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第三章 地下迷宮挑戦編

第91話 地下迷宮11 ルイスとルーシーの成長

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 モンスター部屋を出てちょうど10日経った。ユヅキから俺達に念話が来る。

(あさひ、8階層のモンスター部屋がまた開いた!)

 なに!それは良かった!もう開かないんじゃないかと思ってたところだ。忘れたわけではない。

(どうする?メイドちゃん達連れて入っちゃっていい?)

(ユヅキ、ちょっと待って!俺達は今18階層でもうすぐ隠し部屋に着く。たぶんその手前の小部屋がまたセーフティポイントになってると思う。そこに着いたら俺もそっちに行くから一緒に行こう!)

(オッケー。じゃあ念の為、ここで待ってる。アメリア達には連絡しておくから)

 それから1時間程で隠し部屋の手前の小部屋に着いた。そしてあった。8階層と同じ仕掛けが。
 俺は8階層と同じように小部屋を封鎖して、【テレポート用】の魔法陣を設置した。

「じゃあ、8階層に行ってくる」

「あさひ様、お気をつけて」

 カレン達には18階層で待ってもらう事にした。ここの様子も見ていてもらいたかったのでテントを張って、休憩しながら留守番してもらう事にした。

 俺が8階層のセーフティポイントへ行くとユヅキが待っていた。

「ユヅキ、お待たせ!」

 俺はユヅキを抱きしめた。心地よい。ユヅキさん素敵です。

「じゃあ、拠点のメイドちゃん達迎えに行ってくるね!」

「ちょっと待った!けっこう人数いるけど、ユヅキ【テレポート】大丈夫か?」

「あっ、確かに…………ステラとルーシー、ルイス、メイドちゃん達、合計13人。きついかも…………」

「だよな。俺も行くよ」

「そうね。みんなには屋敷で待機してもらってるから、じゃあ私が5人連れて来るから、あさひは8人ね」

 俺の方が多い…………まあ、魔力も俺の方が多いし、テレポートにも慣れてるからその方がいいか。

「了解」

 俺とユヅキはみんなを連れてきた。

 メイド達ははじめての【テレポート】に驚き、キョロキョロしている。

 俺もユヅキもけっこうな魔力を消費している為、念の為ステラにもいてもらう。前回と同じビッグアントなら問題無いけど、何があるかわからないのが迷宮だ。

「みんなー!一応念の為、作戦の確認。前回はビッグアント500体ぐらいだったから。今回も同じなら、先制攻撃は魔法組ね!その後はルイスとルーシーであらかた片付ける。ルイスとルーシーの戦い方をよく見てててね。その後はみんなの番ね。乱戦になるから魔法組は仲間に当たらないように気をつけて撃つんだよ」

 ユヅキが作戦をみんなに念話する。
 おお、メイド達も魔法使える子がいるのか。

「「はい!」」

 全員力のこもった返事をする。

「ルイス、ルーシーは出番が終わったら、メイドちゃん達のフォローお願いね」

「「はい!ユヅキ様」」


「ミア、アイナは全体を見ながらちゃんとみんなの指揮をするんだよ。指揮は念話で。今回は私達も確認したいから、全員にチャンネル回線を開いておいてね。念話での戦闘に慣れよう!」

「「はい!ユヅキ様」」


 メイド達は初めての実戦だ。みんな緊張しているようだ。ちょっと力入りすぎてるかも。本来ならもっと少しずつ経験させてもいいんだけど。相乗効果で随分パワーアップしてるし、大丈夫だろう。それに危なくなったら俺もユヅキもステラもいる。

「初めての実戦だから、絶対に無理はしなくていいからね。危なくなったり、怖くなったらすぐに後方に下がること。回復は安心してね。訓練通りやれば大丈夫!みんなは強い!グッ」

 初めての実戦。思い出す。俺もアルバ大森林で死にそうになった。ユヅキも覚えてるんだろう。

「「はい!」」


「じゃあ、レッツゴー!」


 俺達はモンスター部屋に入った。全員入ったところで前回同様扉が閉まる。

 メイド達の緊張がこちらに伝わる。ルイス、ルーシーの表情も真剣だ。ユヅキ、ステラはいつも通りだ。

【気配感知】に反応。

 ビッグアントだ。前回と同じようにビッグアントが湧いて出てくる。

 魔法組、ミア、アイナ、ニナ、ヒセラ、リアナがかまえる。

 おお、もう5人も魔法使えるのか!俺はけっこう驚いていた。まだたったの10日程度しか経っていないんだぞ。ユヅキは教えるのも上手いのか。

(みんな、タイミング合わせるわよ!)

 エルフのミアが念話で指揮をする。

(((はい!)))

 5人の魔法が無詠唱で一斉に放たれる。

 火、水、風、土色々な魔法がビッグアントの群れに直撃する。威力はまだまだだがかなり倒したようだ。

「やった!」

 魔法組のメイドの何人が声を上げる。

 しかし、次々と新たなビッグアントが湧き出てくる。

 ここからルイスとルーシーの番。

 ルーシーが魔法を放つ!メイド達とは桁違いの威力の魔法を放つ。

 ビッグアントの群れを焼き尽くす。


「す、凄い!」

 メイド達が驚いている。

 おお!ルーシー強くなったな!

 ルーシーが俺の方をチラッと向きドヤ顔をしている。

 今度はルイスが槍を持ち前に出る。

 一振りで何匹も一斉に倒す。

 ビッグアント達はルイスに近づくこともできない。

 ルイス無双です。ルイス強いな。

 ルイスはオスカーと同じ竜騎士を目指しているんだったな。ワイバーンに乗ったルイスはもっと強いだろう。

 相乗効果でステータスが上がり、才能が覚醒しつつあるのかもしれない。

(ル、ルイス様凄いです!)

(キャー、ルイス様カッコいいです!)

 メイド達の黄色い声援が飛ぶ。

 むむっ、ルイス羨ましいぞ。

(ダーリン、羨ましいとか思ってるでしょ。我慢してね)
 なに?ユヅキ!なぜわかるんだ。

 ルーシーが魔法でルイスを援護する。うん、良いコンビだ。まあ、ルイスは援護はいらないぐらい余裕がある。

 このままだと二人で全滅させてしまいそうだ。

(ルイス、ルーシー、交代!もう十分!さあ、みんなの番だよ!ファイトーーー♪)

 ユヅキの指示でルイスとルーシーが下がる。

(ルイス、ルーシー、二人には物足りないな。18階層のモンスター部屋一緒に行こう)

 二人が俺をみてニヤッとしている。

 次はいよいよメイドさん達の番だ。
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