脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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びばのんのん

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溶岩フロアに設置された噴水が、魔法の水差しの力でピカピカに変化し、湯船にもシャワーも備わったことで、リディアの「夢のようなお風呂エリア」がついに完成した。

岩肌のごつごつした床に対して、噴水の白い石材が新しく蘇り、そのコントラストが何とも幻想的。涼しげな水音は、火山の熱気と相まって心地よい湯気を立ち上らせている。

リディアは早速、タフィーちゃんとメリーちゃんを連れて、その場で服を着替えると、星型の浴槽に浸かってみることにした。ジャバッとお湯に身を沈めると、程よい温度が全身を包みこみ、ふわりとした湯気が肌を撫でていく。

「はぁぁ…最高だね…!」
思わずため息が漏れるリディア。溶岩フロアの熱を利用しているからか、お湯はじんわりとした温かさをキープしてくれる。シャワーヘッドからはちょうどいい勢いの湯がシャワーのように流れ落ち、頭や肩に心地よい刺激を与えてくれた。

メリーちゃんは、少し離れたところでチョコンと座りながら、リディアの嬉しそうな姿を見守っている。「メェ!」とひと声鳴き、まるで「よかったね!」と言っているようだ。タフィーちゃんは、湯船の縁でとろりと揺れながら、甘い香りのチョコボディを少しだけ伸ばし、ぽたりぽたりと湯滴を落としている。服を脱いで入浴する…という概念があるかは謎だけれど、どうやらこの空間を楽しんでいる様子だ。

「こんなにいいお湯、メリーちゃんたちにも入ってほしいなぁ。あ、でもタフィーちゃん、溶けちゃわないよね…?」
リディアはふと不安を覚えたが、タフィーちゃんは得意げにぷるぷる揺れて、「大丈夫だよ!」と言わんばかりに小さく跳ねてみせる。

「そっか、よかった! 一緒にお風呂入れるなんて…なんだか楽しいね!」
湯船の横に浮かべたアヒルの人形が、ちょこんと揺れるのを見て、リディアはくすくす笑う。シャワーヘッドから落ちるお湯の音がBGMになり、まるでリゾートに来たような気分になった。

「うーん、お風呂があるってほんと最高……。火山の熱と魔法の噴水と水差しのおかげで、いつでも温泉気分が味わえるじゃない!」
伸びをしながら、リディアはゆっくりと湯に背中を預ける。体がほぐれていくうちに、思わず目を閉じてしまいそうなほどリラックスした気分になった。

何度か「メェ?」とメリーちゃんに呼びかけられるたび、リディアは「うん、もうちょっとだけ…」と返事をする。タフィーちゃんもぷるぷると近づき、湯船の縁を覗きこんでいる。リディアは軽く笑って、「タフィーちゃんも入る?」と湯面を軽くたたく仕草をしてみた。

タフィーちゃんは「ぷるる」と体を揺らしたあと、一部がとろりと湯船に入りかけた。ビクビク様子を伺うように体を少し沈め、温度を確かめているみたいだ。すると、程よい温かさに満足したのか、そのままゆっくりと湯船の中へ溶け込みそうな勢いで入り込んでみる。

「あはは、大丈夫かな?溶けちゃわないでね!」
そう心配半分、面白半分で見守るリディアだったが、タフィーちゃんの表面はほとんど変化せずに、ぐにょんぐにょんと動きをつけながらチョコレート色の体で浮き沈みしていた。感触を楽しんでいるのかもしれない。

こうして、メリーちゃんとタフィーちゃんの見守る中、リディアは溶岩フロアに誕生したフル装備のお風呂を心ゆくまで堪能した。シャワーで頭を洗い、湯船にゆったり浸かり、最後にはかわいいアヒルと戯れながら、ふわふわの湯気に包まれて幸せに浸る。

「うん、これで本当にお風呂ライフは完璧! また明日も入りたくなっちゃうね!」
湯上がりにメリーちゃんが用意してくれたタオルで身体を拭いて、リディアは満足げな笑みを浮かべた。火山の熱と魔法の噴水、そして水差しが生み出す優雅なお風呂スペースは、秘密基地での新しい日常の一部となり、いつも疲れを癒やしてくれる場所になりそうだ。
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