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第一章ー婚約ー
もう一つのチャンス
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『何を言っているか解らない!頼む!日本語で喋ってくれ!!』
悠兄さんに土下座の勢いでお願いされたのだけど、ミヤさんはそんな悠兄さんを一瞥した後、私の方にまた視線を戻して
「で、ハルは、どうしてコイツの事を知ってるの?」
と、この世界の言葉で話し続ける。勿論、私とリュウも、そんなミヤさんに従うまでです!
「えっと…私が男性恐怖だった事…覚えてますか?」
「勿論覚えているわよ?」
「それの原因が…私、中学生の時にストーカーされて、誘拐されそうになった事があって…」
「えっ!?ハル、大丈夫だったのか!?」
何故か、リュウが私の肩をガッシリ掴んで怒ったように聞いてくる。
「う…うん。未遂だったから。それで、その時に助けてくれたのが、近所に住んでたこの悠兄さんのお父さんだったの。」
「えっ!?コイツのお父さんって…あの眞島さん!?顔の厳つい?警察の!?」
「厳つい…そうです。その眞島さんです。警察官の。」
「あー成る程!あの眞島さんに慣れてる?なら、グレン様も平気ね。私もね、警察官として、眞島さんには色々お世話になってたのよ。」
ーおお─、まさかの眞島さん繋がり!世間って、狭いですね?ー
「はぁ─。ハルが無事で良かったけど…」
と、リュウは苦笑しながら私の頭を優しくポンポンと叩いた。
ーあれ?私の保護者…また増えた?ー
『それで?私を探して、どうするつもりだったの?』
『どうするって──さ…ミヤに謝って、もう一度やり直したいって…。』
悠兄さんはそのまま口を噤み、ミヤさんはそんな悠兄さんを暫く見つめた後、溜め息を吐いた。
『悠介、私は自分でこの世界で生きて行くと決めてここに来たの。そして、私とハルは…二度と日本に還る事はできない。でも、あなたは還れる。』
『え?俺は…還れる?ミヤは還れない?』
『そう。だから、私はあなたと復縁する気なんてないわ。まぁ、折角ここで会えたんだから、謝罪だけは受け取ってあげるわ。それで?いつ還る?今?』
ミヤさんがまたまた綺麗な笑顔で、悠兄さんを追い詰めて行く。
ーはい!私はいつでもOKです!今でも大丈夫です!ー
悠兄さんはギュッと手を握り締めた後
『少し─少しだけ俺に時間をくれないか!?』
『………』
『俺、やっぱり今でもミヤが好きなんだ。だから、少しだけ俺にチャンスをくれないか?それでも駄目なら…その時は日本に還るから…。』
ーえ?もし─もし、ミヤさんが悠兄さんを選んだら…悠兄さんもこの世界で生きて行く─って事!?ー
ギョッとして、横に居るリュウに視線を向ける。
「あ─…まぁ…何だ。もしそうなったとしても、コイツもいい大人だし、あっちの世界では都合良く回ってくれるだろう。」
苦笑しながらリュウは言うけど…
ーえっと?何で、皆、私の思ってる事が分かるんだろう??ー
むうっ─と唸っていると
「ハルはすぐに顔に出るからな。」
ー一体、私はどんな顔をしてるの!?ー
それは置いといて─また、ミヤさんに視線を戻す。
『はぁ─。チャンスって…悠介、解ってる?ここに居る間の時間は…多分日本ででも同じように過ぎて行ってる。と言う事は、悠介は“行方不明”扱いになるのよ?』
『分かってる。それでも、俺はチャンスが欲しいし、少しでもミヤの側に…居たいと思ってる。』
ーこの悠兄さんだけを見てると、二股してたなんて人には見えないのにー
『……分かったわ。悠介の事も…もう一度、ちゃんと向き合って考えるわ。』
ミヤさんは、少し疲れたような顔をして答えた。
『─!ありがとう!』
対しての悠兄さんは、満面の笑顔だ。
悠兄さんが、暫くの間この世界に居る─となると
「この事は一応、報告した方が良いですよね?」
「そうね。丁度、明日登城するから、ついでに報告するわ。」
「モテる女性は大変だね?」
「…ハルも他人の事は言えないと思うけどな。」
取り敢えず、悠兄さんの事をロンさんとルナさんとリディさんに説明して、部屋を用意してもらった。
そして、その日の夜に、魔法陣で転移して来たゼンさんにも説明した。
「…ハル様を助けた方の…ご子息??」
何故か、ゼンさんの雰囲気がピリッとなる。
「はい、そうです。私を助けてくれたのは、彼の父親なんですけどね。まぁ…私にとっては、優しいお兄さん─でした。」
ーミヤさんにとっては微妙なんだろうけどー
「ハル様─“助けてもらった”とは?」
「ん?」
「いえ。言いたくない事なら、無理にとは言いませんが…。その…助けられたと言う事は、その時、ハル様はどんな危険な目にあっていたのか─と、気になりまして。」
「えっと…昔、誘拐されそうになった事があって…。その時に──」
「…誘拐?」
ーえ?何で?ゼンさんの威圧感が半端無いー
「あの…助けてもらった…ので、未遂でしたから!」
「…そうですか。それなら良かったのですが───」
最後の方は、声が小さ過ぎて聞こえなかった。
「──違う世界に居るのが残念だな。この世界に居たなら…なぁ……」
と、ゼンは目を細めたのだった。
悠兄さんに土下座の勢いでお願いされたのだけど、ミヤさんはそんな悠兄さんを一瞥した後、私の方にまた視線を戻して
「で、ハルは、どうしてコイツの事を知ってるの?」
と、この世界の言葉で話し続ける。勿論、私とリュウも、そんなミヤさんに従うまでです!
「えっと…私が男性恐怖だった事…覚えてますか?」
「勿論覚えているわよ?」
「それの原因が…私、中学生の時にストーカーされて、誘拐されそうになった事があって…」
「えっ!?ハル、大丈夫だったのか!?」
何故か、リュウが私の肩をガッシリ掴んで怒ったように聞いてくる。
「う…うん。未遂だったから。それで、その時に助けてくれたのが、近所に住んでたこの悠兄さんのお父さんだったの。」
「えっ!?コイツのお父さんって…あの眞島さん!?顔の厳つい?警察の!?」
「厳つい…そうです。その眞島さんです。警察官の。」
「あー成る程!あの眞島さんに慣れてる?なら、グレン様も平気ね。私もね、警察官として、眞島さんには色々お世話になってたのよ。」
ーおお─、まさかの眞島さん繋がり!世間って、狭いですね?ー
「はぁ─。ハルが無事で良かったけど…」
と、リュウは苦笑しながら私の頭を優しくポンポンと叩いた。
ーあれ?私の保護者…また増えた?ー
『それで?私を探して、どうするつもりだったの?』
『どうするって──さ…ミヤに謝って、もう一度やり直したいって…。』
悠兄さんはそのまま口を噤み、ミヤさんはそんな悠兄さんを暫く見つめた後、溜め息を吐いた。
『悠介、私は自分でこの世界で生きて行くと決めてここに来たの。そして、私とハルは…二度と日本に還る事はできない。でも、あなたは還れる。』
『え?俺は…還れる?ミヤは還れない?』
『そう。だから、私はあなたと復縁する気なんてないわ。まぁ、折角ここで会えたんだから、謝罪だけは受け取ってあげるわ。それで?いつ還る?今?』
ミヤさんがまたまた綺麗な笑顔で、悠兄さんを追い詰めて行く。
ーはい!私はいつでもOKです!今でも大丈夫です!ー
悠兄さんはギュッと手を握り締めた後
『少し─少しだけ俺に時間をくれないか!?』
『………』
『俺、やっぱり今でもミヤが好きなんだ。だから、少しだけ俺にチャンスをくれないか?それでも駄目なら…その時は日本に還るから…。』
ーえ?もし─もし、ミヤさんが悠兄さんを選んだら…悠兄さんもこの世界で生きて行く─って事!?ー
ギョッとして、横に居るリュウに視線を向ける。
「あ─…まぁ…何だ。もしそうなったとしても、コイツもいい大人だし、あっちの世界では都合良く回ってくれるだろう。」
苦笑しながらリュウは言うけど…
ーえっと?何で、皆、私の思ってる事が分かるんだろう??ー
むうっ─と唸っていると
「ハルはすぐに顔に出るからな。」
ー一体、私はどんな顔をしてるの!?ー
それは置いといて─また、ミヤさんに視線を戻す。
『はぁ─。チャンスって…悠介、解ってる?ここに居る間の時間は…多分日本ででも同じように過ぎて行ってる。と言う事は、悠介は“行方不明”扱いになるのよ?』
『分かってる。それでも、俺はチャンスが欲しいし、少しでもミヤの側に…居たいと思ってる。』
ーこの悠兄さんだけを見てると、二股してたなんて人には見えないのにー
『……分かったわ。悠介の事も…もう一度、ちゃんと向き合って考えるわ。』
ミヤさんは、少し疲れたような顔をして答えた。
『─!ありがとう!』
対しての悠兄さんは、満面の笑顔だ。
悠兄さんが、暫くの間この世界に居る─となると
「この事は一応、報告した方が良いですよね?」
「そうね。丁度、明日登城するから、ついでに報告するわ。」
「モテる女性は大変だね?」
「…ハルも他人の事は言えないと思うけどな。」
取り敢えず、悠兄さんの事をロンさんとルナさんとリディさんに説明して、部屋を用意してもらった。
そして、その日の夜に、魔法陣で転移して来たゼンさんにも説明した。
「…ハル様を助けた方の…ご子息??」
何故か、ゼンさんの雰囲気がピリッとなる。
「はい、そうです。私を助けてくれたのは、彼の父親なんですけどね。まぁ…私にとっては、優しいお兄さん─でした。」
ーミヤさんにとっては微妙なんだろうけどー
「ハル様─“助けてもらった”とは?」
「ん?」
「いえ。言いたくない事なら、無理にとは言いませんが…。その…助けられたと言う事は、その時、ハル様はどんな危険な目にあっていたのか─と、気になりまして。」
「えっと…昔、誘拐されそうになった事があって…。その時に──」
「…誘拐?」
ーえ?何で?ゼンさんの威圧感が半端無いー
「あの…助けてもらった…ので、未遂でしたから!」
「…そうですか。それなら良かったのですが───」
最後の方は、声が小さ過ぎて聞こえなかった。
「──違う世界に居るのが残念だな。この世界に居たなら…なぁ……」
と、ゼンは目を細めたのだった。
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