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アメジストの章
洗礼の儀式②
しおりを挟む「女神ジュエル様、新しきアメジストの祝福者に祝福をお与えくださいませ。」
大聖女がそう唱えた瞬間ー
ラベンダーの体が眩く光る。
彼女は悲鳴を上げかけたが一瞬激しい目眩に襲われた。
手が女神像から離れ水中に両膝をつく。
「…なっ、何が起こったの!?」
ラベンダーはぜぇはぁと両肩で息をしながら自問自答をした。
「大丈夫ですか、アメジスト様!
お手をお取りくださいませ。」
大聖女はもうラベンダーを本名で呼ぶ事なくアメジストと呼んだ。
無言で大聖女の手に捕まり立ち上がる。
大聖女は彼女に静かに微笑んだ。
「洗礼の儀式は無事に終わりました。
貴女様の祝福は解放され、今この時よりアメジスト様となりました。」
「…私が…アメジスト?」
「はい、聞いた話では嘘のものは黒いモヤが掛かったように見えるとか。
例えば人なら嘘吐きが喋りだしたら顔が黒く見えるそうです。」
そんな事を言われても目の前の大聖女の姿に変化がないので実感が湧かない。
呆然とする彼女に大聖女は手を組んで祈った。
「ーどうか、これからのアメジスト様に女神ジュエル様のご加護を。」
ーこうしてラベンダーはこの日からアメジストとして、生きていく事となったのだった。
☆☆☆☆☆
洗礼の儀式が終わった3日後。
アメジストの元に訃報が届いた。
「大聖女様がお亡くなりになった?」
報せを届けた専属侍女に聞き返す。
「はい、昨夜の真夜中に眠るように亡くなられたそうです。」
アメジストは大聖女が洗礼の儀式が最後の役目と言っていたのは、本当だったのかと目を伏せた。
「皇帝陛下は国葬を決められました。
魔法で御遺体を防腐状態にして、棺を大聖堂で10日間公開安置されるそうです。」
「…3日前、洗礼の儀式で会ったばかりです。
私も国葬に参列したいです。」
「分かりました、騎士団に確認して参ります。」
そう告げて侍女は部屋を出ていった。
葬儀の参列ですら許可がいるのかと気が滅入る。
「公開期間は大聖堂の警備で、葬儀の当日は皇帝・皇后両陛下の警備に人員が割かれるので許可できないとの事です…
…申し訳ございません。」
戻ってきた侍女は何も悪くないのにアメジストに頭を下げた。
「分かりました、ではここから大聖女様に安らかな眠りにつかれます様にお祈りします。」
そう、無理矢理に己を納得させた。
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