今更ですか?結構です。

みん

文字の大きさ
5 / 55

仇となった?

しおりを挟む

「それで?今はどんな状況なの?」

 グレイシーの部屋にお茶の用意をした後、ココとメリルも一緒に4人でテーブルに着いた。

「状況も何も……何もないわよ。昨日、王城で久し振りに会っただけだしね。」

 肩を竦めながら答える。グレイシーが訊いているのは、私と第一王子との事だ。

「本当よ?それに、会ったって言っても挨拶をしただけで、その後にあったお茶会でも喋らなかったしね。」

「えっ!?一言も!?」

「ええ、一言も。お陰でお茶を飲み過ぎた位よ。」

 ー本当に、暇過ぎてお茶ばかり飲んでいたから、お腹いっぱいになったのよね…ー

「メルヴィル様とフェリシティ…昔はあんなに仲が良かったのにね…。本当に…馬鹿だよね…。」

 フンッ─と、グレイシーは私ではなく第一王子に怒りを表す。

 仲良く幼馴染みとして育ち、そのまま婚約者候補になり、お互い励まし合って努力していた日々。

 徐々に第一王子が笑ってくれる事がなくなって、私が笑わなくなった事。

 グレイシーとココとメリルには、全て話している。

「別に、私はもう何も期待してないから。と言うか、何故未だに候補から外れていないのか…そっちの方が気になってるぐらいよ。」

 本当に不思議だ。ハッキリ言って、不敬覚悟で第一王子と距離を取った。何度か誘われたお茶会も、辺境地に居るので─と断りもした。そのお誘いの手紙以外の手紙のやり取りもしていない。勿論、お互いの誕生日にでさえ、プレゼントを贈ったり貰った事も、この数年していない。

 王妃教育として、辺境地で細々と外国語の勉強だけは続けていたけど。でも、その分他の4人の候補者達とは、教育の進み具合等の差は明らかだろうと思う。
 その為、王妃様からも私を候補から外す─と言う案が出てもおかしくないのになぁ─と思っている。

「それは、フェリシティが優秀だからでしょう?」

「──優秀?」

「私も最近知ったんだけどね?エルドが言ってたのよ。5人の候補者の中でも、フェリシティとティアリーナ様の王妃教育が進んでいるらしいって。だから、フェリシティが領地に引き篭もってても問題がなかったんだろうって。」

「はい??」

 と、私が驚いていると、ココが更に爆弾?を落とした。

「進んでいる─と言うよりは、お嬢様─フェリシティ様がエルダイン領の生まれだからではないでしょうか?エルダインは国内外問わず人気の観光地ですから、お嬢様は幼少の頃から多国語を耳にする機会があり、既に自国以外の4ヶ国語を話せてましたからね。その分他の教育に時間を回せた訳ですから、他の候補者の方達より進んでいたとしても不思議ではないでしょう。フェリシティ様と殿下の仲云々は抜きにして、王太子妃、王妃としての資質は問題ないと思います。なので、期限迄、フェリシティ様が候補から外れる事は無いかと……。」

 確かに、小さい頃から母や父と共に領地内巡りに付いて行き、そこで会う人達─他国からの観光客達と、拙いながらも頑張ってその人達の国の言葉で会話をするようにしていた。その方が、相手も色々と話をしてくれるから。嬉しそうに笑ってくれるから。そんな感じで、母が儚くなる迄には4ヶ国語を話せるようになっていたけど─。

「──それが、仇となったのね……。」

「仇となった──って。」

 ポツリと呟いた私の言葉に、グレイシーとココとメリルが苦笑する。

「後2年か…。兎に角、このままいけば、私が選ばれる事は無いと思うから、私はこのままでいくわ。」

「それがフェリシティにとって良い事かどうか分からないけど…私は何があってもフェリシティの味方だからね!」

「「私もです!」」

 グレイシーの言葉に、ココとメリルが笑顔で同意してくれた。

「ありがとう。」

 と、私も笑顔でお礼を言った。










 *ティアリーナ=グレイソン*

 筆頭公爵家の長女。
 緩く波打つ金髪の髪に、空を表す様な真っ青な瞳。誰が見ても10人が10人、彼女の事を美人だと答えるように綺麗な方だ。
 年は第一王子や私よりも一つ年上であり、どうやら、私の義兄と同じクラスだそうだ。成績も常にトップをキープしているらしい。

 ーもう、ティアリーナ様でよくない?ー

 と、毎日のように思っている。



 *ミンディ=パティロイ*

 侯爵家の長女。
 茶髪に茶色の瞳。見た目は庇護欲を唆られるような雰囲気を持った可愛らしい方だけど─内には肉食獣を飼っているとか─。

 ー肉食獣って…ー



 *ノーラ=ハミルトン*

 侯爵家の次女。
 赤い髪に緑色の瞳。少し釣り目な為にキツそうには見えるけど、本当は物静かな方だ。

 ーキレると怖いかもしれないけどー



 *テレッサ=ノーバルデン*

 伯爵家の長女。
 真っ直ぐ伸びた黒い髪に、黒い瞳。
 大人しそう?な見た目とは反し、この方が一番第一王子にアプローチを掛けている。

 ーいっその事、その第一王子を落としてくれないかなぁ?ー



 *フェリシティ=エルダイン*

 琥珀色の髪に、薄い藤色の瞳。
 容姿は──ごくごく普通の私。


 この5人が、第一王子の婚約者候補である。






 がタンッ──

「お嬢様、着いたようですね。」

 オルコット邸からの帰りは、オルコット家の馬車で送ってもらった。馬車から下りると、ココと2人で御者に礼を言いその馬車を見送ってから邸へと入って行った。












 ❋読んで頂いた方、お気に入り登録して頂いた方、ありがとうございます!
 (*˘︶˘人)感謝☆
 明日からは、1日1話の投稿となります。続けてお付き合い頂ければ幸いです。宜しくお願いします❋
 (* ᵕᴗᵕ)⁾⁾    ꕤ















しおりを挟む
感想 373

あなたにおすすめの小説

はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」 「……あぁ、君がアグリア、か」 「それで……、離縁はいつになさいます?」  領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。  両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。  帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。  形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。 ★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます! ※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。 王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。 貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。 だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った

冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。 「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。 ※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。

【完結】離縁王妃アデリアは故郷で聖姫と崇められています ~冤罪で捨てられた王妃、地元に戻ったら領民に愛され「聖姫」と呼ばれていました~

猫燕
恋愛
「――そなたとの婚姻を破棄する。即刻、王宮を去れ」 王妃としての5年間、私はただ国を支えていただけだった。 王妃アデリアは、側妃ラウラの嘘と王の独断により、「毒を盛った」という冤罪で突然の離縁を言い渡された。「ただちに城を去れ」と宣告されたアデリアは静かに王宮を去り、生まれ故郷・ターヴァへと向かう。 しかし、領地の国境を越えた彼女を待っていたのは、驚くべき光景だった。 迎えに来たのは何百もの領民、兄、彼女の帰還に歓喜する侍女たち。 かつて王宮で軽んじられ続けたアデリアの政策は、故郷では“奇跡”として受け継がれ、領地を繁栄へ導いていたのだ。実際は薬学・医療・農政・内政の天才で、治癒魔法まで操る超有能王妃だった。 故郷の温かさに癒やされ、彼女の有能さが改めて証明されると、その評判は瞬く間に近隣諸国へ広がり── “冷徹の皇帝”と恐れられる隣国の若き皇帝・カリオンが現れる。 皇帝は彼女の才覚と優しさに心を奪われ、「私はあなたを守りたい」と静かに誓う。 冷徹と恐れられる彼が、なぜかターヴァ領に何度も通うようになり――「君の価値を、誰よりも私が知っている」「アデリア・ターヴァ。君の全てを、私のものにしたい」 一方その頃――アデリアを失った王国は急速に荒れ、疫病、飢饉、魔物被害が連鎖し、内政は崩壊。国王はようやく“失ったものの価値”を理解し始めるが、もう遅い。 追放された王妃は、故郷で神と崇められ、最強の溺愛皇帝に娶られる!「あなたが望むなら、帝国も全部君のものだ」――これは、誰からも理解されなかった“本物の聖女”が、 ようやく正当に愛され、報われる物語。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

処理中です...