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十二
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「ん──」
もう、朝かな?ん?何だろう…温かい─。
懐かしい温もりを感じて、そこに手をのばし、おでこを擦り付ける。
「ララ?」
すると、頭上から?名前を呼ばれた。
「───ん?」
と、ソロソロと目を開けると
「ララ、おはよう。よく…眠れたみたいだな。」
「───?」
「…ララは…朝が弱い…のか?可愛いなぁ…」
目の前に甘い顔をしたルースが居て、更に目を細めて私を見て───
「ルース!?」
「くくっ─ようやく、覚醒した?」
ルースは愉しそうに笑いながら、私の後頭部に手をあてると、そのままルースの胸に私の顔をくっつけさせた。
「良かった。目が覚めても……ララがここに居た。」
私はルースの腕の中に閉じ込められたまま、ルースの背中をポンポンと叩いた。
「──────ララ殿が──シャノン!?」
と、目の前に居るブラントが固まった。
「今はもう、人族のララだけどね。あ、兄さんも知っているの。」
「えっ!?ジュードも知っていたの!?」
と、ブラントはジュードを見る。
「黙っていてすみません。ララの事を、勝手に私の口から言う事はしたくなかったので…。」
と、兄が申し訳なさそうにブラントに謝ると
「いや!謝らないでくれ!怒っている訳ではないし、ジュードがそんな大事な事を誰彼構わず吹聴するような人だとは思ってはいないから。」
「…ブラント…ありがとうございます。」
ーおぅ…兄さんとブラントは…うまく─仲良くやっているのねー
「兎に角、そう言う事だから。で、この事は、ここに居る4人と、ララに付けた侍女のキーラだけが知ってる。カレンも…気付いていると思うが…カレンは…俺が処分する。」
ルースが少し怒りを纏わせ、カレンの名を口にする。
「あぁ…そうだな。カレンの処遇はアドルファスに任せるよ。」
ーカレンー
キーラもだが、シャノンの頃から知っている。二人とも伯爵令嬢でルース付きの侍女をしていた。キーラは、もともとシャノン付きの侍女を希望していたが、ヴァネッサ様と奥の離宮に閉じ込められた私には付く事ができなかった為に、ルースに付く事になった。
そして、カレン。カレンは、竜王シャノンに対しては敬意を払ってはいたが、“女”としてのシャノンの事は見下していた─と思う。カレンは昔から…ルースの事を慕っていたから。だから、今回、ララ付きにと紹介された時
ー絶対に何かされるよねー
と思っていたのだ。案の定、ルースが辺境地へ飛ぶやいなや、私への嫌がらせが始まったのだ。まぁ…食事を抜かれたり、冷めてたり硬かったり…と、ある意味可愛い嫌がらせだった。私は私で、そんな嫌がらせなんて全くダメージにもならなかったから、カレンからしたら、面白くなかったんだろう。遂に手を出したのが、ルースに見られていた時だった。
「見えなかっわ」と嗤いながら私に水をぶっ掛けて来たのだ。
主であるアドルファスの命に背いた事。
主の番─竜族にとっての“番”は特に大切に扱うべき存在─を害した事。
王城で、許可無く、緊急事態でもなく剣を振った事。
と、カレンはタブーを犯した。ルースを慕っての事だろうけど…こればっかりは、カレンを庇ったりする事はできないし、するつもりもない。
ー“恋”とは、色々大変なんだなぁー
「あ、一つ…訊いても良い?」
「何でしょうか?」
「ブラント、敬語になってるぞ?」
「─っ!仕方無いだろう。ついつい。んんっ、気を付けるよ。それで、何を訊きたいの?」
「ずっと気になってて。極秘事項ならいいんだけど…。本能の暴走を抑える方法って…どんな方法なの?」
「あぁ、その事か。この方法は、別に極秘でも何でも無いんだ。魔族の王ルドルフにも伝えてあるしね。それで、方法は…竜心の周りにある鱗を砕いて粉末にして、それを煎じて飲む─だけなんだ。」
「え…それ…だけ?」
「うん。それだけ。」
ーマジか…そんな簡単な事だったのかー
「そう、本当に簡単な事だったんだ。だから、この方法が見付かった時…俺達を含めた城の者は皆─もっと早く分かってたら、竜王シャノンを喪わずに済んだのに─と、後悔したんだ。」
「…そう。でも…そんな皆には申し訳無いけど、私は…転生して人族になった事は…良かったなーって思ってるの。竜よりも儚い存在かもしれないけど、精一杯生きてる!って実感できて、毎日が楽しかったから。それに、大好きな兄さんも居てくれたからね。」
「でも、ジュードは…これからは俺のだからね?」
「そうそう。ララも、これからは俺のだからな?」
と、ブラントとルースは、そう言いながらお互いの番を抱き寄せた。
『兄さん、これ、恥ずかしくないの?』
『…ララ、そのうち…慣れるよ…』
と、兄妹は古代語で呟いた。
「あぁ!アドルファス様!」
王城の地下にある監禁部屋へとやって来ると、俺の姿を目にしたカレンが俺の名前を呼んだ。
「あの人族の娘はどうなったのですか?アドルファス様の番などと戯言を──」
「戯言?俺は…お前に、ちゃんと説明した筈だが?ララは、正真正銘、俺の番だ。」
「嘘です!それなら、何故3ヶ月も離れられていたのですか!?どうせ、あの娘が何か──」
ブワリッ─と、俺の怒りが溢れ出す。
「それも言った筈だ。辺境地で地盤沈下があって、どうしても俺が行かなければならなくなったと。だから、離れたくはないが、最優先事項である辺境地に行っている間ララを頼む─と、俺はキーラとお前に頼んだんだ。それをお前は、主である俺の命に背いた上、俺の番に手を出した。それに、王城で剣も振るった。決して、赦される事ではない。」
「そんな─!違うんです!私、ずっと…ずっとアドルファス様の事を──」
「俺が、お前を見る事は決して無い。」
「アドルファス様─っ」
鉄格子の向こう側で涙を流すカレンを見ても、何も思わないし、感じない。俺の感情を動かすのは、いつも─シャノンやララだけだ。
「カレン。お前は翼を切り落とした後、下界─人族の地に追放とする。」
「翼を!?それだけは──」
「お前は、番に手を出した事の意味を解っているのか?もし、俺が番を喪っていたら…俺は暴走するだけの怪物に…なっていたかもしれないんだぞ?」
「─っ!」
そこでようやく理解できたのか、カレンはヒュッと息を呑んで、そのまま大人しくなった。
ー“恋”とは、盲目にもなるのかー
スッと怒りを抑えてから、その監禁部屋から出た。
それから向かうのは、勿論ララの元。
少し離れていただけなのに、直ぐに会いたくなるし触れたくなる。何をしていても愛おしい。早く俺のモノにしたい。でも、大事に─大切にしたい。ララには、したい事がたくさんある。
竜心をララに飲んでもらうまでは、まだまだ不安もあるが、兎に角、これからはララを沢山甘やかせる。もう、気持ちを隠す必要は無いのだ。
『欲しいモノは、一度失ってから手に入る。』
ー巫女様の予言通りになったなぁ。数百年分の想いを思い知らせてやるー
口元がニヤケそうになるのを我慢しながら、ララの元へと急いだ。
「ララ!」
「あぁ、ルース。おかえりなさ──」
最後迄言い切る前に、ギュッと抱き締められる。
「ただいま。あー、やっぱりララの側は心地良いな。」
「いちいち抱き付かなくてもでいいんじゃない?」
「シャノンにできなかった事と、ララにしたい事のうちの一つがコレだからな。」
と、ルースは愉しそうに笑っている。一体、これから私はどれ程甘やかされるのか─。
“恋”とは、まだよく分からないけど、ルースと一緒に育てていく“恋”なら、きっと楽しいだろうし、何かあっても乗り越えて行けそうな気がする。
「ルース。私をまた、見付けてくれてありがとう。これからも…よろしくね?」
と言うと
「こちらこそ。よろしくな!」
と、ルースはフワリと優しく微笑んだ。
ーfinー
もう、朝かな?ん?何だろう…温かい─。
懐かしい温もりを感じて、そこに手をのばし、おでこを擦り付ける。
「ララ?」
すると、頭上から?名前を呼ばれた。
「───ん?」
と、ソロソロと目を開けると
「ララ、おはよう。よく…眠れたみたいだな。」
「───?」
「…ララは…朝が弱い…のか?可愛いなぁ…」
目の前に甘い顔をしたルースが居て、更に目を細めて私を見て───
「ルース!?」
「くくっ─ようやく、覚醒した?」
ルースは愉しそうに笑いながら、私の後頭部に手をあてると、そのままルースの胸に私の顔をくっつけさせた。
「良かった。目が覚めても……ララがここに居た。」
私はルースの腕の中に閉じ込められたまま、ルースの背中をポンポンと叩いた。
「──────ララ殿が──シャノン!?」
と、目の前に居るブラントが固まった。
「今はもう、人族のララだけどね。あ、兄さんも知っているの。」
「えっ!?ジュードも知っていたの!?」
と、ブラントはジュードを見る。
「黙っていてすみません。ララの事を、勝手に私の口から言う事はしたくなかったので…。」
と、兄が申し訳なさそうにブラントに謝ると
「いや!謝らないでくれ!怒っている訳ではないし、ジュードがそんな大事な事を誰彼構わず吹聴するような人だとは思ってはいないから。」
「…ブラント…ありがとうございます。」
ーおぅ…兄さんとブラントは…うまく─仲良くやっているのねー
「兎に角、そう言う事だから。で、この事は、ここに居る4人と、ララに付けた侍女のキーラだけが知ってる。カレンも…気付いていると思うが…カレンは…俺が処分する。」
ルースが少し怒りを纏わせ、カレンの名を口にする。
「あぁ…そうだな。カレンの処遇はアドルファスに任せるよ。」
ーカレンー
キーラもだが、シャノンの頃から知っている。二人とも伯爵令嬢でルース付きの侍女をしていた。キーラは、もともとシャノン付きの侍女を希望していたが、ヴァネッサ様と奥の離宮に閉じ込められた私には付く事ができなかった為に、ルースに付く事になった。
そして、カレン。カレンは、竜王シャノンに対しては敬意を払ってはいたが、“女”としてのシャノンの事は見下していた─と思う。カレンは昔から…ルースの事を慕っていたから。だから、今回、ララ付きにと紹介された時
ー絶対に何かされるよねー
と思っていたのだ。案の定、ルースが辺境地へ飛ぶやいなや、私への嫌がらせが始まったのだ。まぁ…食事を抜かれたり、冷めてたり硬かったり…と、ある意味可愛い嫌がらせだった。私は私で、そんな嫌がらせなんて全くダメージにもならなかったから、カレンからしたら、面白くなかったんだろう。遂に手を出したのが、ルースに見られていた時だった。
「見えなかっわ」と嗤いながら私に水をぶっ掛けて来たのだ。
主であるアドルファスの命に背いた事。
主の番─竜族にとっての“番”は特に大切に扱うべき存在─を害した事。
王城で、許可無く、緊急事態でもなく剣を振った事。
と、カレンはタブーを犯した。ルースを慕っての事だろうけど…こればっかりは、カレンを庇ったりする事はできないし、するつもりもない。
ー“恋”とは、色々大変なんだなぁー
「あ、一つ…訊いても良い?」
「何でしょうか?」
「ブラント、敬語になってるぞ?」
「─っ!仕方無いだろう。ついつい。んんっ、気を付けるよ。それで、何を訊きたいの?」
「ずっと気になってて。極秘事項ならいいんだけど…。本能の暴走を抑える方法って…どんな方法なの?」
「あぁ、その事か。この方法は、別に極秘でも何でも無いんだ。魔族の王ルドルフにも伝えてあるしね。それで、方法は…竜心の周りにある鱗を砕いて粉末にして、それを煎じて飲む─だけなんだ。」
「え…それ…だけ?」
「うん。それだけ。」
ーマジか…そんな簡単な事だったのかー
「そう、本当に簡単な事だったんだ。だから、この方法が見付かった時…俺達を含めた城の者は皆─もっと早く分かってたら、竜王シャノンを喪わずに済んだのに─と、後悔したんだ。」
「…そう。でも…そんな皆には申し訳無いけど、私は…転生して人族になった事は…良かったなーって思ってるの。竜よりも儚い存在かもしれないけど、精一杯生きてる!って実感できて、毎日が楽しかったから。それに、大好きな兄さんも居てくれたからね。」
「でも、ジュードは…これからは俺のだからね?」
「そうそう。ララも、これからは俺のだからな?」
と、ブラントとルースは、そう言いながらお互いの番を抱き寄せた。
『兄さん、これ、恥ずかしくないの?』
『…ララ、そのうち…慣れるよ…』
と、兄妹は古代語で呟いた。
「あぁ!アドルファス様!」
王城の地下にある監禁部屋へとやって来ると、俺の姿を目にしたカレンが俺の名前を呼んだ。
「あの人族の娘はどうなったのですか?アドルファス様の番などと戯言を──」
「戯言?俺は…お前に、ちゃんと説明した筈だが?ララは、正真正銘、俺の番だ。」
「嘘です!それなら、何故3ヶ月も離れられていたのですか!?どうせ、あの娘が何か──」
ブワリッ─と、俺の怒りが溢れ出す。
「それも言った筈だ。辺境地で地盤沈下があって、どうしても俺が行かなければならなくなったと。だから、離れたくはないが、最優先事項である辺境地に行っている間ララを頼む─と、俺はキーラとお前に頼んだんだ。それをお前は、主である俺の命に背いた上、俺の番に手を出した。それに、王城で剣も振るった。決して、赦される事ではない。」
「そんな─!違うんです!私、ずっと…ずっとアドルファス様の事を──」
「俺が、お前を見る事は決して無い。」
「アドルファス様─っ」
鉄格子の向こう側で涙を流すカレンを見ても、何も思わないし、感じない。俺の感情を動かすのは、いつも─シャノンやララだけだ。
「カレン。お前は翼を切り落とした後、下界─人族の地に追放とする。」
「翼を!?それだけは──」
「お前は、番に手を出した事の意味を解っているのか?もし、俺が番を喪っていたら…俺は暴走するだけの怪物に…なっていたかもしれないんだぞ?」
「─っ!」
そこでようやく理解できたのか、カレンはヒュッと息を呑んで、そのまま大人しくなった。
ー“恋”とは、盲目にもなるのかー
スッと怒りを抑えてから、その監禁部屋から出た。
それから向かうのは、勿論ララの元。
少し離れていただけなのに、直ぐに会いたくなるし触れたくなる。何をしていても愛おしい。早く俺のモノにしたい。でも、大事に─大切にしたい。ララには、したい事がたくさんある。
竜心をララに飲んでもらうまでは、まだまだ不安もあるが、兎に角、これからはララを沢山甘やかせる。もう、気持ちを隠す必要は無いのだ。
『欲しいモノは、一度失ってから手に入る。』
ー巫女様の予言通りになったなぁ。数百年分の想いを思い知らせてやるー
口元がニヤケそうになるのを我慢しながら、ララの元へと急いだ。
「ララ!」
「あぁ、ルース。おかえりなさ──」
最後迄言い切る前に、ギュッと抱き締められる。
「ただいま。あー、やっぱりララの側は心地良いな。」
「いちいち抱き付かなくてもでいいんじゃない?」
「シャノンにできなかった事と、ララにしたい事のうちの一つがコレだからな。」
と、ルースは愉しそうに笑っている。一体、これから私はどれ程甘やかされるのか─。
“恋”とは、まだよく分からないけど、ルースと一緒に育てていく“恋”なら、きっと楽しいだろうし、何かあっても乗り越えて行けそうな気がする。
「ルース。私をまた、見付けてくれてありがとう。これからも…よろしくね?」
と言うと
「こちらこそ。よろしくな!」
と、ルースはフワリと優しく微笑んだ。
ーfinー
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