ウサギとカメ

水田 みる

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1 ウミガメのスープ(問題)

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 問題を始める前にこれを、とカメはどこから出したのかA4の大学ノートとペンを差し出した。

これをメモ代わりに使えという事だろう。

カメはでは、と語り始めた。


「男はレストランに入ると、メニューから『ウミガメのスープ』を注文しました。

スープを一口すすると男は席を立ち、レストランから飛び出しました。

そして、男は首を吊って自殺してしまいました。

何故でしょうか?」


答えは知っているが作法に則りカメに質問する。


「男にとってウミガメのスープは思い出深いものだったの?」

「はい。

しかし、その思い出はとても辛い経験でした。」

「辛い経験は家族に関する事なの?」

「はい。

男は幼い娘を失いました。」

「スープの味は関係してるの?」

「はい。

その味は男の記憶にない物でした。」

「ウミガメのスープの味が自殺の原因なの?」

「はい。」

「スープにはウミガメの肉が入っていたの?」

「はい。

男はこの時、初めてウミガメの肉を食べました。」

「そのレストランで過去に、ウミガメのスープを飲んだ事はあったの?」

「いいえ。

男は海の上でウミガメのスープを飲んだ記憶がありました。」

「男は海が怖かったの?」

「はい。

男は漂流した経験があって、海をとても恐れていました。」

「漂流中は仲間と一緒だったの?」

「はい。

仲間と男の家族も一緒でした。」

「漂流中に救助されたの?」

「はい。

餓死寸前でしたが、男は一命を取り留めました。」

「漂流中にウミガメのスープを飲んだの?」

「はい。

しかし、そのスープにはウミガメではない肉が入ってました。」

「自殺したのはウミガメのスープのせいなの?」

「はい。

ウミガメのスープを飲んで、男はあることに気が付きました。」


「男は自殺に首吊りを選んだことに理由はあるの?」

「いいえ。

自殺の手段が首吊りだっただけで、どんな形でも自殺したでしょう。」

「分かった、手掛かりはこれで十分だよ。」





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