脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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買い出し中の熊騎士

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街中をのんびり散歩していたリディアたち。ぽかぽかと暖かい日差しの中、石畳の道を歩きながら、時折露店を覗いたり、甘い香りに誘われてパン屋の前で足を止めたりしていた。

「今日は本当に平和だね、メリーちゃん、タフィーちゃん。」
リディアが微笑みながらふわふわのメリーちゃんを撫でると、メリーちゃんは「メェ!」と鳴き、タフィーちゃんも「ぷるぷるん!」と弾んで同意していた。

そんな穏やかなひとときの中、リディアたちはふと大きな影に気づいた。目を上げると、そこにいたのは熊騎士、ハーゲンだった。

「やあ、リディアじゃないか!」
豪快な声が響き渡り、通行人が思わず振り返る。ハーゲンは大きな袋を片手に抱えながら、笑顔を浮かべて近づいてきた。

「ハーゲンさん! 久しぶりだね!」
リディアが明るく声をかけると、ハーゲンはごつい手で頭を掻きながら、照れたように笑った。

「ちょうど今、近くの酒場で騎士団の連中と宴会をやってるんだ。よかったらお前さんたちも来ないか?」
そう言いながら、ハーゲンは袋を軽く持ち上げた。

「宴会?」
リディアは目を輝かせて尋ねた。「面白そう! でもその袋、何が入ってるの?」

ハーゲンはため息交じりに答えた。「ああ、これか。実はな……騎士団の奴らが酒場の酒を全部飲み尽くしてしまってな。俺が買い出しに駆り出されたんだ。」

リディアは思わず吹き出した。「ふふっ、それはすごいね! 騎士団のみんな、そんなに飲むんだ!」

「豪快に飲むだけじゃなくて、ついでに騒ぐし、歌うし……まあ楽しい連中だが、酒場の店主は気が気じゃないだろうな。」
ハーゲンは苦笑いを浮かべながら言った。

「でも、お前さんたちが来たら、きっとみんな喜ぶぞ。どうだ、顔を出していかないか?」
ハーゲンの誘いに、リディアは少し考え込んだ。騎士団の宴会と聞くと、少し賑やかすぎる気もするけれど、どんな雰囲気なのか見てみたい気持ちもある。

「……うん、せっかくだから行ってみるよ!」
リディアの言葉に、メリーちゃんが「メェ!」と鳴き、タフィーちゃんも跳ねながら賛成の意思を示した。

「いいぞ! なら、一緒に行こう。」
ハーゲンは嬉しそうに頷き、リディアたちを引き連れて酒場へと向かった。

酒場の入り口からは、騎士たちの陽気な歌声と賑やかな笑い声が漏れ聞こえてきた。中に入ると、そこにはテーブルを囲んで大笑いしながら杯を交わす騎士たちの姿があった。見慣れた美形騎士セリルの姿もあり、彼はリディアたちを見つけると、ほっとした表情で手を振った。

「リディア、来てくれたんですか! 」

セリルの声に、騎士たちが一斉に振り返り、歓迎の声を上げた。その温かい雰囲気に、リディアは胸が高鳴った。

「賑やかな夜になりそうだね!」
そう言ってリディアは酒場の中へと足を踏み入れた――。

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