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第一王子とのお茶会
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一体、第一王子と何を話せば良い?
話をする事ある?
直ぐに帰っても良いかなぁ?
あーお腹が痛………くならないかなぁ?
なんて、頭の中でグルグルと考えながら王城にやって来た。
何となく、ココが呆れたような視線を向けて来たけど、それはサクッと無視しておいた。
と言うか、色々悩んでいた自分を慰めてあげたい。
第一王子にお茶に誘われて王城にやって来ると、第一王子付きの女官に案内されて連れて来られたのは、王族専用の庭園にあるガゼボだった。そして、そこには、既に第一王子と──ティアリーナ様が居たのだ。
ー良かった。第一王子と2人キリじゃなくて。と言うか、別に私は要らなくない?え?帰っちゃう?ー
チラリとココを見ると、笑顔で首を振られ、“帰れませんよ”と、目で言われた。
「あら、フェリシティ様。」
先に私の存在に気付いたのは、第一王子ではなくティアリーナ様だった。
「殿下、ティアリーナ様、ごきげんよう。」
軽く挨拶をすると、これまた先に反応したのはティアリーナ様だった。
「フェリシティ様、ごめんなさいね。私、今日は王妃教育の日で丁度登城してましたの。それで、メルヴィル様とフェリシティ様がお茶をするとお聞きして、私も同席をお願いしましたの。ご一緒しても…よろしいかしら?」
少し困ったように目尻を下げて、コテンと小首を傾げるティアリーナ様は、普段のキリッとした様子ではなく、庇護欲をそそるようなものだった。
「殿下がお許しであれば、私は構いません。」
ー寧ろ、“ありがとうございます!”と叫びたい位ですー
「ふふっ。フェリシティ様、ありがとう。」
ティアリーナ様は、今度は花が綻ぶように微笑んだ。
あ、このクッキー、美味しい。今迄食べた事ない味だけど…何が入ってるのかしら?─
今日のこの紅茶も美味しい──
と、私の頭の中は、お茶会に出されているお菓子の事でいっぱいになっている。何故なら──
「では、メルヴィル様は来年は視察にも行くのですね。」
「そうなるね。それでも、学生のうちは勉学が優先だから、遠方へは無理だけどね。」
「生徒会長も務められて…大変ですわね──ところで──」
なんて、2人で話がサクサク進んでいるのだ。
ーえ?私、要りますか?要りませんよね?ー
ちなみに、テーブルを挟んで第一王子とティアリーナ様が向かい合って座り、私はティアリーナ様の横に、少し間を空けて横並びに座っている。
そう。だから、話をしない私と第一王子の視線が交わる事はない。第一王子とティアリーナ様が、見つめ合って話をしている。
“仲良いアピールですか?”と、訊きたくなる程だ。
卒業を待たず、ティアリーナ様を婚約者と決めてしまえば良いのに。はぁー…と出そうになる溜め息を呑み込む。
「そう言えば、メルヴィル様とチェスター様が幼馴染みと言う事は、フェリシティ様とも幼馴染みと言う事なのかしら?」
「そうです。でも、リ─エスタリオンはこの数年程は、コルネリアには来てませんでしたから、今回、留学生として来て久し振りに会ったと言う感じですけど。」
「そうなんですね。グレイシー様も含めて、3人がとても仲が良いと聞いたので…。」
ふふっ─と笑うティアリーナ様。
“3人”か──
ー4人目?のメルヴィルも、目の前に居るんだけどー
少しだけ、この場が微妙な空気になり掛けた時
「失礼致します。ティアリーナ様、お迎えの馬車が参りました。」
「あら、もう来たの?メルヴィル様、お話しの途中ですが、私はこれで失礼致します。また来週、生徒会で宜しくお願い致しますね。フェリシティ様も……失礼致しますわね。」
と、ティアリーナ様は軽く頭を下げた後、庭園のガゼボから去って行く───その後ろ姿を見ている私も
ーうん。私もこのタイミングで帰ろう!ー
私は静かに席を立ち
「殿下、私もこれで下がらせていただきます。本日のお茶のお誘い、ありがとうございました。次は………学園で。」
“態々、王城のお茶に誘わなくていいからね?”の意味を込めて。
ー今日もまた、視線すら合わなかったよね。私、何しに王城に来たんだっけ?ー
首を傾げそうになるのを我慢して、第一王子に背を向けて歩き出す。
「──フェリ!」
そう呼ばれて、体がビクリッと反応する。
ー“フェリ”──第一王子の口からソレを聞いたのは……いつぶりだろうか?ー
「フェリ、そのままで良いから聞いて欲しい。」
ーソレは……幼馴染みとして─と言う事だろうか?ー
「──私は…フェリに酷い事を…言った。王妃教育が大変だって分かっていたのに、笑ってるだけで褒められる筈なんてないのに。それで、フェリを傷付けた。本当にすまない!」
バサッ─と衣擦れのような音が響く。
王子が…頭を下げているのかもしれない。それでも、私は振り向かない。
ーこの人は、分かっていないー
「フェリにまた…信頼してもらえるように頑張るから…後1年と少し…私に時間が欲しい。」
ー今更…何を………ー
「今は何も…言わないで欲しい。ただ、聞いて欲しかっただけだから。」
ーえ…そうなの?ー
「それじゃあ、気を付けて帰ってくれ。また───」
それだけ言うと、第一王子はそのまま去って行った。
話をする事ある?
直ぐに帰っても良いかなぁ?
あーお腹が痛………くならないかなぁ?
なんて、頭の中でグルグルと考えながら王城にやって来た。
何となく、ココが呆れたような視線を向けて来たけど、それはサクッと無視しておいた。
と言うか、色々悩んでいた自分を慰めてあげたい。
第一王子にお茶に誘われて王城にやって来ると、第一王子付きの女官に案内されて連れて来られたのは、王族専用の庭園にあるガゼボだった。そして、そこには、既に第一王子と──ティアリーナ様が居たのだ。
ー良かった。第一王子と2人キリじゃなくて。と言うか、別に私は要らなくない?え?帰っちゃう?ー
チラリとココを見ると、笑顔で首を振られ、“帰れませんよ”と、目で言われた。
「あら、フェリシティ様。」
先に私の存在に気付いたのは、第一王子ではなくティアリーナ様だった。
「殿下、ティアリーナ様、ごきげんよう。」
軽く挨拶をすると、これまた先に反応したのはティアリーナ様だった。
「フェリシティ様、ごめんなさいね。私、今日は王妃教育の日で丁度登城してましたの。それで、メルヴィル様とフェリシティ様がお茶をするとお聞きして、私も同席をお願いしましたの。ご一緒しても…よろしいかしら?」
少し困ったように目尻を下げて、コテンと小首を傾げるティアリーナ様は、普段のキリッとした様子ではなく、庇護欲をそそるようなものだった。
「殿下がお許しであれば、私は構いません。」
ー寧ろ、“ありがとうございます!”と叫びたい位ですー
「ふふっ。フェリシティ様、ありがとう。」
ティアリーナ様は、今度は花が綻ぶように微笑んだ。
あ、このクッキー、美味しい。今迄食べた事ない味だけど…何が入ってるのかしら?─
今日のこの紅茶も美味しい──
と、私の頭の中は、お茶会に出されているお菓子の事でいっぱいになっている。何故なら──
「では、メルヴィル様は来年は視察にも行くのですね。」
「そうなるね。それでも、学生のうちは勉学が優先だから、遠方へは無理だけどね。」
「生徒会長も務められて…大変ですわね──ところで──」
なんて、2人で話がサクサク進んでいるのだ。
ーえ?私、要りますか?要りませんよね?ー
ちなみに、テーブルを挟んで第一王子とティアリーナ様が向かい合って座り、私はティアリーナ様の横に、少し間を空けて横並びに座っている。
そう。だから、話をしない私と第一王子の視線が交わる事はない。第一王子とティアリーナ様が、見つめ合って話をしている。
“仲良いアピールですか?”と、訊きたくなる程だ。
卒業を待たず、ティアリーナ様を婚約者と決めてしまえば良いのに。はぁー…と出そうになる溜め息を呑み込む。
「そう言えば、メルヴィル様とチェスター様が幼馴染みと言う事は、フェリシティ様とも幼馴染みと言う事なのかしら?」
「そうです。でも、リ─エスタリオンはこの数年程は、コルネリアには来てませんでしたから、今回、留学生として来て久し振りに会ったと言う感じですけど。」
「そうなんですね。グレイシー様も含めて、3人がとても仲が良いと聞いたので…。」
ふふっ─と笑うティアリーナ様。
“3人”か──
ー4人目?のメルヴィルも、目の前に居るんだけどー
少しだけ、この場が微妙な空気になり掛けた時
「失礼致します。ティアリーナ様、お迎えの馬車が参りました。」
「あら、もう来たの?メルヴィル様、お話しの途中ですが、私はこれで失礼致します。また来週、生徒会で宜しくお願い致しますね。フェリシティ様も……失礼致しますわね。」
と、ティアリーナ様は軽く頭を下げた後、庭園のガゼボから去って行く───その後ろ姿を見ている私も
ーうん。私もこのタイミングで帰ろう!ー
私は静かに席を立ち
「殿下、私もこれで下がらせていただきます。本日のお茶のお誘い、ありがとうございました。次は………学園で。」
“態々、王城のお茶に誘わなくていいからね?”の意味を込めて。
ー今日もまた、視線すら合わなかったよね。私、何しに王城に来たんだっけ?ー
首を傾げそうになるのを我慢して、第一王子に背を向けて歩き出す。
「──フェリ!」
そう呼ばれて、体がビクリッと反応する。
ー“フェリ”──第一王子の口からソレを聞いたのは……いつぶりだろうか?ー
「フェリ、そのままで良いから聞いて欲しい。」
ーソレは……幼馴染みとして─と言う事だろうか?ー
「──私は…フェリに酷い事を…言った。王妃教育が大変だって分かっていたのに、笑ってるだけで褒められる筈なんてないのに。それで、フェリを傷付けた。本当にすまない!」
バサッ─と衣擦れのような音が響く。
王子が…頭を下げているのかもしれない。それでも、私は振り向かない。
ーこの人は、分かっていないー
「フェリにまた…信頼してもらえるように頑張るから…後1年と少し…私に時間が欲しい。」
ー今更…何を………ー
「今は何も…言わないで欲しい。ただ、聞いて欲しかっただけだから。」
ーえ…そうなの?ー
「それじゃあ、気を付けて帰ってくれ。また───」
それだけ言うと、第一王子はそのまま去って行った。
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