モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

文字の大きさ
7 / 123
第一章ー婚約ー

青の庭園

しおりを挟む
「うわぁ…綺麗ですね─」

一般公開されている庭園も、よく手入れがされていて綺麗だったけど…立入禁止区域ここは、先程とは違う赴きに整えられているようで、二度楽しめる─みたいになっている。

「こっちは、ブルー系の花を中心にしているんですね?」

「あぁ、そうだな。我がカルザイン家のカラーが青だからね。」

「そうなんですね。」

ー家のカラーがあったなんて、知らなかったなぁー

「不思議なんだが、カルザイン家の男性は、皆瞳の色がブルー系なんだ。何故か、女性はそうとは限らないけど。」

「本当に不思議な話ですね?」

ー遺伝子とかは…この世界では関係が無い─のかもしれないー

エディオル様にゆっくりエスコートされながら、更に奥に進んで行くとガゼボが見えて来た。

「あそこに座ろう─」

「はい」









ガゼボに到着すると、そこには既にお茶が用意されていた。まだ温かいそれを見るに、私達の姿を確認してから準備を始めて、私達が気付く前に退散した─と言う事が分かる。

ー“流石、侯爵家”─ですね!ー

ガゼボここからの眺めは…圧巻ですね」

ガゼボは少し高くなった位置にあり、そこからは庭園一帯が見渡せるようになっている。ブルー系の花が、綺麗にグラデーションになっている。

「気に入って…くれただろうか?」

「勿論です!連れて来て頂いて、ありがとうございます。」

笑顔のままでお礼を言うと、「良かった」と、エディオル様も笑ってくれた。









それから、少し今日の話をした後─

「ハル殿─少し…俺の話を聞いてもらえるだろうか?」

「──はい。と言うか、そもそも、私が話を聞いて欲しいと…お願いしたんですけどね?」

と、少し困った顔をすると

「うん。ハル殿の話も聞く─聞きたいけど…先ずは俺から…俺の話を聞いてもらいたい。」

「……分かりました。先に、エディオル様の話を聞かせてもらいます。」

「ありがとう。」

エディオル様は、何となくホッとしたような顔をした。


「あ、その前に。さっきはすまなかった。ハル殿にも聞こえていたと思うが─義理の妹の事だが。俺の兄嫁─レイラ義姉上の妹で、エレノア=オルソレン─オルソレン伯爵家の次女なんだが、義姉上は前オルソレン伯爵夫人の子で、エレノアは後妻─現オルソレン伯爵夫人の子になるんだ。まぁ…何と言うか…その後妻は元侯爵家の娘で、もともとオルソレン伯爵が好きだったらしく、前夫人が病死した後、無理矢理後釜に収まったって言う感じだったらしい。それで、その後妻が…甘やかされて育った典型的な…我が儘娘だったと言うか…」

ーん?元の娘?ー

「あー…ひょっとして…“老害タヌキ”のご令嬢だった─とか?」

「─だな。」

ー成る程。老害タヌキの影響をバッチリ受け継いでいるんですねー

「レイラ義姉上は、厳格なオルソレン伯爵と前夫人に育てられて、しっかりした人なんだが…。義妹はに育ってしまったみたいで。それで、オルソレン伯爵が教育と監視を兼ねて、さっき一緒に居た侍女─カミラ殿を付けてはいるんだが…あの有様なんだ。」

「えっと─何と言うか…教育されてる様には…見えませんでしたね。カミラさんが大変そうだなと。それと…エディオル様に…好意?を寄せているような感じでしたね…。」

モヤッ

何だろう?自分で言っておいて、何と言うか…

「ハル殿─」

エディオル様が、私の名前を呼びながら、私の耳に着けているピアスにソッと触れる。

「─っ!?」

「このピアスを着けてくれていて、嬉しい。」

エディオル様は、本当に嬉しい─と言うように目を細めて微笑む。

ーうぅ…そんな風に微笑まれると、本当に心臓が痛い。しかも、近過ぎます!ー

「ハル殿は、覚えてる?俺が、ずっと一緒に居たいと思ってるのは─ハル殿だって事。」

「……」

「それは、今も変わってないし、これからも変わらない。そんな事を思うのは、ハル殿にだけだ。」

私の耳に触れたままで、親指だけ動かして、私の頬をスリッと撫でる。そう、私の耳には、エディオル様の瞳と同じ色の魔石が付いているピアスを着けている。そして、エディオル様は、私の瞳と同じ色の魔石が付いたピアスを着けている。

ー着けてるって…今気付いたけど。これって…ちょっと…恥ずかしくない!?ー

ポンッと、一瞬にして顔が熱をもつ。

「お────覚えて──ます──。」

恥ずかしくて、やっとの思いで口に出して答える。

「なら良かった。」

フワリと更に笑みを深めながら、エディオル様は私の耳から手を離した。

「それで話なんだが─」


と、エディオル様が話し始めようとした時──


少し離れた所でざわめきが起こった。


「──っ─!」



それから、誰かが叫ぶ?ような声も…するよね?

「「…… 」」

お互い、じーっと見つめ合ってはいるけど、ではなくて─



「……ここは、許可制で…今日は貸し切りだった筈だろう?」


ーうわぁ…どうしよう?ゾワゾワしますー

これ、エディオル様、本気でキレているかもしれません。










*🎄メリークリスマス🎄と言う事で、番外編を“話置き場”に投稿しました。気が向いた方は、覗いてみてください(σ*´∀`)時系列的には、少し先の話な感じです*






しおりを挟む
感想 134

あなたにおすすめの小説

氷狼陛下のお茶会と溺愛は比例しない!フェンリル様と会話できるようになったらオプションがついてました!

屋月 トム伽
恋愛
ディティーリア国の末王女のフィリ―ネは、社交なども出させてもらえず、王宮の離れで軟禁同様にひっそりと育っていた。そして、18歳になると大国フェンヴィルム国の陛下に嫁ぐことになった。 どこにいても変わらない。それどころかやっと外に出られるのだと思い、フェンヴィルム国の陛下フェリクスのもとへと行くと、彼はフィリ―ネを「よく来てくれた」と迎え入れてくれた。 そんなフィリ―ネに、フェリクスは毎日一緒にお茶をして欲しいと頼んでくる。 そんなある日フェリクスの幻獣フェンリルに出会う。話相手のいないフィリ―ネはフェンリルと話がしたくて「心を通わせたい」とフェンリルに願う。 望んだとおりフェンリルと言葉が通じるようになったが、フェンリルの幻獣士フェリクスにまで異変が起きてしまい……お互いの心の声が聞こえるようになってしまった。 心の声が聞こえるのは、フェンリル様だけで十分なのですが! ※あらすじは時々書き直します!

キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる

藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。 将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。 入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。 セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。 家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。 得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!! お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。 皆様、お気に入り登録ありがとうございました。 現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。 辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する

雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。 ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。  「シェイド様、大好き!!」 「〜〜〜〜っっっ!!???」 逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました! ※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)  狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。  突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。  だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。  そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。  共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?  自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。

処理中です...