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創造神ルールー
最大の失敗
しおりを挟む「おぉーい、元王子の脈はないけど念の為に確認してくれ。」
唯一、人の世界で創造神である僕と通信できる彼女から連絡が来た。
「んー、大丈夫だよ。
彼の魂はちゃんとこっちに来てる。
順番に対処してるから、もうしばらくそっちで待ってて。」
分かった、と一言の返事で彼女の通信は切れた。
さて、と僕は目の前の魂に目を遣る。
僕が700年前にやらかした最大の失敗の権化が、このバカバッカ元王子だった。
元王子の魂を起こす前に、僕は少しだけ700年前を思い出す。
彼に啓示と祝福を与えてしまった、あの日の夜を。
ーーようやく、異世界から召喚した勇者に魔王を倒せる力を与えられるだけのパワーが溜まった。
この世界を司る神、僕ルールーは全世界の神々の中でも下っ端中の下っ端だ。
他の神なら3年で出来ることが、僕には300年かかってしまう。
その一つがこれ、異世界召喚者に力を与えるパワーチャージだ。
啓示だけならダメージゼロだけど、祝福まで与えてしまうとパワーチャージまで更にプラス200年かかってしまう。
さて、どちらに啓示を与えようか?
バカバッカ国王にするか、その息子の王子にするか。
息子の方が若くて順応性があるだろうから、すぐに創造神である僕を信じるだろう。
昔どこぞの皇帝に啓示を与えた際、僕の存在を信じてくれなくて中々面倒だった。
その経験から王子の方に啓示を与える選択をする。
…過去に戻れるなら自分を殴りつけてでも止めて、王の方にしただろうに。
これが最初の失敗だった。
ーー僕の啓示方法は魂を僕の世界に連れてきて、そこで彼、彼女らと対話する。
そして、僕は王子に啓示を与えた。
勇者の素質がある者
ー時代を問わず黒髪黒目の持ち主で優しく正義感と精神力が強くて、順応力が高い10代半ばから20代後半の若者ー
を映し出す水晶玉を彼に渡す。
王子の目が一人の少女をガン見していたので、その娘の情報を与えて勇者は彼女に決定した。
ー真田 椿。
舌舐めずりしそうな表情の彼が気持ち悪い。
召喚方法と帰還方法を与えて、とっとと魂を元に戻そうとしたら待ったがかかった。
…何だよ?
「ボクに祝福としてくれませんか?」
嫌な予感がする…
「…どんな祝福が欲しいのさ?」
「条件付きの『不老不死』です。
ツバキとお互いに心からの相思相愛になるまで、ボクの身に何が起こっても一瞬で五体満足で復活できるようにして下さい!
創造神がツバキが心からボクを愛してると判断した時に、不老不死の解除と元の世界に戻る術を啓示して下さい。」
これ本当に与えていい祝福か?
一応この王子、見目はまぁまぁ良いし上手くいけば悪いようにはならないか…?
念の為に彼に本当にいいのか13回確認した。
…結果的にこれが最大の大失敗だった。
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