FREEDOM〜自由の世界へ〜

第一章 偽の自分

６

「……どうかしたの？」



いつの間にか、リクはミクをじっとみつめていたのです。
それは、ミクが羨ましかったからかもしれません。
 常に、自分を偽っていなければならない自分とは違い、自分自身をとても素直に出すことが出来るミクのことが、リクにはキラキラと輝いているように見えたのです。



 「あ、ご、ごめんね。
あまりにも君の吹く笛の音が素敵だったから。」

 「まぁ、そんなこと言われたの初めてよ。
ありがとう。」

 「あ…あの…良かったら、友達になってくれる？」

 「え？」

ミクは目を丸くしました。



 「あ…べ、別に変な意味じゃないんだ。
そ、その…僕は…」

 「いいわよ。」

 「え？」

 「元々クラスメイトなんだし、友達みたいなものだけど…
あなたはどこか人を寄せ付けないようなところがあるから…
実はね、私もあなたともっと仲良くなりたいと思ってたの。
よろしくね、リク。」

ミクは微笑みながら片手を差し出しました。



 「あ、ありがとう！よろしくね！」

 照れくさそうに瞳を伏せたまま、リクはその手をしっかりと握り締めました。