大好きな学園の王子様のあとをつけていたら、捕獲されてしまいました。

ねむたん

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楽しいダブルデート

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紫藤様からの提案で実現した遊園地でのダブルデート。日下部様と私、そして紫藤様とたけるくん――四人でのお出かけは、私にとって初めての経験で、朝から緊張しっぱなしでした。
めずらしく動きやすさを重視したファッションの日下部様の新鮮なお姿に、ますます動揺してしまいます。

「夢見様、そんなに硬くならないで。今日はみんなで楽しむための日なのですから。」

紫藤様が柔らかく微笑み、隣で気楽そうなたけるくんが大きく伸びをしました。

「そうだぞ、ひな。こういうときは思いっきり楽しむのが一番だって。」

最初に向かったのは、お化け屋敷。私はあまり得意ではありませんが、紫藤様が「たまにはスリルも楽しみましょう」と誘ってくださり、頑張ることにしました。

薄暗い通路に一歩足を踏み入れると、すぐに背後からたけるくんが声をかけてきます。

「ひな、大丈夫か?こわいんじゃないのか?」

「だ、大丈夫です!」

強がってみたものの、近くから突然「うわあ!」と飛び出してきた仕掛けに、思わず声を上げてしまいました。その瞬間、日下部様が静かに私の手を取ります。

「大丈夫、僕がいるから。」

優しく落ち着いた声に、私は少しだけ安心しましたが、隣でたけるくんがまた茶化します。

「おーお、王子様だなあ。ひなもお姫様扱いでうらやましいよ。」

「たけるくん……!」

恥ずかしさで顔が赤くなる私を見ながら、日下部様が軽く咳払いしました。その少し鋭い視線に、たけるくんは「はいはい、邪魔しませんよ」と肩をすくめました。


次に向かったのは、遊園地の目玉であるジェットコースター。高さとスピードにおいて絶叫必至のアトラクションです。

「夢見様、これは一緒に乗りましょうね。」

紫藤様が満面の笑みで私を誘います。一方で、たけるくんと日下部様もペアになり、私たちは隣同士の席に分かれました。

乗り込んだ瞬間から、怖さと期待で手に汗がにじみます。

「夢見様、楽しみですわね!」
「は、はい……たぶん……!」

緊張して答えた次の瞬間、急降下――。風を切るスピードに思わず叫び声を上げた私とは対照的に、後ろのたけるくんの声が響きます。

「うおおお!すげえなこれ!王子様、余裕か?」

「……まあ、悪くないね。」

どこか落ち着いた調子で答える日下部様に、たけるくんが「さっすが!」と笑い声を上げました。その余裕ぶりが、やっぱり日下部様らしくて素敵だと感じてしまいます。

スリルを楽しんだ後は、みんなで休憩を取ることに。売店でそれぞれ好きなソフトクリームを買いました。

「夢見さん、ミルク味が好きなんだね。」

日下部様が優しく微笑みながら、自分のストロベリー味を見せます。

「ミルクとストロベリー、合いそうですね……。」

私がそう呟くと、彼は「じゃあ一口交換する?」と言ってストロベリーのソフトクリームを差し出しました。驚いていると、横でたけるくんが茶化します。

「お、ひな、まさか間接キスか?」

「た、たけるくん!」

私が慌てる隣で、日下部様は微笑んで、静かに言いました。

「たけるくん、それくらいにしておこうか。」

その低い声には、少しだけ拗ねたような響きがあって――私はまたもや顔を赤くするしかありませんでした。


最後に向かったのは観覧車。偶然というにはあまりにも自然な流れで、日下部様と私、紫藤様とたけるくんに分かれることに。

ゴンドラの中、二人きりになった瞬間、胸が高鳴る音が聞こえそうでした。日下部様は窓の外を眺めながら、柔らかな声で話しかけてくれます。

「今日は本当に楽しかったね。夢見さんと一緒にいられると、すごく幸せだよ。」

「私も……ありがとうございます……。」

緊張しつつも心からの気持ちを伝えると、彼がこちらを振り返って微笑みました。その表情が、これまで見たどんな光景よりも美しく感じられて――観覧車の中で過ごした時間は、私にとって何よりも特別なものとなりました。
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