FREEDOM〜自由の世界へ〜

第十六章 暗殺計画

２

（大丈夫かな？
 話し合いはうまくいってるかな？）


リクは、そんなことを考えながら、部屋でぼんやりとしていました。
 夕食までの間はリクの自由な時間です。
 笛の練習でもしようかと思うのですが、話し合いのことが気になって、集中することが出来ず、ベッドの縁に腰掛けて、ぼんやりしていました。



 （ミク…どうなるんだろう？
お父様は、ミクとミュルスさんのことを本当に先生方にぶつけるんだろうか…）



 確かにもう自分達だけではどうにもならないことを、リクはわかっていましたが、それでもやはりミクのことを気の毒だと思う気持ちはあったのです。



 （ミクは……）



 「うっ！」

 不意に後ろから回された腕に首を絞めつけられ、リクは息が止まりそうになりました。



 「静かにしろ！
 騒いだら、この場で殺すぞ。」

リクの首筋に冷たいナイフが突きつけられました。
リクは、犯人の顔を見ることは出来ませんでしたが、その声はまだ若い男性のものだと推測しました。



 （一体誰が…？強盗か？）



 屋敷には無論、警備の者もいます。
しかし、この侵入者はそういうものも軽々とすり抜けて来たのです。