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36 野望
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ローゼさんが手紙を飛ばした日の翌日、竜王バージルさんと魔王国のプラータ王子が、南の離宮にやって来た。
「マシロ、本当に申し訳無い。竜王陛下と共に、報告のあった場所を見てから来たんだけど、おそらく、魔王国の者の仕業だと思う。詳しく調査するようにと、魔王国と竜王国の調査員に調査をさせている」
流石は魔王国の王子と竜王陛下だ。お互いの国から数名ずつ調査員を派遣して、綻びのあった場所を調査しているとの事だった。
まだ調査中だけど、その綻びに残っていた魔法の痕跡が、魔族のモノに似ているそうだ。バージルさんとプラータも、2年程前の件のダミアンが関係しているのでは?と言う考えだった。
「本当に、あのクズは碌な事をしない……そろそろ仕上げるか……」
物騒な言葉がプラータの口から聞こえたりはしていない。うん。そうだ───いや、何となく気付いていたけど。王子ともなれば、純粋無垢なだけではやっていける筈がない。ともかく、プラータの言い方からすると、どんな状態かは分からないけど、ダミアンはまだ生かされているんだろう。
「兎に角、マシロが無事で良かった。調査は俺達に任せて、お前達はこのまま浄化巡りを続けてくれ。ただし、俺の影を付けさせてもらう」
「分かりました。ご配慮、ありがとうございます」
「それと、念の為に、魔王国から、浄化予定場所の下調べさせているから、何か異変が確認できたらマシロに報告するように言ってます」
「ありがとうございます、プラータ」
それはありがたい。もう、あんなレア級の魔獣には遭遇したくない。
「それで、マシロ、もう成竜になったそうだな?」
「あ!はい!と言うか、やっぱり竜力が足りないから子竜に逆戻り──とかは無いですよね!?」
「それは無い。お前はどんな思考回路をしているんだ?」
はははっ──と、バージルさんには大笑いされた。
「成竜の祝いは、浄化巡りが終わってからになるだろうが、取り敢えず、おめでとうマシロ。祝いを持って来たから、また後で受け取ってくれ」
「ありがとうございます、バージルさん」
それからは、バージルさんとプラータとローゼさんと一緒に食事をした後、バージルさんとプラータは西領へと向かい、私は1日遅れとなったけど、予定通りに浄化巡りを再開する事となった。
成竜になった。と言う事は─────
「マシロ様の白色は、本当に綺麗ですね……」
「白竜と言っても、違うのね」
竜化しても、子竜じゃなくて成竜だった。竜化したアルマンさんとマイラさんの視線の高さが同じ。
鱗は、いつも磨いてくれているお陰で、キラキラしてて綺麗だ。茉白の黒色とは正反対の色。
『ふふっ…………』
『マシロ様、嬉しそうですね』
『そうなの!勿論、成竜になれた事は凄く嬉しいけど、こんなにも早く私の野望が叶う日が来るとは思ってなかったの!』
『『「「野望?」」」』』
ローゼさん達が首を傾げる。
『私、成竜になって、キースとカイルスさんを背負って飛行したかったの!』
『マシロ様!!!』
「マシロ…………」
『可愛らしい野望ね』
『『…………』』
キースは感動していて、カイルスさんは何故か片手で自分の顔を覆っていて、ローゼさんには微笑まれた。アルマンさんとマイラさんは笑いを堪えている?
ーもう思いっ切り笑ってもらって良いよ?ー
自分が守護竜だと分かってから、私はライオンが、リスを咥えて走っていた姿に憧れていたから、いつかは、私もカイルスさんと側衛を背負って飛行したいと思っていた。
『嬉しいのはこの上ありませんが、カイルス様、お先にどうぞ!俺はカイルス様の後から乗せていただきます!』
隼姿のキースが、片翼を胸に当てている姿が可愛い。
「遠慮無く──」と言った後、カイルスさんが鷲になってから私の背中迄飛んで来た。
『カイルスさんが、初めての人になりましたね』
『マシロ……言い方………まぁ…良いか……』
『?』
ー何か言い方が悪かったんだろうか?ー
『はいはい、カイルスは放っておいて、そろそろ行きましょう。マシロ様が成竜になったので、遅れた分も今日中に取り戻せますよ』
アルマンさんの言う通りだ。飛行スピードが速くなる分、浄化も予定よりも早く進む事になる。
「それじゃあ、マシロ、南領の浄化、よろしくね」
『はい。では、行って来ます』
私はローゼさんに挨拶をすると、カイルスさんとキースを背負ったまま飛び立った。
*カイルス視点*
『成竜になって、キースとカイルスさんを背負って飛行する』
マシロの野望が可愛過ぎた。
『護ってもらいたい』と、竜騎士だから言われる事はよくあったが、まさか、竜騎士の俺を『背負いたかった』と言われるとは思ってもみなかった。そんな事を考えるのは、マシロだけだろう。
『──初めての人になりましたね』
あれはマシロの言い方がおかしい。無自覚だから困ったところだが、これもまた可愛いと言えば可愛い……のか?
兎に角、俺とキースを背負って飛行しているマシロは、本当に嬉しそうだ。
ジャスミーヌも白竜で、竜の姿も幾度か目にした事があるが、あの白色とマシロの白色は全く違う白色だ。マシロは透き通る様な白で、青空に溶け込んでしまうのでは?と思ってしまう程だ。
子竜とは違って、硬くなった鱗だが、心地良い温もりがあってホッとする。
ーまさか、竜騎士の俺に、護られてホッとする場所ができるとは思わなかったー
『…………』
キースが俺の後ろで、感動して泣いていたのは、マシロには秘密にしておいた。
「マシロ、本当に申し訳無い。竜王陛下と共に、報告のあった場所を見てから来たんだけど、おそらく、魔王国の者の仕業だと思う。詳しく調査するようにと、魔王国と竜王国の調査員に調査をさせている」
流石は魔王国の王子と竜王陛下だ。お互いの国から数名ずつ調査員を派遣して、綻びのあった場所を調査しているとの事だった。
まだ調査中だけど、その綻びに残っていた魔法の痕跡が、魔族のモノに似ているそうだ。バージルさんとプラータも、2年程前の件のダミアンが関係しているのでは?と言う考えだった。
「本当に、あのクズは碌な事をしない……そろそろ仕上げるか……」
物騒な言葉がプラータの口から聞こえたりはしていない。うん。そうだ───いや、何となく気付いていたけど。王子ともなれば、純粋無垢なだけではやっていける筈がない。ともかく、プラータの言い方からすると、どんな状態かは分からないけど、ダミアンはまだ生かされているんだろう。
「兎に角、マシロが無事で良かった。調査は俺達に任せて、お前達はこのまま浄化巡りを続けてくれ。ただし、俺の影を付けさせてもらう」
「分かりました。ご配慮、ありがとうございます」
「それと、念の為に、魔王国から、浄化予定場所の下調べさせているから、何か異変が確認できたらマシロに報告するように言ってます」
「ありがとうございます、プラータ」
それはありがたい。もう、あんなレア級の魔獣には遭遇したくない。
「それで、マシロ、もう成竜になったそうだな?」
「あ!はい!と言うか、やっぱり竜力が足りないから子竜に逆戻り──とかは無いですよね!?」
「それは無い。お前はどんな思考回路をしているんだ?」
はははっ──と、バージルさんには大笑いされた。
「成竜の祝いは、浄化巡りが終わってからになるだろうが、取り敢えず、おめでとうマシロ。祝いを持って来たから、また後で受け取ってくれ」
「ありがとうございます、バージルさん」
それからは、バージルさんとプラータとローゼさんと一緒に食事をした後、バージルさんとプラータは西領へと向かい、私は1日遅れとなったけど、予定通りに浄化巡りを再開する事となった。
成竜になった。と言う事は─────
「マシロ様の白色は、本当に綺麗ですね……」
「白竜と言っても、違うのね」
竜化しても、子竜じゃなくて成竜だった。竜化したアルマンさんとマイラさんの視線の高さが同じ。
鱗は、いつも磨いてくれているお陰で、キラキラしてて綺麗だ。茉白の黒色とは正反対の色。
『ふふっ…………』
『マシロ様、嬉しそうですね』
『そうなの!勿論、成竜になれた事は凄く嬉しいけど、こんなにも早く私の野望が叶う日が来るとは思ってなかったの!』
『『「「野望?」」」』』
ローゼさん達が首を傾げる。
『私、成竜になって、キースとカイルスさんを背負って飛行したかったの!』
『マシロ様!!!』
「マシロ…………」
『可愛らしい野望ね』
『『…………』』
キースは感動していて、カイルスさんは何故か片手で自分の顔を覆っていて、ローゼさんには微笑まれた。アルマンさんとマイラさんは笑いを堪えている?
ーもう思いっ切り笑ってもらって良いよ?ー
自分が守護竜だと分かってから、私はライオンが、リスを咥えて走っていた姿に憧れていたから、いつかは、私もカイルスさんと側衛を背負って飛行したいと思っていた。
『嬉しいのはこの上ありませんが、カイルス様、お先にどうぞ!俺はカイルス様の後から乗せていただきます!』
隼姿のキースが、片翼を胸に当てている姿が可愛い。
「遠慮無く──」と言った後、カイルスさんが鷲になってから私の背中迄飛んで来た。
『カイルスさんが、初めての人になりましたね』
『マシロ……言い方………まぁ…良いか……』
『?』
ー何か言い方が悪かったんだろうか?ー
『はいはい、カイルスは放っておいて、そろそろ行きましょう。マシロ様が成竜になったので、遅れた分も今日中に取り戻せますよ』
アルマンさんの言う通りだ。飛行スピードが速くなる分、浄化も予定よりも早く進む事になる。
「それじゃあ、マシロ、南領の浄化、よろしくね」
『はい。では、行って来ます』
私はローゼさんに挨拶をすると、カイルスさんとキースを背負ったまま飛び立った。
*カイルス視点*
『成竜になって、キースとカイルスさんを背負って飛行する』
マシロの野望が可愛過ぎた。
『護ってもらいたい』と、竜騎士だから言われる事はよくあったが、まさか、竜騎士の俺を『背負いたかった』と言われるとは思ってもみなかった。そんな事を考えるのは、マシロだけだろう。
『──初めての人になりましたね』
あれはマシロの言い方がおかしい。無自覚だから困ったところだが、これもまた可愛いと言えば可愛い……のか?
兎に角、俺とキースを背負って飛行しているマシロは、本当に嬉しそうだ。
ジャスミーヌも白竜で、竜の姿も幾度か目にした事があるが、あの白色とマシロの白色は全く違う白色だ。マシロは透き通る様な白で、青空に溶け込んでしまうのでは?と思ってしまう程だ。
子竜とは違って、硬くなった鱗だが、心地良い温もりがあってホッとする。
ーまさか、竜騎士の俺に、護られてホッとする場所ができるとは思わなかったー
『…………』
キースが俺の後ろで、感動して泣いていたのは、マシロには秘密にしておいた。
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