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35 邪魔をするなら
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*メグ=ツクモ*
『私が一緒に居てあげるわ』
そう言って、私に手を差し伸べてくれたのは結星だった。その時の、差し伸べられた手の温もりは今でもハッキリと覚えている。
それからは、いつも結星が側に居てくれて、いつも私の事を気遣ってくれていたと思っていたけど、それは少し違っていたようだ─と、この世界に来てから分かった。結星は、私の事を見下していたのだと。
でも、あの時─独りぼっちだった私に寄り添ってくれたのも事実で、優しかったのも事実で……見下されていたと分かった今でも、どうしても結星を嫌いにはなれなかった。私の召還に巻き込まれてしまって、この世界に来てしまったから、これから仲良くなれればと思っていたけど……アラール様の結星への対応を見る限り、結星は変わっていないと言う事が分かる。
今回も、一緒にシーフォールスにやって来たけど、結星とは殆ど会話を交わす事もしていないし、今もどこで何をしているのかさえ分からない。
『シーフォールスで問題さえ起こさなければ良いが…』
と、アラール様は呟いていた。
「………」
私はまだ、この世界に来てから2年程しか経っていないけど、この世界の事が好きだ。とても、居心地が良い。ようやく、本当の居場所に還って来れたと言う感じなのかもしれない。日本に居た頃は、毎日が苦痛で息をするのもやっとだった。だから、私はこの世界─ユーグレイシアを綺麗な国にして、皆を幸せにできると言うなら、聖女として頑張ろうと思っている。だから、もし結星が、それを邪魔をすると言うのなら、私は───
「アラール様、問題が起きました」
「……問題?」
今日も、シーフォールスの聖女の文献や調べ物をする為に、王都にある図書館に来ている。王子に付き合ってもらっているのが申し訳無いと思っているけど『私も色々勉強になるから』と、アラール様は嫌な顔をする事もなく笑ってくれた。
いつも、私に付いてくれていたリュシエンヌは、今日はヴェルティル様と一緒に街へと出掛けて行った。
ー本当に、ヴェルティル様の事は驚いたけど…ー
「────は?」
今、アラール様と話をしているのは、ユラに付けている人だった筈。もしかして、ユラがまた何かをしたのだろうか?
「メグ、すまないが、今日はここで切り上げて、先にホテルに戻ってくれるか?」
「あの…何かあったんですか?ひょっとして、ユラがまた……」
「……隠していてもしょうがないか…そうだ、ユラがやらかした。それも、私では処理し切れないかもしれないから、今直ぐに動かなければいけないんだ」
第二王子でも処理し切れない─
「……私も行きます」
「メグ──」
「私も、もう黙ったままではいられませんから」
「分かった。それじゃあ、取り敢えず急ごう。案内を頼む」
「承知しました」
そうして、私達3人は急いで図書館を後にした。
******
急いでやって来たのは、図書館から少し離れた所にある森だった。王都の中心から外れた場所にあるせいか、辺りはとても静かだ。そして、空気がとても澄んでいて気持ちが良い。何となくだけど、聖女が定期的に浄化をしているのだろう─と思う。ならば、きっと、この森には何か大切なモノがある、居ると言う事なのかもしれない。
「………まさか…この森で…ユラが?」
「周りと遮断する結界を張っているから、今はまだ大丈夫だろうけど…それも時間の問題だな」
「ユラは、一体何をしたんですか?」
ユラは、この森に掛けられた魔法を、持っていた無効化の魔道具を発動させて解除してしまっていた。取り敢えず、今は、その無効化が届かない範囲の所で周りと遮断する結界を張っているそうだけど、その範囲が余りにも広いそうで、その分魔力が多く必要とされる為、長時間張る事ができない。
「王都にある森に掛けられていたのなら、それは王に関わる何かがあるからだろう。その魔法を無効化にした事がバレると、国レベルの問題になる。その前に何とかして魔道具を止めないといけない。ただ、森に入れば魔法は使えなくなる。だから、メグはここで─」
「私も一緒に行きます。私も、少しは身を護る為の訓練を受けてますから……足手まといにならないように頑張りますから!」
「…分かった。私と彼から離れないように…」
「はい!」
そうして、私達3人は森の中へと入って行った。
その森の中は、更に空気が澄んで光で溢れていた。
ー綺麗な森なのに、何故目くらましのような魔法が掛けられていたんだろう?ー
ここまで綺麗な森なら、魔獣が現れる事はない。他に気を付けるとしたら、普通の大型の動物か、悪さをする人間だ。
「─────っ!!」
「────────!」
「声が聞こえるな…あっちか?」
「そうですね。男の人と女の人の声も───」
「───!やめて────っ!」
「ユラ!?」
「ユラに何かあったのか!?急ごう!」
「はい!」
私達3人は、ユラの声がした方へと走り出した。
そして、走った先で目にしたのは──
「アラスター!?」
「ユラ!!」
ヴェルティル様が、ユラの首元に短剣を突きつけているところだった。
『私が一緒に居てあげるわ』
そう言って、私に手を差し伸べてくれたのは結星だった。その時の、差し伸べられた手の温もりは今でもハッキリと覚えている。
それからは、いつも結星が側に居てくれて、いつも私の事を気遣ってくれていたと思っていたけど、それは少し違っていたようだ─と、この世界に来てから分かった。結星は、私の事を見下していたのだと。
でも、あの時─独りぼっちだった私に寄り添ってくれたのも事実で、優しかったのも事実で……見下されていたと分かった今でも、どうしても結星を嫌いにはなれなかった。私の召還に巻き込まれてしまって、この世界に来てしまったから、これから仲良くなれればと思っていたけど……アラール様の結星への対応を見る限り、結星は変わっていないと言う事が分かる。
今回も、一緒にシーフォールスにやって来たけど、結星とは殆ど会話を交わす事もしていないし、今もどこで何をしているのかさえ分からない。
『シーフォールスで問題さえ起こさなければ良いが…』
と、アラール様は呟いていた。
「………」
私はまだ、この世界に来てから2年程しか経っていないけど、この世界の事が好きだ。とても、居心地が良い。ようやく、本当の居場所に還って来れたと言う感じなのかもしれない。日本に居た頃は、毎日が苦痛で息をするのもやっとだった。だから、私はこの世界─ユーグレイシアを綺麗な国にして、皆を幸せにできると言うなら、聖女として頑張ろうと思っている。だから、もし結星が、それを邪魔をすると言うのなら、私は───
「アラール様、問題が起きました」
「……問題?」
今日も、シーフォールスの聖女の文献や調べ物をする為に、王都にある図書館に来ている。王子に付き合ってもらっているのが申し訳無いと思っているけど『私も色々勉強になるから』と、アラール様は嫌な顔をする事もなく笑ってくれた。
いつも、私に付いてくれていたリュシエンヌは、今日はヴェルティル様と一緒に街へと出掛けて行った。
ー本当に、ヴェルティル様の事は驚いたけど…ー
「────は?」
今、アラール様と話をしているのは、ユラに付けている人だった筈。もしかして、ユラがまた何かをしたのだろうか?
「メグ、すまないが、今日はここで切り上げて、先にホテルに戻ってくれるか?」
「あの…何かあったんですか?ひょっとして、ユラがまた……」
「……隠していてもしょうがないか…そうだ、ユラがやらかした。それも、私では処理し切れないかもしれないから、今直ぐに動かなければいけないんだ」
第二王子でも処理し切れない─
「……私も行きます」
「メグ──」
「私も、もう黙ったままではいられませんから」
「分かった。それじゃあ、取り敢えず急ごう。案内を頼む」
「承知しました」
そうして、私達3人は急いで図書館を後にした。
******
急いでやって来たのは、図書館から少し離れた所にある森だった。王都の中心から外れた場所にあるせいか、辺りはとても静かだ。そして、空気がとても澄んでいて気持ちが良い。何となくだけど、聖女が定期的に浄化をしているのだろう─と思う。ならば、きっと、この森には何か大切なモノがある、居ると言う事なのかもしれない。
「………まさか…この森で…ユラが?」
「周りと遮断する結界を張っているから、今はまだ大丈夫だろうけど…それも時間の問題だな」
「ユラは、一体何をしたんですか?」
ユラは、この森に掛けられた魔法を、持っていた無効化の魔道具を発動させて解除してしまっていた。取り敢えず、今は、その無効化が届かない範囲の所で周りと遮断する結界を張っているそうだけど、その範囲が余りにも広いそうで、その分魔力が多く必要とされる為、長時間張る事ができない。
「王都にある森に掛けられていたのなら、それは王に関わる何かがあるからだろう。その魔法を無効化にした事がバレると、国レベルの問題になる。その前に何とかして魔道具を止めないといけない。ただ、森に入れば魔法は使えなくなる。だから、メグはここで─」
「私も一緒に行きます。私も、少しは身を護る為の訓練を受けてますから……足手まといにならないように頑張りますから!」
「…分かった。私と彼から離れないように…」
「はい!」
そうして、私達3人は森の中へと入って行った。
その森の中は、更に空気が澄んで光で溢れていた。
ー綺麗な森なのに、何故目くらましのような魔法が掛けられていたんだろう?ー
ここまで綺麗な森なら、魔獣が現れる事はない。他に気を付けるとしたら、普通の大型の動物か、悪さをする人間だ。
「─────っ!!」
「────────!」
「声が聞こえるな…あっちか?」
「そうですね。男の人と女の人の声も───」
「───!やめて────っ!」
「ユラ!?」
「ユラに何かあったのか!?急ごう!」
「はい!」
私達3人は、ユラの声がした方へと走り出した。
そして、走った先で目にしたのは──
「アラスター!?」
「ユラ!!」
ヴェルティル様が、ユラの首元に短剣を突きつけているところだった。
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