FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十五章 放たれた悪魔

４

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「な、何てことを……お前ら、どうしてそんな重大な事件を隠したんだ！」

あまりのことに動転し、ミルトンは校長先生の胸ぐらを掴みました。

 「ハーレンストさん、落ち着いて下さい！ 今は、冷静さを失う時ではありません」

バルローは、つとめて冷静に振る舞います。

ミルトンは校長先生を放し、冷静さを取り戻すように、ゆっくりと椅子に座りました。



 「それにしても……」

どうにか場の空気が落ち着いて、バルローは口を開きました。

 「その件にも、あの少女……ミク・ルームルが関わっているのですね」

すると、レイダンは口を開きました。

 「はい。カイルはミクと幼馴染。大変仲が良かったみたいです。
それに、カイルの女装姿はミクそのものだった……。
だから…本当はルザルはミクに悪戯を続けていて、あの日……
カイルはミクの振りをして、ルザルの悪戯の矛先を自分に向けて……
そして、刺し殺したのではないかと私達は考えています」

 「何と……」

ミルトンとバルローは、頭を抱えました。
そして、ミルトンはふと顔を上げます。


 「だから……そんな弱みがあったから、『あの事件』の時も、フルートはまずはミクの言いなりになったのか？」

 「あの事件？」


 先生達は不思議な顔をしました。

 「ああ、そうか。『喪失』の旋律で忘れているんだったな」

ミルトンとバルローは、先生達にミクが起こした事件のこと、そして、ミクの秘密について説明しました。



 「何ですって！」

ミクについての一連の事件……失われた記憶を取り戻した先生達は、青ざめました。

 「ミクがそんな動きをしている、その時にカイルが釈放された……正に、最悪の組み合わせだ…」

レイダンは、頭を抱えました。

 「ハーレンストさん、バルローさん。最早、一刻の猶予もない。
 恐らく……早ければ、今晩にでも、ミクとカイルは、動き出しますよ！」

その場は、厳粛な雰囲気に包まれたのでした。