聖女の秘密

水田 みる

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元王子アール

700年前②

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「ツバキ様ー、結界魔法を解除してくださーい!」

「ツバキー、起きろーー!」

「ツバキ様ー、お部屋を開けてくださーい!」


ジーマ・キーノ・メイが口々に叫んでいる。 

ボクも負けじと


「ツバキー、早く起きてネグリジェを着た可愛い姿をボクに見せておくれー!」


寝起き姿のツバキ、想像しただけで鼻血が出そうだ…!

ボクの叫びを聞いたメイが、ものすごくドン引きの顔をしてこちらを見ていた。

ボクは王子なのに、本当に失礼な奴だ!

4人で叫ぶこと、およそ1時間。
 
部屋の扉からパンと軽い音がした。

ジーマはゼェゼェと肩で息をしながら


「結界魔法が解けました。
 
中に入りましょう!」


4人で勢い込んで部屋に入った。

部屋の中は白とピンクを基調とした部屋だ。
 
3年前、ツバキを初めて見た時から彼女をイメージしてボクがあつらえた部屋だ。

天蓋付きのベッドの側に、不機嫌な顔をした天使ツバキが立っていた。

フリルたっぷりの真っ白なネグリジェが、よく似合っている。

ネグリジェもボクが見立てただけはある。

凄まじい破壊力だ。


「朝っぱらから何なんだ?」


怒っている顔も可愛らしい…!

ついに鼻血が出てしまった。

キーノは怒りながらツバキに朝からの状況説明をしている。

自分がやらかした事に気が付いたツバキは、しょんぼりしている。

魔法が実際に使えるか試したかっただけのようだ。

良かった、今夜からはツバキの部屋に行ける。

ふと、ツバキと目が合った!


「あれ?アール王子は呼ばれてもないのに何故ここに?」


この場にボクがいた事が、よほど嬉しかったのだろう。

素直に答える。


「寝起きのツバキが見たかったからに決まってるじゃないか!

…そのネグリジェ、とっても良く似合っているよ!」


…照れ隠しだろう、ゴキブリを見るような目で見られた。

その後ボク以外にネグリジェを見られたのが恥ずかしかったのか、メイ以外は退出を促されボクは朝食の為に大広間へと向かった。

朝食の時間には早かったのか、準備中のメイド達以外は誰もいなかった。

いつも使っている自分の椅子に座り、ツバキが着るであろうドレスに想いを馳せる。

今朝メイが準備しているパステルピンクのドレスも、ネグリジェ同様ボクの見立てだ。

ネグリジェであの可愛さだったのだ。

ドレスの可愛いさはボクの想像を遥かに超えるだろう。

想像で浮かれていると、広間にキーノとジーマが入ってきた。

普段、広間での食事は王族専用なので父上とボクしかいない(母上はボクを産んで間もなく亡くなった)。

しかし朝一番で父上に話がある時は、父上の許可があれば同席が許される。

間もなく父上も広間に入ってきた。






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