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第一章 アルバ大森林での修行編
第31話 第二魔王ガイア2
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俺はせっかくなので第二魔王ガイア様に色々話を聞いた。
俺が読んでいた書物はステラさんのご主人様の物で全て20年以上前の物で古い。
ガイア様に今の世界情勢のことを聞いた。
今世界は比較的安定しているらしい。どこかの種族同士が争うような大規模な戦争はないようだ。それを聞いてホッとする俺。森を出て戦争に巻き込まれるなんて嫌だからね。
唯一争ってるのは人族らしい。バーティランド帝国が小国を吸収して拡大しているとのことだ。
まったくどうしようもないな人族は。
ガイア様は領地拡大とかにあまり興味が無いらしい。くだらんことだ、と言っていた。
ちなみに魔人族領は第四魔王カオス様が治めているとのこと。他国との争いはしていないようだ。ガイア様は領土を治めるのは性に合わないと。またここで俺のメモが一つ増えた。第四魔王カオス、なんか名前的に怖そうだ。メモメモ。
ではガイア様は何をしているのかっていうと、世界中を旅して回っているとのこと。最近までは竜王に挑んでたらしい………
また勝てなかったと言っていた。でも手応えはあったから次こそはと、わははっと笑っていた。
何度か挑んでいるようで顔の傷は最初の戦いの時に受けた傷で悔しさを忘れない為に、わざと残したとか。
俺が竜王と戦ったら、鼻息だけで殺されるからやめておけと言われた。
戦う気なんて全くありません。
どうやら、物凄い戦闘狂のようです。飲んでる時は陽気なおっさんっぽいところはあるんだけど、最初の印象があるから、俺は怖い。
他の魔王のことは余り話したがらなかった。
そして【創造眼】の力を見てみたいという事で、明日ガイア様に稽古を付けてもらうことになった。
ステラさん曰く
「ガイア様に稽古を付けていただけるなんて、魔人族の中では名誉なことです。あさひ様、絶対に死なないでください」
とのことだ。
「わははっ、殺さんように気をつけるさっ」
と酔っ払い親父(ガイア様)は陽気だ。
俺大丈夫か?
俺もユヅキもガイア様の話は興味津々で聞いた。
でも………なぜ大魔王と勇者は戦ったんだろう?この疑問はなんか聴きづらかった。
その夜【ルーム】にて
ソファに隣同士座っている。
『ユヅキ、お疲れ様。けっこう酔ったな』
『あさひ~ぃ、ユヅキちゃん酔っちゃった~』
おお、ユヅキが酔ってる。酔ってるところ初めて見た。
あれ、ユヅキがだらんと甘えてくる。セクシーな部屋着を着ている。おお、胸元が見、見える。ステラさんも凄いがユヅキもなかなかのものだ。
『あ、さ、ひ、君、今日はどうするのかな~?』
人差し指を俺の胸元に当て、優しくクルクル回す。
ユヅキは俺を下から見上げる。
おお、ユヅキが俺を誘っているぞ。ごくりっ。
おっ、こ、これはいってもいいのか!
俺はついにユヅキと………ゴクリッ
『ユ、ユヅキ………、』
『なーんてねっ、ダ・メ・よ。うふふ♡』
くそっ、なんて思わせぶりなんだっ!こんな美女に誘惑されたら俺なんてコロっと落ちてしまう。
ぐぬぬぬぬぬっ。
………
その後酔いが覚め冷静になった俺とユヅキは話をする。
『それにしても魔王が来るなんてびっくりしたよね。私今日は死んだと思ったよ』
『俺も。最初震えてやばかった』
『ねえ、あさひ、チビりそうになってたけど、よく我慢して立ってたね。うふふっ。私だったらチビってた』
まあ、俺もあと少し威圧され続けたら危なかった。
ユヅキのチビるところにちょっと興味があるなんて思っていない。決して思っていない。
『それにしてもステラさんのご主人様は魔王だったんだね』
『ああ、驚いたよ。でもこの世界の魔王ってなんか悪い人じゃないのかもしれないな』
『そうね。ガイア様も良さそうな人だし、ステラさんに自由になれって言ってたし。なんか魔人族が良い印象で人族の方が悪い印象になっちゃってきてるわね』
『俺達、この森を出たらどうしようか。正直あんな化物みたいな魔王とか竜王やら生きていく自信無くすよ』
『ステラさんにどこか住みやすい場所聞きましょ。それか、一緒に探そう。あさひ。私はどこまでもついていくよ』
『そうだな。でもこのまま力を付けて、森を出ていくって事はステラさんとお別れするってことで、それは嫌だな。ステラさん一緒に誘いたいな』
俺はステラさんと離れるのが嫌だった。ガイア様に自由に生きろって言われてたし、ステラさんと一緒に行きたいと思っていた。
『ステラさんを誘いましょ。私達が出て行ったら、またステラさん一人になっちゃう』
ユヅキも同じこと考えているのだと思う。俺もユヅキもステラさんのことが大好きだ。
『そうだな。ユヅキ』
よし、今度ステラさんを誘おう。
翌日 午前中の訓練
第二魔王ガイア様が俺の前に仁王立ちしている。
ステラさんは少し離れたところで見ている。
「よし、あさひ。我はここから動かんから全力で来い!」
「はい」
くそ、なんて威圧感だ。俺は【創造眼】でガイア様を見る。
鋼のような肉体に分厚いオーラがただ寄っている。あれを突破することができるのか?
俺は全身に闘気を纏い右手に土魔法で鋭利な岩の塊を作る。そして右手に自分の闘気を練り込む。たっぷりと時間を掛けて練り込む。
かつて無いほどの威力の物を作る。
「ほうっ、面白い」
ガイア様が興味深そうにみる。
「行けーーーーーー!!!!」
先の尖った、オーラを纏った岩弾が音速を超えるスピードでガイア様目掛けて吹き飛ぶ。
ヒュンッ
岩弾はガイア様のお腹に直撃した。
ガイア様のお腹のオーラが岩弾の勢いを殺す。もう少しでガイア様の肉体に届きそうな時、
「はあああああ!ふんっ」
ガイア様のオーラがさらに大きくなり、岩弾が粉々になった。
届かなかった。あれを弾き飛ばすのか………
「わははっ、面白い。面白いぞ。あさひ!我の体に魔法を届かすとはな!」
あっ、届いてた?ほんの少し?
『あさひ、私にもやらせて!』
ユヅキが試したがっている。
「ガイア様、すいません。もう一つ試させてもらっていいですか?」
「おお、まだあるのか!良いぞ!」
俺はユヅキにチェンジする。
『うふふ。これが初公開よ。あさひ見てて。1ヶ月密かに特訓してたんだから』
なにっ、ユヅキは俺に内緒で何か特訓してたのか。
俺(ユヅキ)は木剣を構える。
【創造眼】が金色に光る。そして、全身に闘気を纏う。そして、木剣に多くのオーラを纏わせる。
ユヅキは俺よりも闘気を扱うのが格段に上手い。
そして、ここからだ。俺は見たことがない。
剣のオーラの部分に火属性の魔力を流し込む。
ユヅキは物凄く集中している。このイメージは。
そして、剣にあるオーラと火属性の魔力を混ぜ込む。
おお、これは!魔法剣?かっこいい!木剣が赤く輝いている。
ステラさんも驚いている。
『あさひの【闘魔術】に対抗して、名付けて【魔闘剣】。あさひは魔法に闘気を融合させたけど、私は剣に闘気と魔力を融合させた。行くわよっ!』
「これはまたっ!!!面白いぞあさひー!わははっ、来い!」
ガイア様の目がカッと見開かれる!
ユヅキがガイア様に斬り込む。
闘気を使った踏込み。瞬時にガイア様に届く。
ユヅキの【魔闘剣】はガイア様の肩口に振り下ろされる。
ガイア様は片腕を上げ、素手で剣を受け止める。
ガイア様の足が地面にめり込む。
バァーーーーーン!!!!!!
物凄い衝撃音がする。
木剣が折れた。
『ちっ、』
ユヅキが悔しがる。
「わはははっ、見事だ!あさひ見事だぞ!あと100年もすれば我に追いつけるかもな!わはははっ」
100年って!
死んどるわ!
俺とユヅキは元に戻る。ステラさんは今のがユヅキだった事に気付いたようだ。
「ガイア様、ありがとうございました。まだまだなことがよく分かりました」
「あさひ、貴様の成長が楽しみだ!それにしても、さっきのも今のも初めてみたぞ。我をこれ程驚かせたのはアレク以来だ」
「よし、次は我の攻撃を受けてみるか!?」
「い、い、い、いえいえいえいえっ、ご勘弁ください。死にます。死にます。即死です」
「わはははっ、そうか。では楽しみは次に取っておくか」
ステラさんはホッとしているようだ。
その後、ガイア様が俺の真似をしようとしていた。
しかし上手くいかないみたいだ。
「ふむ。なかなか難しいものだな」
ガイア様の火魔法はまさに煉獄の炎だった。黒々と燃え盛る炎。大きさがやばい。あんなの闘気混ぜる必要ないだろと思った。
しかし俺は自分以外の人の魔法を見たのは初めてなので良いものが見れた。近くにいるだけで燃やされてしまいそうだ。喰らった瞬間、跡形も無くなりそう。
そして、ガイア様は俺に闘気のコツなどを教えてくれた。攻撃は十分だからもっと防御を磨けとアドバイスをくれた。
「あさひ闘いで一番大切なことはなんだ?」
「えっと、なんでしょうか。冷静でいることとかですか?勝つ事とか?」
ん、なんだ分からないぞ。
「いや、違う。死なぬことだ。死んだら終わりだ。これからはステラに徹底的に防御を教えてもらうんだな。今のままではすぐに死ぬぞ」
「はい。わかりました」
「まずは一日中闘気を纏い続けろ。最初は薄くてもいい。その後は寝てる間も張り続けろ」
「ステラ、あさひを死なすなよ。我があさひと次に会う楽しみが減るからな。わはははっ」
「はい。かしこまりました。第二魔王ガイア様」
ステラさんは美しい姿勢で頭を下げる。
この後、ガイア様は去って行った。
なんか色々教えてもらって、凄く良い人だった。
第二魔王ガイア様。またいつかお酒飲みたいなと思う俺であった。
死なないこと。
俺は一度死にそうになった。あの時反省したのに、どうも防御の大切さを忘れてしまう。
第二魔王ガイア様に一番大切なことを改めて教えていただいた。
俺とステラさんはガイア様が見えなくなるまで頭を下げ続けた。
________________
◆ 読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも次が気になる。応援したいと思っていただけたら
是非、フォローと広告の下の方にある【★】星マークで評価をお願いします。
よろしくお願いします!
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俺が読んでいた書物はステラさんのご主人様の物で全て20年以上前の物で古い。
ガイア様に今の世界情勢のことを聞いた。
今世界は比較的安定しているらしい。どこかの種族同士が争うような大規模な戦争はないようだ。それを聞いてホッとする俺。森を出て戦争に巻き込まれるなんて嫌だからね。
唯一争ってるのは人族らしい。バーティランド帝国が小国を吸収して拡大しているとのことだ。
まったくどうしようもないな人族は。
ガイア様は領地拡大とかにあまり興味が無いらしい。くだらんことだ、と言っていた。
ちなみに魔人族領は第四魔王カオス様が治めているとのこと。他国との争いはしていないようだ。ガイア様は領土を治めるのは性に合わないと。またここで俺のメモが一つ増えた。第四魔王カオス、なんか名前的に怖そうだ。メモメモ。
ではガイア様は何をしているのかっていうと、世界中を旅して回っているとのこと。最近までは竜王に挑んでたらしい………
また勝てなかったと言っていた。でも手応えはあったから次こそはと、わははっと笑っていた。
何度か挑んでいるようで顔の傷は最初の戦いの時に受けた傷で悔しさを忘れない為に、わざと残したとか。
俺が竜王と戦ったら、鼻息だけで殺されるからやめておけと言われた。
戦う気なんて全くありません。
どうやら、物凄い戦闘狂のようです。飲んでる時は陽気なおっさんっぽいところはあるんだけど、最初の印象があるから、俺は怖い。
他の魔王のことは余り話したがらなかった。
そして【創造眼】の力を見てみたいという事で、明日ガイア様に稽古を付けてもらうことになった。
ステラさん曰く
「ガイア様に稽古を付けていただけるなんて、魔人族の中では名誉なことです。あさひ様、絶対に死なないでください」
とのことだ。
「わははっ、殺さんように気をつけるさっ」
と酔っ払い親父(ガイア様)は陽気だ。
俺大丈夫か?
俺もユヅキもガイア様の話は興味津々で聞いた。
でも………なぜ大魔王と勇者は戦ったんだろう?この疑問はなんか聴きづらかった。
その夜【ルーム】にて
ソファに隣同士座っている。
『ユヅキ、お疲れ様。けっこう酔ったな』
『あさひ~ぃ、ユヅキちゃん酔っちゃった~』
おお、ユヅキが酔ってる。酔ってるところ初めて見た。
あれ、ユヅキがだらんと甘えてくる。セクシーな部屋着を着ている。おお、胸元が見、見える。ステラさんも凄いがユヅキもなかなかのものだ。
『あ、さ、ひ、君、今日はどうするのかな~?』
人差し指を俺の胸元に当て、優しくクルクル回す。
ユヅキは俺を下から見上げる。
おお、ユヅキが俺を誘っているぞ。ごくりっ。
おっ、こ、これはいってもいいのか!
俺はついにユヅキと………ゴクリッ
『ユ、ユヅキ………、』
『なーんてねっ、ダ・メ・よ。うふふ♡』
くそっ、なんて思わせぶりなんだっ!こんな美女に誘惑されたら俺なんてコロっと落ちてしまう。
ぐぬぬぬぬぬっ。
………
その後酔いが覚め冷静になった俺とユヅキは話をする。
『それにしても魔王が来るなんてびっくりしたよね。私今日は死んだと思ったよ』
『俺も。最初震えてやばかった』
『ねえ、あさひ、チビりそうになってたけど、よく我慢して立ってたね。うふふっ。私だったらチビってた』
まあ、俺もあと少し威圧され続けたら危なかった。
ユヅキのチビるところにちょっと興味があるなんて思っていない。決して思っていない。
『それにしてもステラさんのご主人様は魔王だったんだね』
『ああ、驚いたよ。でもこの世界の魔王ってなんか悪い人じゃないのかもしれないな』
『そうね。ガイア様も良さそうな人だし、ステラさんに自由になれって言ってたし。なんか魔人族が良い印象で人族の方が悪い印象になっちゃってきてるわね』
『俺達、この森を出たらどうしようか。正直あんな化物みたいな魔王とか竜王やら生きていく自信無くすよ』
『ステラさんにどこか住みやすい場所聞きましょ。それか、一緒に探そう。あさひ。私はどこまでもついていくよ』
『そうだな。でもこのまま力を付けて、森を出ていくって事はステラさんとお別れするってことで、それは嫌だな。ステラさん一緒に誘いたいな』
俺はステラさんと離れるのが嫌だった。ガイア様に自由に生きろって言われてたし、ステラさんと一緒に行きたいと思っていた。
『ステラさんを誘いましょ。私達が出て行ったら、またステラさん一人になっちゃう』
ユヅキも同じこと考えているのだと思う。俺もユヅキもステラさんのことが大好きだ。
『そうだな。ユヅキ』
よし、今度ステラさんを誘おう。
翌日 午前中の訓練
第二魔王ガイア様が俺の前に仁王立ちしている。
ステラさんは少し離れたところで見ている。
「よし、あさひ。我はここから動かんから全力で来い!」
「はい」
くそ、なんて威圧感だ。俺は【創造眼】でガイア様を見る。
鋼のような肉体に分厚いオーラがただ寄っている。あれを突破することができるのか?
俺は全身に闘気を纏い右手に土魔法で鋭利な岩の塊を作る。そして右手に自分の闘気を練り込む。たっぷりと時間を掛けて練り込む。
かつて無いほどの威力の物を作る。
「ほうっ、面白い」
ガイア様が興味深そうにみる。
「行けーーーーーー!!!!」
先の尖った、オーラを纏った岩弾が音速を超えるスピードでガイア様目掛けて吹き飛ぶ。
ヒュンッ
岩弾はガイア様のお腹に直撃した。
ガイア様のお腹のオーラが岩弾の勢いを殺す。もう少しでガイア様の肉体に届きそうな時、
「はあああああ!ふんっ」
ガイア様のオーラがさらに大きくなり、岩弾が粉々になった。
届かなかった。あれを弾き飛ばすのか………
「わははっ、面白い。面白いぞ。あさひ!我の体に魔法を届かすとはな!」
あっ、届いてた?ほんの少し?
『あさひ、私にもやらせて!』
ユヅキが試したがっている。
「ガイア様、すいません。もう一つ試させてもらっていいですか?」
「おお、まだあるのか!良いぞ!」
俺はユヅキにチェンジする。
『うふふ。これが初公開よ。あさひ見てて。1ヶ月密かに特訓してたんだから』
なにっ、ユヅキは俺に内緒で何か特訓してたのか。
俺(ユヅキ)は木剣を構える。
【創造眼】が金色に光る。そして、全身に闘気を纏う。そして、木剣に多くのオーラを纏わせる。
ユヅキは俺よりも闘気を扱うのが格段に上手い。
そして、ここからだ。俺は見たことがない。
剣のオーラの部分に火属性の魔力を流し込む。
ユヅキは物凄く集中している。このイメージは。
そして、剣にあるオーラと火属性の魔力を混ぜ込む。
おお、これは!魔法剣?かっこいい!木剣が赤く輝いている。
ステラさんも驚いている。
『あさひの【闘魔術】に対抗して、名付けて【魔闘剣】。あさひは魔法に闘気を融合させたけど、私は剣に闘気と魔力を融合させた。行くわよっ!』
「これはまたっ!!!面白いぞあさひー!わははっ、来い!」
ガイア様の目がカッと見開かれる!
ユヅキがガイア様に斬り込む。
闘気を使った踏込み。瞬時にガイア様に届く。
ユヅキの【魔闘剣】はガイア様の肩口に振り下ろされる。
ガイア様は片腕を上げ、素手で剣を受け止める。
ガイア様の足が地面にめり込む。
バァーーーーーン!!!!!!
物凄い衝撃音がする。
木剣が折れた。
『ちっ、』
ユヅキが悔しがる。
「わはははっ、見事だ!あさひ見事だぞ!あと100年もすれば我に追いつけるかもな!わはははっ」
100年って!
死んどるわ!
俺とユヅキは元に戻る。ステラさんは今のがユヅキだった事に気付いたようだ。
「ガイア様、ありがとうございました。まだまだなことがよく分かりました」
「あさひ、貴様の成長が楽しみだ!それにしても、さっきのも今のも初めてみたぞ。我をこれ程驚かせたのはアレク以来だ」
「よし、次は我の攻撃を受けてみるか!?」
「い、い、い、いえいえいえいえっ、ご勘弁ください。死にます。死にます。即死です」
「わはははっ、そうか。では楽しみは次に取っておくか」
ステラさんはホッとしているようだ。
その後、ガイア様が俺の真似をしようとしていた。
しかし上手くいかないみたいだ。
「ふむ。なかなか難しいものだな」
ガイア様の火魔法はまさに煉獄の炎だった。黒々と燃え盛る炎。大きさがやばい。あんなの闘気混ぜる必要ないだろと思った。
しかし俺は自分以外の人の魔法を見たのは初めてなので良いものが見れた。近くにいるだけで燃やされてしまいそうだ。喰らった瞬間、跡形も無くなりそう。
そして、ガイア様は俺に闘気のコツなどを教えてくれた。攻撃は十分だからもっと防御を磨けとアドバイスをくれた。
「あさひ闘いで一番大切なことはなんだ?」
「えっと、なんでしょうか。冷静でいることとかですか?勝つ事とか?」
ん、なんだ分からないぞ。
「いや、違う。死なぬことだ。死んだら終わりだ。これからはステラに徹底的に防御を教えてもらうんだな。今のままではすぐに死ぬぞ」
「はい。わかりました」
「まずは一日中闘気を纏い続けろ。最初は薄くてもいい。その後は寝てる間も張り続けろ」
「ステラ、あさひを死なすなよ。我があさひと次に会う楽しみが減るからな。わはははっ」
「はい。かしこまりました。第二魔王ガイア様」
ステラさんは美しい姿勢で頭を下げる。
この後、ガイア様は去って行った。
なんか色々教えてもらって、凄く良い人だった。
第二魔王ガイア様。またいつかお酒飲みたいなと思う俺であった。
死なないこと。
俺は一度死にそうになった。あの時反省したのに、どうも防御の大切さを忘れてしまう。
第二魔王ガイア様に一番大切なことを改めて教えていただいた。
俺とステラさんはガイア様が見えなくなるまで頭を下げ続けた。
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