今更ですか?結構です。

みん

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想い

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「私に…会いたかった?」

「そう。会って…確かめたい事があって…。」

ー確かめたい事?私、何かしたっけ?ー

「チェスターの引き継ぎとかで、本当に色々あって、ずっとコルネリアここには来れなくて…。そうしてるうちに、フェリがメルヴィルの婚約者候補になったって。もともと2人は仲が良かっただろう?だから、最終的にはフェリが婚約者になるだろう─って思ってたんだ。」

ーまぁ、あの頃の第一王子と私しか知らなかったら、そう思うわよねー

「それで、1、2年位前に、丁度引き継ぎとか諸々落ち着いて、少しずつ余裕が出て来て、そろそろ学校の事を考えないといけないな─と思った時に他国を知る為にも留学も良いなと思ってね。それで色々と調べているうちに、フェリやグレイシーやメルヴィルの事が懐かしくなって…忘れていた気持ちも思い出してしまって…。」

「忘れていた気持ち?」

「──最後に、を見ながら過ごして、自分の気持ちにケリをつけようと思ったんだ。そうしたら───まさかの、2人の不仲。何のご褒美かと思ったな。」

先程迄の愁いを帯びた表情はどこへやら…顎に自身の指をあてて、口角を上げてニヤリと嗤う。

「ん?ご褒美?」

ー何がご褒美?ー

「だって、このままいけば、フェリは候補から外れる。そうしたら───何の遠慮も無く、俺がフェリに婚約を申し込む事ができるからな。」

「───────はい!?え?リオが…私に…!?」

「そこまで驚くか?の俺は、結構分かりやすい態度だったと思うけどなぁ。グレイシーにはバレバレだったぞ?」

ーマジですか!?ー

「えっと…その…ごめんなさい?」

「謝られると、逆に居た堪れなくなるからやめてくれ。まぁ、兎に角、そんな感じで浮かれてたら、この邸でのフェリへの対応も知って──こんな所にフェリを置いておくのはできないから、どうしたものかと思ってたら…シリル殿が声を掛けてくれたんだ。」

ーえ?兄の方から?てっきり、リオが兄を丸め込…巻き込んだのかと思ってたー

「彼は…自分で色々動いているみたいで、俺が辺境伯を引き継いで当主になっている事も知ってたんだ。それで、俺と一緒に、この邸からフェリを出して欲しいって。母親─エルダイン夫人は、辺境伯の俺をすればなんとでもなるって。で、その通り、辺境伯の名で上手くいったって感じだな。本当に、シリル殿の予想通りにいったから、途中で笑いを堪えるのが大変だったけどな。」

兄が?私の為に?」

確かに、義母や妹みたいに何かされた事はなかったけど。
第一王子が私の事を何か言っても、何も言わなかった。

はどうか?とも思うけど…事だけが守る事にはならない─って事だな。」

「えっと…ちょっと…意味が分からないけど……兄には感謝しても良い─って事よね?」

さっきはお礼を言う必要はないとは言っていたけど、ここから出られる切っ掛けが兄だと言うなら、本当に感謝しかないからね。

「シリル殿が受け入れる入れないは別として、感謝はしても良いと思うよ。きっと、シリル殿は喜ぶだろう─無表情のままで。」

“無表情のままで”

それが、何となく想像できて、私とリオはクスクスと笑った。







「で、話を戻すけど。俺はフェリが好きなんだ。」

「──へ?」

「何故驚く?さっき、婚約を申し込むと言っただろう?態々隣国から来て嫌いな奴に婚約を申し込むような奴がいるか?」

「ゔっ─ごもっともです。」

リオは呆れた顔をしている。

「勿論、フェリがメルヴィルの婚約者候補である間は、フェリが不利になるような事はしない。幼馴染みの範囲を超えるつもりもない。でも─。」

リオは改めて真剣な顔をして、私と視線をしっかり合わせて

「候補から外れた後は、候補者達は王家のフォローもあって、教養も完璧だから、引く手数多なんだろう?だから、外れた後は遠慮なくいかせてもらうから。もう、俺の知らないところで他の誰かに取られたりしたら……俺もどうなるか分からないからな。」

ーどっ…どうなるの!?なんて…訊けないー

目が笑っていない。リオは、本当に私の事が…好き…らしい。
そう思ってしまうと、ポンッと顔が熱を帯びた事が分かった。きっと、顔が赤くなっているだろう。その熱を落ち着かせる為に、私は目の前にある紅茶を飲む。

「─顔を赤くしたフェリ…可愛いな。」

長い足を組み、目を少し細めた笑顔で小さい声で呟いたリオ。小さい声の筈が、バッチリ耳に届いてしまい更に顔が…体全身が熱くなる。口に含んだ紅茶を噴き出しそうになるのを、なんとか飲み込んで防いだせいで、少し涙目になっている。

ーリオって…こんな人だった?ー

と、恥ずかしさを隠すために軽く睨めば──

、どこで覚えた?」

と、何故か冷たい視線を向けられた。




もう、意味がわかりません───




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