モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語

みん

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第三章ーリスと氷の騎士ー

☆ノアの呟き☆

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私の主の名は─エディオル=カルザイン─

私の名は─ノア─

愛しい番の─ネージュ─

愛しい娘の─ネロ─

私の主の番の─ハル様─



私は、愛しいモノや尊敬する者達に囲まれていて幸せです。






主の長年の“拗らせ”が実り、色々ありましたが、想いが通じ合い、婚約。そして、結婚も決まりました。とても嬉しい限りです。先に私の方が…子を成してしまいましたが…主もハル様も喜んでくれました。ハル様に至っては…初孫を喜ぶが如く、ネロの事を可愛がってくれています。

『最近、主がワシャワシャしてくれぬ。』

と、耳がシュンと垂れ下がるネージュ。それがまた…可愛らしいなぁ─と思ってしまうのは、秘密にしておきます。

ネロもネロで、ハル様が好きなようで、よく私達の目を盗んではハル様の所へ行ってしまいます。
ただ、ネロを探すと言う名目で、ネージュは嬉しそうに尻尾をブンブン振りながら

『ネロは、すぐに主の所へ行ってしまうな…困ったものだな。』

と、“困った”と口にしながら、ハル様に会える事が嬉しい─事を隠しきれていないネージュが、また更に可愛らしいのです。我が主─エディオル様の

“可愛くて辛い”

が、今ではよく分かります。ネージュは、可愛らしい以外が見当たりません。ネロも、何をしていても可愛い。

ネロと言えば…最近、特にハル様の魔力を取り込んでいる事が多いように思う。ハル様の魔力量は……魔獣である私から見ても規格外の量なので、ハル様が倒れる等の問題はありませんが…その強さと質の高さには更に驚かされる。あれ程の強い魔力でありながら、乱れる事が一切ない。ネージュがよく“主の魔力は温かい”と言うけれど、それは、質が良いからでしょう。そのお陰で、ネージュの魔力も安定しているのだと思います。

本当に、ネージュの主がハル様で良かったです。そのハル様の番が、我が主で良かったです。




ネロを探しに行ってから暫くして、寝ているネロを咥えて帰って来たネージュは、やっぱり尻尾がブンブンと揺れていた。

『ネロは、やっぱりハル様の所に居たの?』

『あぁ。しかも、主の布団に潜り込んで寝ていた。』

ーネロがで良かったー

と、ふと思ってしまいました。これがなら、我が主は…おそらく、いい気分にはならないでしょうから。魔獣で、しかも子供だったとしても、小言を言われるかもしれませんからね。

『それでな、今日は久し振りに、主にワシャワシャされたのだ。』

『なる程。だから、ネージュはそんなにも嬉しそうだったんだね。』

ネージュがコロンと横になり、咥えていたネロをそっと自身のお腹の上に載せてクルンと丸まる。

『あぁ。ワシャワシャされると気持ち良くて…嬉しくなるな。』

ネージュが嬉しそうに笑いながら、ネロに鼻先をスリスリと擦り付ける。

『ノア。ネロは最近、主の魔力を取り込み過ぎではないか?我の気のせいか?』

『あぁ、ネージュも思っていた?』

『思うも何も、最近、ネロからは主の魔力をよく感じるのだ。主にとっては、この位の魔力量では何の問題も無いだろうが…。』

と、ネージュが何かを考えるように黙り込む。

『何かあった?』

『いや、まだがあった訳ではないが……ネロも…擬人化するのではないか─と思ってな?』

『あぁ…それは、否定できませんね。』

否定どころか、おそらく──きっと、擬人化すると思います。もともと魔力が少ない私が、ハル様の魔力を少し取り込んでしまっただけでも、擬人化できるようになったのです。
たっぷりと取り込んでいるネロも…きっと…。

ーネージュとハル様の周りは、驚きがたくさんありますねー

少し笑ってしまってからネージュを見ると、ネージュもウトウトと寝そうになっていた。

『ふふっ。ネージュもネロも…可愛いですね。おやすみ。』

ネージュとネロに軽くキスをすると、主がやって来た。

「ノア、おはよう。今日も宜しく頼む。」

主がそう言いながら、私の首をポンポンと優しく叩く。

『主も、私の毛並みがフサフサなら、ワシャワシャしてくれましたか?』

と、ふと気になり訊いてみると

「……それも、ハルとネージュ殿だから─だ。」

我が主はそれだけ言うと、私の背中に騎乗した。

ー確かに、主がワシャワシャする─なんて事は…想像すらできませんねー

主に気付かれないように少し笑ってから、私は今日も王城へと走り出した。




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