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元王子アール
聖女カメリア
しおりを挟む「…なぜ貴様がボクの本名と素性を知ってるんだ?」
女はボクが不信感を露わにしているのが不思議なのか、小首を傾げて
「ですからっ、創造神ルールーから啓示を受けたからですっ!
神から言われたんですよっ!
『アール元王子と一緒に魔王を倒せ』ってっ!
その時に貴方の居場所と姿を教えてもらいましたっ!」
何でボクが魔王討伐しなければならない!?
もうボクに魔王に会いに行く理由はない!
黒髪黒目でないから魔王は倒せないのに、不死身とはいえわざわざ死にに行くなんてゴメンだ!
「断る。」
女は不満げにえぇーっと声をあげる。
「創造神からの啓示ですよっ!」
「ボクに啓示はないんだから他所を当たれ。」
一瞬の間の後
「魔王ツバキ…」
何故かコイツはツバキの名まで知っていた。
「お前如きがツバキの名を口にするなっ!!」
怒りのあまり両手で女の胸ぐらを掴んでいた。
女のつま先は軽く宙に浮かんでいる。
「神からの啓示ですよっ!
『ある条件』を満たしたら魔王ツバキの行方が分かるってっ!」
女は胸ぐらを掴まれながらも涼しい顔をしながら答える。
…ツバキの行方。
200年探しながらも全く手掛かりが無かった彼女の居場所。
ガセネタか?
いや、コイツはボクが教えてもないのに創造神の名を知っていた。
創造神は啓示を与える時にだけ自分の名を伝える。
そして啓示は魔王討伐に関する事以外はない。
その為にこの世界で創造神の名前を知る者は、ほとんどいないだろう。
オマケにツバキは勇者として歴史書に残っていても、魔王ツバキとしては知られていない。
魔王ツバキとしての破壊活動はバカバッカ城のみで、それはボクの謀反として扱われている。
それ故に勇者ツバキとして行方不明のままで、魔王ツバキであった事を知っているのはこの世でボクと現魔王しかいないだろう。
魔王ツバキを知っているこの女。
全く信用はできないが話を聞く価値はありそうだ。
上手くいけばツバキの行方も分かるかもしれない。
「…分かった、話を聞こう。
お前の名は?」
胸ぐらを掴んでいた両手を離す。
女は皺になった胸元の服を軽く伸ばしながら
「アタシはカメリア、聖女カメリアですっ!」
バカ満開の笑顔で名乗った。
ーーこうしてボクはカメリアと3回目の魔王討伐に向かうことになった。
勇者なしで向かう旅は初めてのことだ。
死なない身体とはいえ不安しかなかった。
旅の最中カメリアが持っている情報を得るために、色々と質問をする。
一番気になるのはツバキの行方を知る為の『条件』だ。
「どう『条件』を満たせばツバキの行方が分かるんだ?」
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