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トラブル
優しいも何も、他人に対して、“コレ”呼ばわりされて怒ってない私の方が優しくない?
「リンディ、昨日は、差し入れのベリーパイ、ありがとう。でもね……何となくだけど、いつもと違う味がしたから全部は食べれなくて、まだ残っているんだけど……これから時間があるなら、寮の私の部屋に行って、一緒に食べる?」
「いつもと違う味────っ!エヴィとジェ─お姉様の紙袋を間違─────っ!味!味ね!何で違ったのかしらね?それなら、食べない方が良いかもね!りょっ料理長にも言っておくわ!」
ーこの慌てよう……やっぱり、意図的に仕込まれたモノだったのねー
リンディに会う度に、リンディ達への気持ちが冷めていく。今では、どうして、今迄この家族に受け入れられたかったのか──それさえも分からなくなって来ている。
「そう?それじゃあ、食べるのは止めておくわね」
「少し味が違うだけで食べないとかさぁ……折角親が持たせてくれた物なんだから、我儘言わずに食べれば良いだろ?」
コレ呼び男子が、私を見下すように吐き捨てる。
ーお前の耳は節穴なの?“食べなくていい”と言ったのは、リンディですよ?ー
それに、コレ呼び男子は私の事を知っているようだけど、私はアナタの事は全く知らないからね?挨拶すらしてないからね?おそらくだけど、男爵か子爵だよね?私、魔力無しだけど、一応は伯爵令嬢だからね?そんな失礼無礼極まりないコレ呼び男子は無視1択で良いよね?
「ライラ、そろそろ行こう。リンディ……またね」
ライラと目配せしながら席を立ち、横の椅子の上に置いておいた荷物を手に取ろうとした時、髪撫で男子にその荷物をサッと取られてしまった。
「───は?」
何が起こったか分からず、私もライラもキョトンとしてしまった。
「魔力無しは礼儀も無いんだな?こっちの話を無視してさぁ。あんたって、本当に双子の妹のリンディ嬢の事を無視したりしてるんだな。リンディ嬢が可哀相だ」
「はぁ………それ、返してもらえますか?」
「それでも無視とか……有り得ないからっ─」
カシャン───ッ
「え!?」
髪撫で男子はニヤリと笑って、手にしていた私の荷物を床に放り投げた。
「………」
ー有り得ないのはお前だろう!!ー
と叫びそうになるのをグゥ───ッと我慢する。
ーどうする?ー
自然と体が震える───のは、この髪撫で男子が怖いからではない。私の目の前に居る、ライラから殺気が溢れているからだ。しかも、顔が………私が今迄見た事もない程の笑顔なのだ。それに、何故か、ライラとは違う所からも一瞬だけだったけど、圧のようなモノを感じた。ただ、それは今では何も感じられないから、気のせいだったのかもしれないけど。
兎に角、ライラ─闇の精霊を、こんな所で怒らせる訳にはいかない。この際、私の買った物は二の次だ。アレは、また買い直せるからね!
「ライラ、私は大丈夫だから。無礼な人達は放っておいて、買い物に行こう?」
ライラの手を握って笑えば、少しずつライラも落ち着いていき「エヴィが、そう願うなら─」と、床に放り投げられた荷物を拾い、店を出ようとすると
「本当に、魔力無しの出来損ないのくせに、生意気だな───っ!!」
私に伸ばして来たコレ呼び男子の手を、誰かが横から掴んで捻り上げた。
「──いっ……何だ!?離せっ!!」
「何故離さないといけないんだ?」
ーえ?この声は………ー
またまた、聞こえる筈が皆無な声が聞こえてしまった。
「お前は、何をしたか、何をしようとしたか……分かっているのか?」
「何─って、俺は、正しい事を───い゙──っ!!!」
「ここでは更に店に迷惑が掛かるからな……先ず外に出ようか?逃げようとは思わない事だな。逃げたとしても、俺はお前達の顔をよーく覚えているからなぁ」
フードを被っている為、口角が上がりニヤッと笑っている口しか見えないけど、彼がかなり怒っていると言う事だけは分かる。無礼男子とリンディにも、彼の怒りが伝わったのか、ようやくおとなしくなり、3人とも彼に続いて素直に店から出て行き、それに私とライラも続いた。
私が店から出る時に、チラリと店内に視線を向けると、店員さんと話をしている男性が居た。おそらく、彼が、私達が迷惑を掛けてしまった店に対して、何かしらの対応をさせているのだろう。
ーこんなくだらない事に巻き込んでしまったー
ソッと溜め息を吐くと、「エヴィが気にする事はないわよ」とすっかり怒りの収まったライラが、今度は愉快そうに笑いながら彼を見ていた。
「リンディ、昨日は、差し入れのベリーパイ、ありがとう。でもね……何となくだけど、いつもと違う味がしたから全部は食べれなくて、まだ残っているんだけど……これから時間があるなら、寮の私の部屋に行って、一緒に食べる?」
「いつもと違う味────っ!エヴィとジェ─お姉様の紙袋を間違─────っ!味!味ね!何で違ったのかしらね?それなら、食べない方が良いかもね!りょっ料理長にも言っておくわ!」
ーこの慌てよう……やっぱり、意図的に仕込まれたモノだったのねー
リンディに会う度に、リンディ達への気持ちが冷めていく。今では、どうして、今迄この家族に受け入れられたかったのか──それさえも分からなくなって来ている。
「そう?それじゃあ、食べるのは止めておくわね」
「少し味が違うだけで食べないとかさぁ……折角親が持たせてくれた物なんだから、我儘言わずに食べれば良いだろ?」
コレ呼び男子が、私を見下すように吐き捨てる。
ーお前の耳は節穴なの?“食べなくていい”と言ったのは、リンディですよ?ー
それに、コレ呼び男子は私の事を知っているようだけど、私はアナタの事は全く知らないからね?挨拶すらしてないからね?おそらくだけど、男爵か子爵だよね?私、魔力無しだけど、一応は伯爵令嬢だからね?そんな失礼無礼極まりないコレ呼び男子は無視1択で良いよね?
「ライラ、そろそろ行こう。リンディ……またね」
ライラと目配せしながら席を立ち、横の椅子の上に置いておいた荷物を手に取ろうとした時、髪撫で男子にその荷物をサッと取られてしまった。
「───は?」
何が起こったか分からず、私もライラもキョトンとしてしまった。
「魔力無しは礼儀も無いんだな?こっちの話を無視してさぁ。あんたって、本当に双子の妹のリンディ嬢の事を無視したりしてるんだな。リンディ嬢が可哀相だ」
「はぁ………それ、返してもらえますか?」
「それでも無視とか……有り得ないからっ─」
カシャン───ッ
「え!?」
髪撫で男子はニヤリと笑って、手にしていた私の荷物を床に放り投げた。
「………」
ー有り得ないのはお前だろう!!ー
と叫びそうになるのをグゥ───ッと我慢する。
ーどうする?ー
自然と体が震える───のは、この髪撫で男子が怖いからではない。私の目の前に居る、ライラから殺気が溢れているからだ。しかも、顔が………私が今迄見た事もない程の笑顔なのだ。それに、何故か、ライラとは違う所からも一瞬だけだったけど、圧のようなモノを感じた。ただ、それは今では何も感じられないから、気のせいだったのかもしれないけど。
兎に角、ライラ─闇の精霊を、こんな所で怒らせる訳にはいかない。この際、私の買った物は二の次だ。アレは、また買い直せるからね!
「ライラ、私は大丈夫だから。無礼な人達は放っておいて、買い物に行こう?」
ライラの手を握って笑えば、少しずつライラも落ち着いていき「エヴィが、そう願うなら─」と、床に放り投げられた荷物を拾い、店を出ようとすると
「本当に、魔力無しの出来損ないのくせに、生意気だな───っ!!」
私に伸ばして来たコレ呼び男子の手を、誰かが横から掴んで捻り上げた。
「──いっ……何だ!?離せっ!!」
「何故離さないといけないんだ?」
ーえ?この声は………ー
またまた、聞こえる筈が皆無な声が聞こえてしまった。
「お前は、何をしたか、何をしようとしたか……分かっているのか?」
「何─って、俺は、正しい事を───い゙──っ!!!」
「ここでは更に店に迷惑が掛かるからな……先ず外に出ようか?逃げようとは思わない事だな。逃げたとしても、俺はお前達の顔をよーく覚えているからなぁ」
フードを被っている為、口角が上がりニヤッと笑っている口しか見えないけど、彼がかなり怒っていると言う事だけは分かる。無礼男子とリンディにも、彼の怒りが伝わったのか、ようやくおとなしくなり、3人とも彼に続いて素直に店から出て行き、それに私とライラも続いた。
私が店から出る時に、チラリと店内に視線を向けると、店員さんと話をしている男性が居た。おそらく、彼が、私達が迷惑を掛けてしまった店に対して、何かしらの対応をさせているのだろう。
ーこんなくだらない事に巻き込んでしまったー
ソッと溜め息を吐くと、「エヴィが気にする事はないわよ」とすっかり怒りの収まったライラが、今度は愉快そうに笑いながら彼を見ていた。
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