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❋ループ編❋
10 婚約解消へ
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フルールに連れられてやって来たカフェは人気があるようで、順番待ちをする事にはなったけど、ジョナス様も嫌がる事もなく3人で並び、20分程して店内に入る事ができた。
店内には女性が多いが、恋人か婚約者と来ているカップルも何組か居た。
「ここはチーズケーキが有名なんだけど、フレーバーティーの種類も豊富で、結構美味しいらしいの!」
「それじゃあ、チーズケーキは頼むとして…本当にフレーバーティーは種類が多いのね…悩むなぁ…」
チーズケーキなら、男のジョナス様でも食べられそうだから、フルールはこのお店を選んだのかもしれない。本当に、この2人は前回でも今世でも仲が良くて羨ましい限りだ。
何味にしようか──と悩んでいると、あるカップルが店内に入って来た。そのカップルは、店内の2階にある個室を予約していたようで、店員と少し言葉を交わした後、2階へと続く階段のある方へと進んで行った。
「───え?」
肩まである金髪の男性が、長い金髪をハーフアップにしている女性をエスコートして店内を進んで行く。その2人は……私達と同じ学園の制服を着ている。その2人が、私達3人に気付く事はない。ただ、その2人から少し離れた位置に居た彼は、私達に気付いたようで、少し焦ったように目をキョロキョロとさせている。
「エヴェリーナ…違うお店に行く?それとも…また日を改めて──」
「フルール、気にしないで。私、もうチーズケーキを食べる気満々だから、食べずに帰るなんて無理だわ。」
「くくっ──エヴェリーナがそう言うなら、しっかり食べよう。ここは、俺が奢ってあげるから。」
「ジョナス様、素直に奢られますね。ありがとうございます。」
2階へと去って行った2人とは──ハロルド様とジュリエンヌ様だ。いつから予約をしていたのか…きっと、今日ではないだろう。勿論、その約束に私は誘われてはいない。
ー結局は……前回と同じなのかー
どれだけハロルド様との仲を深めても、結局はジュリエンヌ様に惹かれてしまうのか。それが、“正しい路”だから?二度も同じ痛みを味わうとは──。
ー私が…馬鹿だったー
もう、これからは望んだりなんてしない。
また、あの笑顔を向けて欲しいなんて願わない。
また胸は痛んだけど、美味しいチーズケーキとフレーバーティーと、優しいフルールとジョナス様のお陰で、気持ちは落ち着いたままで居る事ができた。
******
「リーナ、一体どう言う事なんだ!?」
「……殿下、ここは図書室ですから…。」
「──っ!なら、図書室から出て話を─」
「申し訳ありません。殿下とは、2人きりにならないようにと……国王陛下から言われていますので、話があるならここで…お願いします。」
「なっ……んで……………」
前回の私は、ハロルド様がまた私の元に戻って来てくれるかもしれない─と、婚約に関してズルズルとそのまま放置していたけど、その結果を知っているから、今回の私は直ぐに動いた。
ジュリエンヌ様がやって来てから半年。前回では、この辺りからハロルド様とジュリエンヌ様の距離は更に近付き、ハロルド様と私の距離が更に離れていったのだ。これで、また濡れ衣を着せられたらたまらない。だから、私は“ハロルド様には未練は無い”“ジュリエンヌ様に嫉妬などしていない”“婚約解消しても構わない”─と言う意思表示の為に、直ぐに父と国王陛下に、ハロルド様とジュリエンヌ様の事を話した。
「何故──ですか?それは、殿下ご自身がよく分かっているのでは?それとも、私が何も知らないとでも?」
「リーナ………」
くしゃりと顔を歪ませて口を噤むハロルド様。この人は、本当に、私が何も知らないと思っていたのだろうか?あれだけ、婚約者の私との時間を無くして、ジュリエンヌ様と2人きりで会っておいて、何も知らないと?気付いていないと?
「お2人の事は、トルトニアとトワイアルを結ぶと言う、国にとっては喜ばしい事ですから、どうぞ、私の事など………これからも気になさらないで下さい。」
「リーナ!」
「それでは、私はこれで失礼致します。」
「リーナ、待って!」
「ハロルド様!」
カタンと席を立ち、私はハロルド様に背を向けた。その私の背後で、ハロルド様の行動を止めるような声がした。おそらく、国王陛下がハロルド様に付けた者だろう。国王両陛下は、ハロルド様と私の婚約は本当に喜んでくれた。だから、私が婚約解消の話をした時は、親としては残念な事だ─と言ってくれた。国にとっては、トワイアル王国の王女で黒龍の巫女との婚姻は、これ以上ない相手だ。直ぐには解消─とはならないかもしれないけど、これで、ジュリエンヌ様次第で、いつでもすぐに解消して2人の婚約も調うだろう。そうすれば───
私は、今回、あの竜の贄にならなくて済むかもしれない。どうか、これが“正しい路”に繋がってますように──。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
*(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ✩‧₊˚
店内には女性が多いが、恋人か婚約者と来ているカップルも何組か居た。
「ここはチーズケーキが有名なんだけど、フレーバーティーの種類も豊富で、結構美味しいらしいの!」
「それじゃあ、チーズケーキは頼むとして…本当にフレーバーティーは種類が多いのね…悩むなぁ…」
チーズケーキなら、男のジョナス様でも食べられそうだから、フルールはこのお店を選んだのかもしれない。本当に、この2人は前回でも今世でも仲が良くて羨ましい限りだ。
何味にしようか──と悩んでいると、あるカップルが店内に入って来た。そのカップルは、店内の2階にある個室を予約していたようで、店員と少し言葉を交わした後、2階へと続く階段のある方へと進んで行った。
「───え?」
肩まである金髪の男性が、長い金髪をハーフアップにしている女性をエスコートして店内を進んで行く。その2人は……私達と同じ学園の制服を着ている。その2人が、私達3人に気付く事はない。ただ、その2人から少し離れた位置に居た彼は、私達に気付いたようで、少し焦ったように目をキョロキョロとさせている。
「エヴェリーナ…違うお店に行く?それとも…また日を改めて──」
「フルール、気にしないで。私、もうチーズケーキを食べる気満々だから、食べずに帰るなんて無理だわ。」
「くくっ──エヴェリーナがそう言うなら、しっかり食べよう。ここは、俺が奢ってあげるから。」
「ジョナス様、素直に奢られますね。ありがとうございます。」
2階へと去って行った2人とは──ハロルド様とジュリエンヌ様だ。いつから予約をしていたのか…きっと、今日ではないだろう。勿論、その約束に私は誘われてはいない。
ー結局は……前回と同じなのかー
どれだけハロルド様との仲を深めても、結局はジュリエンヌ様に惹かれてしまうのか。それが、“正しい路”だから?二度も同じ痛みを味わうとは──。
ー私が…馬鹿だったー
もう、これからは望んだりなんてしない。
また、あの笑顔を向けて欲しいなんて願わない。
また胸は痛んだけど、美味しいチーズケーキとフレーバーティーと、優しいフルールとジョナス様のお陰で、気持ちは落ち着いたままで居る事ができた。
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「リーナ、一体どう言う事なんだ!?」
「……殿下、ここは図書室ですから…。」
「──っ!なら、図書室から出て話を─」
「申し訳ありません。殿下とは、2人きりにならないようにと……国王陛下から言われていますので、話があるならここで…お願いします。」
「なっ……んで……………」
前回の私は、ハロルド様がまた私の元に戻って来てくれるかもしれない─と、婚約に関してズルズルとそのまま放置していたけど、その結果を知っているから、今回の私は直ぐに動いた。
ジュリエンヌ様がやって来てから半年。前回では、この辺りからハロルド様とジュリエンヌ様の距離は更に近付き、ハロルド様と私の距離が更に離れていったのだ。これで、また濡れ衣を着せられたらたまらない。だから、私は“ハロルド様には未練は無い”“ジュリエンヌ様に嫉妬などしていない”“婚約解消しても構わない”─と言う意思表示の為に、直ぐに父と国王陛下に、ハロルド様とジュリエンヌ様の事を話した。
「何故──ですか?それは、殿下ご自身がよく分かっているのでは?それとも、私が何も知らないとでも?」
「リーナ………」
くしゃりと顔を歪ませて口を噤むハロルド様。この人は、本当に、私が何も知らないと思っていたのだろうか?あれだけ、婚約者の私との時間を無くして、ジュリエンヌ様と2人きりで会っておいて、何も知らないと?気付いていないと?
「お2人の事は、トルトニアとトワイアルを結ぶと言う、国にとっては喜ばしい事ですから、どうぞ、私の事など………これからも気になさらないで下さい。」
「リーナ!」
「それでは、私はこれで失礼致します。」
「リーナ、待って!」
「ハロルド様!」
カタンと席を立ち、私はハロルド様に背を向けた。その私の背後で、ハロルド様の行動を止めるような声がした。おそらく、国王陛下がハロルド様に付けた者だろう。国王両陛下は、ハロルド様と私の婚約は本当に喜んでくれた。だから、私が婚約解消の話をした時は、親としては残念な事だ─と言ってくれた。国にとっては、トワイアル王国の王女で黒龍の巫女との婚姻は、これ以上ない相手だ。直ぐには解消─とはならないかもしれないけど、これで、ジュリエンヌ様次第で、いつでもすぐに解消して2人の婚約も調うだろう。そうすれば───
私は、今回、あの竜の贄にならなくて済むかもしれない。どうか、これが“正しい路”に繋がってますように──。
❋エールを頂き、ありがとうございます❋
*(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ✩‧₊˚
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