脱走聖女は異世界で羽をのばす

ねむたん

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リディアたちは光の迷路に足を踏み入れた。周囲を取り囲む壁は、大理石のような質感を持ちながらも、ところどころ透けていて、その先の景色をうっすらと見せている。ただし、それが迷路を解くヒントになるかはまったく分からない。

「これ、ただ歩いていればいいってわけじゃなさそうだね……」
リディアは壁の輝きを見つめながらつぶやいた。

「迷路には必ず罠があるものだ。君の直感が頼りになるな、リディア。」
エリュディオンは軽く肩をすくめ、壁に触れて光を観察している。その横顔には余裕すら感じられたが、タフィーちゃんはぷるぷると不安げに跳ねていた。

「大丈夫だよ、タフィーちゃん。きっとなんとかなる!」
リディアが笑顔で励ますと、タフィーちゃんも小さく「ぷるん!」と鳴いて頷く。メリーちゃんは「メェ!」と自信満々な声を上げ、さっそく道の先を探り始めた。

リディアたちが進むと、光の壁の一部がぼんやりと浮かび上がり、突然、地面がゆっくりと沈み始めた。

「リディア! 足元に気をつけろ!」
エリュディオンが声を上げるも、リディアは一瞬の判断でメリーちゃんを引っ張り、地面の沈下から逃れた。

「うわっ! これ、本当に罠だらけだね!」
リディアは息をつきながら後ろを振り返る。タフィーちゃんはぷるぷる体で跳ねながらギリギリのタイミングで罠を回避していた。

「全員無事っと。ま、これくらいなら楽しめる範囲だ。」
エリュディオンは余裕たっぷりに微笑みながら、足元をよく見ろと言わんばかりに杖で軽く床を叩いた。その音が広がるたびに、壁の光が揺れるように反応している。

「もしかして、音がヒントになるのかな?」
リディアが耳を澄ませると、確かに杖の音が壁の奥に響き、どこかに導かれているような感覚があった。

「おっ、さすが直感の塊だな。そっちに進んでみるか?」
エリュディオンが軽く顎をしゃくり、リディアに進むべき方向を促した。

「みんな、行こう!」
リディアは慎重に足を進めながら、壁に手を触れて確かめていく。迷路の光がやがて青白く脈打ち始め、行く手には一つの宝石のような光が浮かんでいた。

「これ、拾ってもいいのかな?」
リディアがその光に手を伸ばすと、宝石が柔らかく輝き、ぽん、と音を立てて空中に浮かび上がった。それと同時に迷路の壁が一部崩れ、新たな道が開かれた。

「なるほどね。こうやって進むんだ!」
リディアは宝石を手に笑顔を浮かべた。

「やっとコツがわかったか。さぁ、次のステージに進むぞ。」
エリュディオンは興味深げに周囲を見渡しながら、リディアたちの後ろをついていった。

その後もリディアたちはいくつかの罠を乗り越え、宝石を手にしながら迷路の深部へ進んでいった。エリュディオンの助言やタフィーちゃんの甘い香りによる魔物の誘導、そしてメリーちゃんの鋭い嗅覚が見事に噛み合い、次々と試練をクリアしていく。

そしてついに迷路の最後の扉が現れた。大きな光の扉の前で、リディアは手にした宝石をそっとはめ込む。

「これで終わりかな……?」
リディアが扉を押すと、柔らかな光が彼女たちを包み込み、足元の模様がゆっくりと輝きを失っていく。

光が収まると、そこには広大な空間とともに新しい彫刻が立っていた。その彫刻の台座には、美しい虹色に輝く宝石が飾られている。

「これが、この試練の報酬?」
リディアは目を輝かせながら宝石に近づき、慎重に手を伸ばした。

「リディア、油断するなよ。また罠が隠れてるかもしれないからな。」
エリュディオンが軽く警告を飛ばすが、リディアは勇気を出して宝石を手に取る。

宝石を手にした瞬間、光が溢れ、部屋全体が暖かな輝きに包まれた。空中には美しい模様が浮かび上がり、それが次第にリディアの魔法の地図に吸い込まれていく。

「やったね! 新しい冒険の道しるべが増えたみたい!」
リディアは大興奮しながら宝石を大事に抱え、仲間たちに笑顔を向けた。

「はは、まったく。君を見てると飽きないな。」
エリュディオンが少し呆れたように笑いながら、杖を肩にかけた。

こうしてリディアたちは、新たな宝を手に入れ、空中庭園へと帰る準備を始めた。次の冒険への期待を胸に抱きながら――。

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