20 / 123
第一章ー婚約ー
虫と隣国
しおりを挟む
「エディオル殿。今夜もお話があるので…後程お部屋に伺っても宜しいでしょうか?」
と、ゼンさんがゾクゾクする微笑みで、エディオルさ─んに尋ねていたけど…アレは断っちゃいけないやつだよね?エディオルさんは、一体何をしたんだろう?
苦笑しながら「分かりました」と返事をするエディオルさんと、それを首を傾げて見る私。
「ハル、また、明日。」
夕食後、エディオルさんはそう言うと、ゼンさんと一緒に部屋へと戻って行った。
「ちょっと…本当に気が利かない…と言うか、大人気ないわね。」と、苦笑するミヤさんと
「ですね。父がここまでとは…本当に面白いですね。」と、面白いものを見るような目をしたロンさんが居た。
『主、どうした?』
少し考え事をしていると、ネージュが心配そうに私を見上げて来た。私はその場にしゃがみこんで、ネージュと目線を合わせて、ネージュの顔を両手で挟み込んだ。
「あのね?私…エディオルさんと、今日はもう少し一緒に居れるかな?って思ってたから…。でも、“また明日”って言われたって事は…今日はもう…って事かと思ったらね、ちょっと寂しくなっちゃった…みたいな?」
口に出したら更に寂しくなって、口に出した事も恥ずかしくなって、それを誤魔化すようにネージュに抱き付いて、頭をグリグリと擦り付けた。
「「「「………」」」」
「付き合いたてのあるあるね?そりゃ、一緒に居たいわよね。これ、ゼンさんに聞かせてあげたいわ。」
「父が聞いたら…明日は全員揃っての訓練─になりそうですね。」
「「ハル様が可愛い過ぎる!!」」
↑はい。上から順に、ミヤ、ロン、ルナ&リディです。
「ハル?私達じゃあエディオルさんの代わりにはならないけど、今日の話しも聞きたいし、サロンでお茶でもしない?」
「ミヤさん!お茶します!大好きです!」
エディオルさんとは一緒に居る事はできなくて残念だけど、急遽、ミヤさんとルナさんとリディさんとネージュとで、女子会をする事になりました。これはこれで、とっても嬉しいです!
*エディオル視点*
「へぇ─そうか…想いが通じて…良かったなぁ…」
ーいや、それ、絶対“良かった”とは思ってないだろう。棒読みだしー
「それで?早速グレン様にでも………婚約を願い出るつもりなのか?」
「それはまだしませんよ。」
「……は?」
これには、流石のゼン殿も予想外だったのだろう。俺の答えに普通に驚いている。
「ハルからも好きだと言われて、想いは通じ合ったけど、ようやくスタート地点に立ったと言う所なんです。」
「……好きと言われた……“ハル”呼び……」
「俺の好きと、ハルの好きが…微妙に違うんですよ。ハルは…俺に安心するそうです。」
「…安心……。あ─…。」
俺の言葉に、何かを我慢するように、眉間に皺を寄せて耐えていたゼン殿だが、“安心する”と言われた事を素直に話すと、理解したのだろう。今度は可哀想な子を見る様な目を向けてきた。
「同情なら要りませんよ?」
「そうか─いや…お前も…大変だな?」
「……」
「それでも、明日は手合わせをするけどな。」
ーそこは無しでも良くないか?ー
兎に角、ゼン殿は思ったよりは怒っていないようで良かった─と、少しホッとしていると
「ところで…報告を受けているんだか…。小虫と毒蜂はどうなっているんだ?」
ゼン殿が一気に圧を掛けて来た。
ーもう報告が上がっているとは…恐ろしく早いなー
「それに関しては、俺も詳しくは知らない。改めて謝罪を受ける事にはなっているけど。ただ、オルソレン伯爵が夫人とエレノアを、追いやる為に動いているようです。母が、イーサン─オルソレン伯爵─に、あの2人をきっちり締め上げてもらうと言っていたから、このままで終わらせる事はないでしょう。ハルの事も見下して…俺もこのままで許す気はさらさら無いですよ。」
「そうか。カルザイン家とイーサン様が動くのであれば、パルヴァンは黙っておこう。次は無いが…。」
ーゼン殿が動くのなら、次を起こさせてもアリなんじゃないか?ー
と思ってしまったのは、ここだけの話だ。
「ところで、ゼン殿。隣国の動きはどうなっているんだろうか?」
「あぁ、それなら、王弟殿下にスムーズに譲位されるようだ。結局は、クズ国王を支持していたのは、甘い汁を吸っていた一握りの無能な貴族だけだったようだ。おまけに、王国の騎士団が漏れ無く王弟殿下の下に付いたらしいから、誰も否とは言えないだろう?もう既に、王弟殿下のもと、色々と手直しや粛清が始まっている。」
「そうか─。なら良かった。」
「だから、近いうちに…ミヤ様が聖女として隣国に向かう事になるだろう?ならば、おそらく─必ずハル様も一緒に行くと言うだろうな。」
「きっと言いますね。だから…ハルには必要無いかもしれないが、俺も同行させてもらうつもりです。誰かに何かを言われても…その辺はランバルトには大きな貸しがあるから、黙らせてもらいますよ。」
ニヤリと俺が嗤うと、ゼン殿も「確かに、大きな貸しがあったな─」と、嗤った。
と、ゼンさんがゾクゾクする微笑みで、エディオルさ─んに尋ねていたけど…アレは断っちゃいけないやつだよね?エディオルさんは、一体何をしたんだろう?
苦笑しながら「分かりました」と返事をするエディオルさんと、それを首を傾げて見る私。
「ハル、また、明日。」
夕食後、エディオルさんはそう言うと、ゼンさんと一緒に部屋へと戻って行った。
「ちょっと…本当に気が利かない…と言うか、大人気ないわね。」と、苦笑するミヤさんと
「ですね。父がここまでとは…本当に面白いですね。」と、面白いものを見るような目をしたロンさんが居た。
『主、どうした?』
少し考え事をしていると、ネージュが心配そうに私を見上げて来た。私はその場にしゃがみこんで、ネージュと目線を合わせて、ネージュの顔を両手で挟み込んだ。
「あのね?私…エディオルさんと、今日はもう少し一緒に居れるかな?って思ってたから…。でも、“また明日”って言われたって事は…今日はもう…って事かと思ったらね、ちょっと寂しくなっちゃった…みたいな?」
口に出したら更に寂しくなって、口に出した事も恥ずかしくなって、それを誤魔化すようにネージュに抱き付いて、頭をグリグリと擦り付けた。
「「「「………」」」」
「付き合いたてのあるあるね?そりゃ、一緒に居たいわよね。これ、ゼンさんに聞かせてあげたいわ。」
「父が聞いたら…明日は全員揃っての訓練─になりそうですね。」
「「ハル様が可愛い過ぎる!!」」
↑はい。上から順に、ミヤ、ロン、ルナ&リディです。
「ハル?私達じゃあエディオルさんの代わりにはならないけど、今日の話しも聞きたいし、サロンでお茶でもしない?」
「ミヤさん!お茶します!大好きです!」
エディオルさんとは一緒に居る事はできなくて残念だけど、急遽、ミヤさんとルナさんとリディさんとネージュとで、女子会をする事になりました。これはこれで、とっても嬉しいです!
*エディオル視点*
「へぇ─そうか…想いが通じて…良かったなぁ…」
ーいや、それ、絶対“良かった”とは思ってないだろう。棒読みだしー
「それで?早速グレン様にでも………婚約を願い出るつもりなのか?」
「それはまだしませんよ。」
「……は?」
これには、流石のゼン殿も予想外だったのだろう。俺の答えに普通に驚いている。
「ハルからも好きだと言われて、想いは通じ合ったけど、ようやくスタート地点に立ったと言う所なんです。」
「……好きと言われた……“ハル”呼び……」
「俺の好きと、ハルの好きが…微妙に違うんですよ。ハルは…俺に安心するそうです。」
「…安心……。あ─…。」
俺の言葉に、何かを我慢するように、眉間に皺を寄せて耐えていたゼン殿だが、“安心する”と言われた事を素直に話すと、理解したのだろう。今度は可哀想な子を見る様な目を向けてきた。
「同情なら要りませんよ?」
「そうか─いや…お前も…大変だな?」
「……」
「それでも、明日は手合わせをするけどな。」
ーそこは無しでも良くないか?ー
兎に角、ゼン殿は思ったよりは怒っていないようで良かった─と、少しホッとしていると
「ところで…報告を受けているんだか…。小虫と毒蜂はどうなっているんだ?」
ゼン殿が一気に圧を掛けて来た。
ーもう報告が上がっているとは…恐ろしく早いなー
「それに関しては、俺も詳しくは知らない。改めて謝罪を受ける事にはなっているけど。ただ、オルソレン伯爵が夫人とエレノアを、追いやる為に動いているようです。母が、イーサン─オルソレン伯爵─に、あの2人をきっちり締め上げてもらうと言っていたから、このままで終わらせる事はないでしょう。ハルの事も見下して…俺もこのままで許す気はさらさら無いですよ。」
「そうか。カルザイン家とイーサン様が動くのであれば、パルヴァンは黙っておこう。次は無いが…。」
ーゼン殿が動くのなら、次を起こさせてもアリなんじゃないか?ー
と思ってしまったのは、ここだけの話だ。
「ところで、ゼン殿。隣国の動きはどうなっているんだろうか?」
「あぁ、それなら、王弟殿下にスムーズに譲位されるようだ。結局は、クズ国王を支持していたのは、甘い汁を吸っていた一握りの無能な貴族だけだったようだ。おまけに、王国の騎士団が漏れ無く王弟殿下の下に付いたらしいから、誰も否とは言えないだろう?もう既に、王弟殿下のもと、色々と手直しや粛清が始まっている。」
「そうか─。なら良かった。」
「だから、近いうちに…ミヤ様が聖女として隣国に向かう事になるだろう?ならば、おそらく─必ずハル様も一緒に行くと言うだろうな。」
「きっと言いますね。だから…ハルには必要無いかもしれないが、俺も同行させてもらうつもりです。誰かに何かを言われても…その辺はランバルトには大きな貸しがあるから、黙らせてもらいますよ。」
ニヤリと俺が嗤うと、ゼン殿も「確かに、大きな貸しがあったな─」と、嗤った。
141
あなたにおすすめの小説
氷狼陛下のお茶会と溺愛は比例しない!フェンリル様と会話できるようになったらオプションがついてました!
屋月 トム伽
恋愛
ディティーリア国の末王女のフィリ―ネは、社交なども出させてもらえず、王宮の離れで軟禁同様にひっそりと育っていた。そして、18歳になると大国フェンヴィルム国の陛下に嫁ぐことになった。
どこにいても変わらない。それどころかやっと外に出られるのだと思い、フェンヴィルム国の陛下フェリクスのもとへと行くと、彼はフィリ―ネを「よく来てくれた」と迎え入れてくれた。
そんなフィリ―ネに、フェリクスは毎日一緒にお茶をして欲しいと頼んでくる。
そんなある日フェリクスの幻獣フェンリルに出会う。話相手のいないフィリ―ネはフェンリルと話がしたくて「心を通わせたい」とフェンリルに願う。
望んだとおりフェンリルと言葉が通じるようになったが、フェンリルの幻獣士フェリクスにまで異変が起きてしまい……お互いの心の声が聞こえるようになってしまった。
心の声が聞こえるのは、フェンリル様だけで十分なのですが!
※あらすじは時々書き直します!
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する
雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。
ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。
「シェイド様、大好き!!」
「〜〜〜〜っっっ!!???」
逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました!
※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)
狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。
突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。
だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。
そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。
共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?
自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる