脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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ひさびさの街

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ダンジョンの出口での交渉を終えたリディアは、秘密基地に戻ってひと息ついていた。「これで街へ行っても追い回される心配はないね」ベッドの上でメリーちゃんのふわふわな毛を撫でながら、リディアはほっと息をついた。

「秘密基地をもっと充実させたいのよね」そう呟きながら部屋を見回す。今でも十分かわいらしい空間だが、もっとお菓子やおもちゃ、そしてメリーちゃんのための特別なグッズがあれば、さらに楽しくなるはずだ。

それに、街でアラニスとあんな形で別れてしまったし。顔をみせないと。

「あの時、私、ひどい態度取っちゃったよね…」
リディアはベッドの上でメリーちゃんを抱きしめながらぽつりと呟いた。頭の中には、優しい笑顔で手を伸ばしてくれたアラニスの姿が浮かぶ。

「ちゃんと話して謝らなきゃ。それに、またあのキャンディも食べたいし」
そう決意を固めたリディアは、メリーちゃんを肩に乗せ、久しぶりに街へ向かうことにした。

街の門を抜け、いつもの広場にたどり着いたリディア。人混みをかき分けながら目指したのは、アラニスの露店だった。
そこにはやっぱり、甘い香りとともに彼女の柔らかな笑顔があった。

「アラニス…ただいま」
控えめに声をかけると、アラニスは少し驚いた様子でリディアを見つめた。けれど次の瞬間には、いつもの優しい笑顔を浮かべて言った。

「リディア。おかえりなさい」

リディアは胸がぎゅっと締めつけられる思いがした。「あの時はごめんね。私、すごく怖くて…自分でもよくわからないまま逃げちゃった」

アラニスはふっと笑い、リディアの手を取った。「いいのよ、リディア。怖かったのね。でも、こうして戻ってきてくれて嬉しいわ」

その言葉にリディアの胸がじんと熱くなった。「ありがとう、アラニス。私、もう大丈夫。ちゃんと騎士団とも話をつけたし、自由に生きられるようになったから」

アラニスの目が少し驚いたように見開かれる。「それなら安心ね。本当に頑張ったのね、リディア」

リディアは肩のメリーちゃんを撫でながら、笑みを浮かべた。
「これからは、秘密基地にもっとお菓子とかおもちゃとか、楽しいものをいっぱい集めるつもりなの。それで、アラニスのお菓子もどうしても置きたくて」

アラニスは小さく吹き出した。「秘密基地ね。リディアらしいわ。でも、私のお菓子がそんな大事な場所に置かれるなんて光栄だわ」

リディアが嬉しそうに目を輝かせると、アラニスはバスケットから色とりどりのキャンディを取り出し、「これ、再会のお祝いにどうぞ」と手渡した。

「ありがとう!やっぱりアラニスのキャンディは最高ね」リディアはそれを大切そうに抱えながら、再び笑顔を取り戻していた。

アラニスとの再会を果たしたリディアは、心の中に温かな安らぎを感じながら、街での買い物を再開した。
秘密基地がさらに楽しい場所になるのは、もうすぐだ。
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