せる人だった。そんな母から、小さい頃から聞かされたり読まされたりした私達兄妹は、自然とその古代語をマスターしたのだ。それから、兄と内緒話をする時にはよく古代語で話したりしていた。
『竜は、目や耳が良いの。この部屋と隣の部屋の距離なら…意識すると聞かれてしまうかもしれないから。』
『分かった。』
『それで…兄さんは、どうしたいの?』
『…ララ…呆れたり、軽蔑しないで聞いてくれるか?』
『勿論!私が、兄さんを軽蔑する訳ないじゃない!』
私がそう言うと、兄はポツリポツリと今の自分の気持ちを話し出した。
『不思議なんだけどね?竜王様も私も男なのに…嫌悪感とかが全く無いんだ。それどころか、何と言うか…嬉しい?みたいな感情があるんだ。それでも、相手は竜だから、少し怖いなと言う気持ちもある。受け入れたとして─身体が作り替えられるとか…それもちょっと怖いな─って。』
私は何も言わずに、兄の手を握って、兄の話に耳を傾ける。
『でも、竜王様を…もっと知りたい─とも思った。竜王様の言う通り、見て知ってから…返事をしようと思ってる。それで、私は、ララにも一緒に竜国に来て欲しいとも思ってる。』
そう言うと、兄は私の手をギュッと握り締め、私に視線を合わせて来た。
『心配しないで?兄さんが竜国に行くと言うなら、私も一緒に行くわ。それで、兄さんが竜王の番になると言うなら、私は全力でお祝いするし、やっぱり駄目だってなったら、その時も全力で兄さんを守るつもりだから。』
ニッコリ微笑むと、兄も『ありがとう』と笑った。
67
あなたにおすすめの小説
私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。
いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。
「僕には想い合う相手いる!」
初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。
小説家になろうさまにも登録しています。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!
蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。
しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。
だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。
国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。
一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。
※カクヨムさまにも投稿しています
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので
ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。
しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。
異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。
異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。
公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。
『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。
更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。
だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。
ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。
モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて――
奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。
異世界、魔法のある世界です。
色々ゆるゆるです。
捨てられた騎士団長と相思相愛です
京月
恋愛
3年前、当時帝国騎士団で最強の呼び声が上がっていた「帝国の美剣」ことマクトリーラ伯爵家令息サラド・マクトリーラ様に私ルルロ侯爵令嬢ミルネ・ルルロは恋をした。しかし、サラド様には婚約者がおり、私の恋は叶うことは無いと知る。ある日、とある戦場でサラド様は全身を火傷する大怪我を負ってしまった。命に別状はないもののその火傷が残る顔を見て誰もが彼を割け、婚約者は彼を化け物と呼んで人里離れた山で療養と言う名の隔離、そのまま婚約を破棄した。そのチャンスを私は逃さなかった。「サラド様!私と婚約しましょう!!火傷?心配いりません!私回復魔法の博士号を取得してますから!!」
【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる