異世界で守護竜になりました

みん

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アルマンさんとマイラさんの2人で、ベヒモスと対等と言ったところで、一進一退の状況が続いている。

ケルベロスは、キースが対峙していて、カイルスさんが私を庇いながら攻撃を加えている。私も浄化の攻撃はできる。できるけど、今日、ここに来る迄にかなりの竜力を消費してしまっていたから、攻撃をしたところでどこまで効果があるかは分からない。攻撃をして効果がなければ、更に竜力を失った私は皆の足手まといになってしまう。

ーどうすれば良い!?ー

「マシロ、今はおとなしく護られていれば良いから」
「分かりました!」

ここは素直に聞くしかない。私にはまだ、こう言う時の対処法が分からないから、慣れた人達の言う事を聞いて足手まといにならないようにするだけしかない。

ー本当に、情けない守護竜だー

落ち着いて今の状況を確認する。
穢れは浄化されていて、綻びは残ったまま。何故綻びが広がったのか?浄化の為に消費した竜力を吸収して広がった?そうして広がった綻びから2体の魔獣。きっと、偶然現れるような魔獣じゃないから、かなり前から仕組まれていたんだろう。

「王弟ダミアンか────」

まだ生きているのか?もし生きていたら、必ず報いを受けさせる。

ズンッ───と、私の背後で大きな音がして振り返ると、ベヒモスが倒れていた。流石は竜騎士。キースもケルベロスの首を二つ切り落としていた。

ーもう…大丈夫かな?ー

ふと気が緩んだ瞬間だった。

「マシロ!」
『『マシロ様!』』
「え?」

ベヒモスが、私に向かって手を振り上げていた。

「────っ!!」

カイルスさんもアルマンさんもマイラさんも焦っている。キースは──ケルベロスから視線を外してしまっている。

私の、ほんの一瞬の気の緩みのせいで皆を危険に晒してしまった。

ー目を閉じるな!逃げるな!ー

「私は守護竜だから、逃げない!」

竜力を集めて一気に放出する。

「マシロ!」
『『「マシロ様!!」』』

倒れたって構わない。ベヒモスとケルベロスを浄化して、同時に綻びを修正できれば、後はどうとでもなる。キースやカイルスさん達が無事であれば、きっと何とかしてくれるから。

放出した浄化の攻撃は、今迄よりも白くキラキラと輝いていて光の範囲が広い。竜力がごっそり抜けて行く感覚があるのに、それと同時に竜力が溢れて来る感覚もある。自分が今、どうなっているのかは分からないけど『このまま行け!』と、本能が訴えている。

『覚悟しなさい!』

更に攻撃を強めて放つと、辺り一面真っ白な光に包まれた後、一気に弾けて白い光は消えて行った。

その白い光が消えた後に残っていたのは、二つの大きな黒色の魔石だけだった。しかも、その魔石には何かが刻まれた跡がある。

『これは、帰ってから調べる必要が───ん?』

気のせいかな?その魔石を拾おうとしている自分の手が竜の手で、その上何だか大きく見える。

『私、いつの間に竜化したの?って…え?』

何故か、竜化しているアルマンさんとマイラさんと視線が同じ高さにあり、カイルスさんとキースが小さく見える───だとっ!?

『え!?一体どうなって───』

バサッ────

『あらあら、かなりの竜力が溢れ出てると思ったら……マシロ、もう成竜になっちゃったのね』
『ローゼさん!って、え?せい……りゅう??』

どうなってるの?と思っていると、上空に南の守護竜である赤竜ローゼさんと側衛のカーミンさんと2体の竜が現れた。

『何があったのかは、後で聞くとして……取り敢えず、私の離宮に行きましょうか』

とローゼさんに言われて、私達は南の離宮へと向かった。



******

“成竜”

竜人が50歳を迎える頃に、子竜から成竜に変化すると言われている。だから、20年以上先の話だと思っていた。

「50歳と言うのは平均的な年齢なのよ。正しく言うと、必要な竜力の量と強さに達すると成竜になるのよ」

成竜になるには、成竜になる為に必要な竜力の量とレベルに達しないとなれないらしく、それが、平均的に50歳頃なんだそうだ。これより早くても、40代後半。私のように20代での変化は滅多に無い事らしい。

「でも、マシロには子竜にしては纏っていた空気が異常だったから、成竜になっても不思議じゃないわね。あのユマ様の娘だしね」
「私が成竜………」
「話を聞く限りだと、竜力を一気に放出した事で、体が反応したんじゃないかしら?マシロの竜力の流れが格段に良くなってる感じもするわ。あれだけの竜力を使ったのにも関わらず、体は軽いでしょう?」
「はい。竜力をかなり放出した筈なのに、その分竜力も湧き出て来た感じで、体が軽いんです」

なんなら、今から浄化巡りに行ける余裕がある。

「成竜になったらお祝いをするのが慣例だけど、先にしなければならない事をしてからね……」

と、ローゼさんは竜王バージルさんと、魔王国に手紙を飛ばした。




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