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真田 椿
大好きな幼馴染
しおりを挟むルールーの言葉に勇気づけられたけれど、まだ少し怖いので片目を瞑りながら玄関を出た。
ー当然ながら何もない。
下を向いて思わず、ほうっと大きな安堵の溜め息が出た。
「ウッス、おはよ椿。」
突然、聞こえた挨拶に思わず顔を上げた。
上げる前から分かった、私の大好きな幼馴染の声。
「…柊也。」
会いたくて会いたくて、でも一度は二度と会えないと諦めた彼。
本当に帰ってきた実感がじわじわと湧いてくる。
どうしよう、嬉しくて泣きそうだ。
柊也は私がいつもと違う様子に気付いて、心配して覗き込んできた。
顔が!近い!!
「…あれ?右のほっぺた赤くなってる。
…誰にやられたんだ!?」
柊也が誤解でもの凄い怒気を露わにする。
私の様子が違うのも彼の誤解に拍車をかけた。
「…警察に行くか?」
大事にしすぎだ!!
「違う違う違う!自分でやったんだ!
…朝から嫌な夢見て、夢だったか確かめたくて抓ったんだ。」
あの700年は、とりあえず夢ではないが夢扱いにしておく。
「そんならいいけど、そんなに嫌な夢だったのか?
かなり赤くなってるぞ。」
誤解は解けたが気遣わし気に聞いてくる。
「…いつか話すよ。
柊也が笑わずに聞いてくれたらだけどな。」
柊也の顔には疑問符が付いている。
私は決心した。
異世界に召喚されなくとも、1秒先にトラックにはねられるかもしれない。
はたまた通り魔に刺されるかもしれない。
最初は部活が終わった帰り道に告白するなんて考えていたけれど、その日常が存在しない事だってある事を身をもって知っている。
恥ずかしいだの気まずいだの言ってられない。
今ここで私の気持ちを柊也に伝える。
「なぁ柊也。」
「ん?」
「大事な話があるから聞いてほしいんだ。」
「そんなにかしこまって、どした?」
「私、柊也の事が好きだよ。大好きだ。
幼馴染としてじゃなくて、恋愛感情で大好きだよ。」
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