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第一章ー婚約ー
2人の邸
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「ハル、久しぶ──」
「ハルさん!いらっしゃい!!」
ムギュッ
「ふぐうっ──」
「母上!!」
「ルーチェ、少し落ち着こうか?」
はい。ゼンさんと一緒に、王都のカルザイン邸にやって来ました。エディオルさんの婚約者になってから初めての訪問は、当主であるルイス第一騎士団長様とルーチェ様とエディオルさんを筆頭に、使用人の人達もズラッと並んでのお出迎えです。
エディオルさんと会うのも、本当に久し振りです。
エディオルさんが、私の方に歩みを進めたかと思ったら、その前にルーチェ様に抱き付かれ、それを落ち着かせるルイス第一騎士団長様。
ーこれは、これからルーティンになるのでは?ー
と思ったのは…私だけではないと思います。
でもそれは、全く嫌ではなくて、ちゃんと私を受け入れてくれている─と実感できるし、何だか心がホッコリして…嬉しいな─と思います。
「やっぱり、独り暮らしは─ちょっと難しいかな。」
と、ルイス第一騎士団長様に、少し困ったように笑いながら言われました。
「ハル殿がどうと言う事ではなくて、こちらの世界では、女性が独り暮らしをすると言う事がないんだ。平民でも、あまりないからね。ここ王都ではあまりないが、魔獣が現れたりする事もあるからね。勿論、防犯の面でもね。」
ーやっぱりそうですよねー
「ハル殿が魔法使いで、防御に関しては全く問題無いと聞いているけど、ハル殿が魔法使いと言う事を隠しておきたいなら、尚更独り暮らしは…止めて、普通の令嬢達と同じ様に生活を送っておいた方が良いと思うよ?」
ルイス第一騎士団長様は、優しく、でも言い聞かせるように話す。
「そうですね…。自分の事ばかり考えてしまって…すみませんでした。」
ペコリと頭を下げて謝る。
自分が自立したくて必死だったけど、確かに、この世界ではこの世界の日常やルールがあるんだよね。それを、私の世界では当たり前だったからって─我が儘を言ってたら駄目だよね。
「そこで、一つ提案があるんだ。」
「提案…ですか?」
「うん。青の庭園の近くに、エディの為の邸があるんだ。」
ーエディオルさんの為の邸!?ー
「早い話、エディが結婚したら住む予定で建てた邸だね。勿論、まだその邸は使用してないんだけど…ハル殿、そこで生活してみるかい?」
「───はい??」
「勿論、1人で─とは言えないけどね。今、ハル殿に付いている2人の侍女には来てもらう事。後、数名の使用人も入れて─この使用人も、パルヴァンで決めてもらって良いから。カルザインの者でなくても良いし、グレン様やゼン殿の選んだ者で構わない。そこは庭も広いから、興味があるなら薬草を育てる事も出来ると思うよ?ウチは庭園を持っているから、一般的な草花は勿論、薬草にも詳しい庭師が居るからね。」
ーうぅ…色々と魅力的な話だけどー
「でも…エディオルさんの為の邸なのに、私なんかが…エディオルさんより先に住むと言うのは…」
「え?それは大丈夫よ?だって、その邸はハルさんの邸でもあるんだから。何も遠慮する事はないのよ?」
「え?」
ー私の邸?ー
「え?何?その可愛いキョトン顔は。」
「ルーチェ、少し落ち着こうか。えっと、ハル殿はエディの婚約者だから。エディと結婚するよね?あれ?しない?」
ルイス第一騎士団長様が少し揶揄う様にエディオルさんに視線を向ける。
「しますよ!必ず結婚しますよ!ハルと!」
「それなら良かった。と言う事で、エディと結婚するハル殿は、将来その邸に住む事になるから、ハル殿の邸でもある─って事だね。住み始めるのが早くなるだけだ。それにね─」
と、ルイス第一騎士団長様は一度言葉を区切り、ゼンさんに少し視線を向けた後
「最近、エディに対してしつこく言い寄って来るご令嬢や、返しても返しても釣書を送って来る者が…ちょっと目障りでね?それらに牽制…の意味も込めてと思ってね?」
ーおぅ…流石は…第一騎士団長を務める人だけある。優しい顔、雰囲気なのに…今ので一気に空気がピリピリしだしたー
「成る程。自分にはまだチャンスがある─と思っている者が居ると言う事…ですか…。後で…教えてもらっても?」
と、ゼンさんがニッコリすると、「勿論」と答えたルイス第一騎士団長様もニッコリ笑う。
ー何だかよく分からないけど、背中がゾクゾクするから、帰ったらネージュをモフモフさせてもらおうー
と心の中で囁いた。
なんだかんだて─不思議とゼンさんからの反対もなく、1ヶ月後に私の引っ越しが決まりました。勿論、その邸に、王都と辺境地のパルヴァン邸を繋ぐ魔法陣も貼り付ける予定です。はい。チートに感謝です!
「あの…貴族の世界の事は全く分からないんですけど…私は平民なんですけど…エディオルさんの婚約者と言う事で、社交界?夜会とかお茶会?に出ないといけない…事になるんですか?」
ーこれ、一番気になってた事なんだよねー
「少し話を詰めて来るから」
と、ルイス第一騎士団長様とエディオルさんとゼンさんが別室へ移動し、ルーチェ様と2人になったので訊いてみた。
「エディは爵位を継がないから、必ず社交界に顔を出さないといけないって事はないわ。でも、“近衛騎士”として出席する夜会や、王族に言われたら、その時はハルさんも一緒に出席してもらう事になるわね。」
「そうなんですね。それで、私、そう言う時のマナーとかルールは知らないので、教えてもらう事はできますか?今のままだと…エディオルさんに…恥をかかせてしまうので…」
「あらやだ!エディの為なの!?可愛い!!勿論よ!先生を急いで用意するわね!あー、ホントに可愛いわね!!」
ムギュッ
「ぐふぅ─っ」
はい。またまた抱き枕状態のハルです。誰か、ルイス第一騎士団長様を呼んで来て下さい!!
「ハルさん!いらっしゃい!!」
ムギュッ
「ふぐうっ──」
「母上!!」
「ルーチェ、少し落ち着こうか?」
はい。ゼンさんと一緒に、王都のカルザイン邸にやって来ました。エディオルさんの婚約者になってから初めての訪問は、当主であるルイス第一騎士団長様とルーチェ様とエディオルさんを筆頭に、使用人の人達もズラッと並んでのお出迎えです。
エディオルさんと会うのも、本当に久し振りです。
エディオルさんが、私の方に歩みを進めたかと思ったら、その前にルーチェ様に抱き付かれ、それを落ち着かせるルイス第一騎士団長様。
ーこれは、これからルーティンになるのでは?ー
と思ったのは…私だけではないと思います。
でもそれは、全く嫌ではなくて、ちゃんと私を受け入れてくれている─と実感できるし、何だか心がホッコリして…嬉しいな─と思います。
「やっぱり、独り暮らしは─ちょっと難しいかな。」
と、ルイス第一騎士団長様に、少し困ったように笑いながら言われました。
「ハル殿がどうと言う事ではなくて、こちらの世界では、女性が独り暮らしをすると言う事がないんだ。平民でも、あまりないからね。ここ王都ではあまりないが、魔獣が現れたりする事もあるからね。勿論、防犯の面でもね。」
ーやっぱりそうですよねー
「ハル殿が魔法使いで、防御に関しては全く問題無いと聞いているけど、ハル殿が魔法使いと言う事を隠しておきたいなら、尚更独り暮らしは…止めて、普通の令嬢達と同じ様に生活を送っておいた方が良いと思うよ?」
ルイス第一騎士団長様は、優しく、でも言い聞かせるように話す。
「そうですね…。自分の事ばかり考えてしまって…すみませんでした。」
ペコリと頭を下げて謝る。
自分が自立したくて必死だったけど、確かに、この世界ではこの世界の日常やルールがあるんだよね。それを、私の世界では当たり前だったからって─我が儘を言ってたら駄目だよね。
「そこで、一つ提案があるんだ。」
「提案…ですか?」
「うん。青の庭園の近くに、エディの為の邸があるんだ。」
ーエディオルさんの為の邸!?ー
「早い話、エディが結婚したら住む予定で建てた邸だね。勿論、まだその邸は使用してないんだけど…ハル殿、そこで生活してみるかい?」
「───はい??」
「勿論、1人で─とは言えないけどね。今、ハル殿に付いている2人の侍女には来てもらう事。後、数名の使用人も入れて─この使用人も、パルヴァンで決めてもらって良いから。カルザインの者でなくても良いし、グレン様やゼン殿の選んだ者で構わない。そこは庭も広いから、興味があるなら薬草を育てる事も出来ると思うよ?ウチは庭園を持っているから、一般的な草花は勿論、薬草にも詳しい庭師が居るからね。」
ーうぅ…色々と魅力的な話だけどー
「でも…エディオルさんの為の邸なのに、私なんかが…エディオルさんより先に住むと言うのは…」
「え?それは大丈夫よ?だって、その邸はハルさんの邸でもあるんだから。何も遠慮する事はないのよ?」
「え?」
ー私の邸?ー
「え?何?その可愛いキョトン顔は。」
「ルーチェ、少し落ち着こうか。えっと、ハル殿はエディの婚約者だから。エディと結婚するよね?あれ?しない?」
ルイス第一騎士団長様が少し揶揄う様にエディオルさんに視線を向ける。
「しますよ!必ず結婚しますよ!ハルと!」
「それなら良かった。と言う事で、エディと結婚するハル殿は、将来その邸に住む事になるから、ハル殿の邸でもある─って事だね。住み始めるのが早くなるだけだ。それにね─」
と、ルイス第一騎士団長様は一度言葉を区切り、ゼンさんに少し視線を向けた後
「最近、エディに対してしつこく言い寄って来るご令嬢や、返しても返しても釣書を送って来る者が…ちょっと目障りでね?それらに牽制…の意味も込めてと思ってね?」
ーおぅ…流石は…第一騎士団長を務める人だけある。優しい顔、雰囲気なのに…今ので一気に空気がピリピリしだしたー
「成る程。自分にはまだチャンスがある─と思っている者が居ると言う事…ですか…。後で…教えてもらっても?」
と、ゼンさんがニッコリすると、「勿論」と答えたルイス第一騎士団長様もニッコリ笑う。
ー何だかよく分からないけど、背中がゾクゾクするから、帰ったらネージュをモフモフさせてもらおうー
と心の中で囁いた。
なんだかんだて─不思議とゼンさんからの反対もなく、1ヶ月後に私の引っ越しが決まりました。勿論、その邸に、王都と辺境地のパルヴァン邸を繋ぐ魔法陣も貼り付ける予定です。はい。チートに感謝です!
「あの…貴族の世界の事は全く分からないんですけど…私は平民なんですけど…エディオルさんの婚約者と言う事で、社交界?夜会とかお茶会?に出ないといけない…事になるんですか?」
ーこれ、一番気になってた事なんだよねー
「少し話を詰めて来るから」
と、ルイス第一騎士団長様とエディオルさんとゼンさんが別室へ移動し、ルーチェ様と2人になったので訊いてみた。
「エディは爵位を継がないから、必ず社交界に顔を出さないといけないって事はないわ。でも、“近衛騎士”として出席する夜会や、王族に言われたら、その時はハルさんも一緒に出席してもらう事になるわね。」
「そうなんですね。それで、私、そう言う時のマナーとかルールは知らないので、教えてもらう事はできますか?今のままだと…エディオルさんに…恥をかかせてしまうので…」
「あらやだ!エディの為なの!?可愛い!!勿論よ!先生を急いで用意するわね!あー、ホントに可愛いわね!!」
ムギュッ
「ぐふぅ─っ」
はい。またまた抱き枕状態のハルです。誰か、ルイス第一騎士団長様を呼んで来て下さい!!
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