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エルドリン王国編
140 辺境村
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「丁度、空き家があって良かったです。こんなところには滅多にお客様など来ませんからね。ここにいる間は、この家をご自由にお使いください」
外から見ればおばばのところとあまり変わらない木のお家は、中に入れば全然違うものだったのだと理解する。
壁や天井に丸みはあるが、中は普通の一軒家と変わらない構造で、リビング、ダイニング、キッチンに個室がいくつかついていた。
まるでアリの巣のように廊下や階段が入り組んでおり、縦長の円柱の中に部屋を詰め込めばこうなるのか、と納得させるものを感じる。
空き家とは言うものの、家具は揃っており、ほこりも一つもない。急いで整えてくれたのだろうか、ありがたいことだ。
私たちだけでゆっくりくつろげるようにと、ルーフェさんは帰ってしまった。
「チナー、風呂あるけど、入るか?」
「おふろ!」
カイルさんからの嬉しい報告があったため、考え事は中断してお風呂に入ることにする。
旅は好きだけど、長い事お風呂に入れないのはやはりキツイ。比較的平和な場所であれば水浴びくらいならできるのだが、今回は私の天敵とも言える虫の魔物を警戒して一度も出来なかった。水浴び中にあれに遭遇すれば、私は絶体絶命だ。
魔法でも綺麗にすることはできるが、どうにもちゃんと綺麗になっている気がしないのだ。やはり、思いっきりお湯をかぶって洗うのが一番良い。
ツリーハウスのお風呂はどうなっているのだろうとドキドキしながら入ってみると、想像通り、お風呂も全て木で出来ていた。
想像通りとは言ったものの、実際に目にするとやはり驚く。木のお風呂なんてすぐに腐りそうだし、管理が大変そうだ。そのあたりはいったいどうなっているのだろう?
見た感じ、腐っているところもカビも無いように見えるが……、何かコーティングでもされているのだろうか?
周りをキョロキョロ観察しながも蛇口を捻れば、暖かいお湯が溢れてきた。浴室がお湯で暖められると、木の香りが強まったような気がした。
「ふぁあ~……」
久しぶりに浸かる湯船は、なんと気持ちのいいことか。体に溜まっていた疲れが、一気にほぐれていくようだ。……ここ最近は、ただ担がれていただけだが。
頭や体もガシガシと洗い、かなりさっぱりした。
「おふろ、おさきでした~」
すっかり温まって溶けそうな私は、そのままソファにダイブする。
まるで雲のような柔らかソファは天にも昇る心地よさだ。このまま眠りたい……。
みんなが交代交代でお風呂に入っている間、ソファでうつらうつらしていた私だが、流石に空腹には勝てず熟睡することは無かった。
そんなとき、コンコンと扉をノックする音が聞こえてくる。
「こんばんは、ニンファです。お夕飯のお誘いに来たのですが、いかがでしょうか?」
お夕飯の一言に、私は飛び起きる。そして、勢いよく扉を開けて是非に!と誘いに乗った。
「あらあら、お腹が空いていたのね。おばばのお家で宴の準備をしているのだけど、場所は覚えている?」
「はい!おぼえてます!すぐいきます!」
「うん、ゆっくりでいいからね。みんなでいらっしゃい」
ふわふわしたニンファさんは、私の頭を優しくポンポンとして去っていった。優しい。好き。
私たちはそそくさと外出の準備を整えておばばの家へ向かう。
借りている空き家に鍵は無かったが、ここは閉鎖された環境でお客さんが来ることもほぼ無いらしいから特に必要としていないのだろう。大事なものは全て私の空間収納に入っているので問題は無い。
おばばの家は昼間訪ねたときより豪華な装飾で飾り付けされており、まさに宴といった風貌に様変わりしていた。
臙脂色の絨毯は、金色の刺繍が入ったものに変わっており、そうとう高い値がつきそうな代物だ。フリンジのついたクッションも、ろうそくを立てている繊細な細工の燭台も、どれも一級品ともいえる美しさをもっている。しかし、これらの全てはどうやらこの村のエルフの手作りらしい。どれも立派な売り物と遜色ない作りである。すごい技術だ。
食事の時も変わらず床に座るスタイルで、ホカホカと湯気の立つたくさんの料理も床に並べられている。野営などで、地面で食事する経験は多いので特に抵抗は無い。
おばばの周りには、数人のエルフたちが座って談笑していた。
私たちはニンファさんに促されるまま、長の正面あたりに座る。
「今夜は、若様がうちの村に立ち寄ってくれたお祝いだよ!さあ、たんとお食べ」
おばばの合図で宴が始まった。準備をしていたエルフたちも空いているところに座り、円形になって食事をとる。
ワイワイした雰囲気に、私もリラックスしてご馳走を味わうことができた。
エルフはベジタリアンなイメージがあったが、実際はそんなこと無かったようだ。お肉もお魚も、たっぷり用意されている。
おそろく、村の周辺でとれたものばかりなのだろう。新鮮だからか身はプリプリで、臭みもなくまさに絶品と言える。
お腹が減っていたのもあるだろうが、みんなワイワイ楽しそうで暖かい雰囲気が漂っており、食べ過ぎといえるほどたくさん食べてしまった。
「チナちゃんは、今年いくつになるの?」
お腹を休めるためシエルにもたれかかっていた私に、ニンファさんが質問を投げかけてくる。
「ことしでななさいです!」
「まあ!うちの孫と変わらないくらいに見えるのに、そんなに小さいのね。やっぱり人間って成長が早いんだわ」
ん……?孫?ニンファさんに、孫?
あまりに理解が追いつかないその単語に、私は目を白黒させた。
「おまごさん、いくつなんですか?」
頭の理解は追いついていないが、その質問は自然と口からこぼれ落ちる。すっごく気になるような、あんまり聞きたくないような……。不思議な感覚が胸を占めた。
「えーっと、確か……丁度二十になる年だったじゃないかしら?」
「へぇー、にじゅっさい……」
二十歳で、私と同じくらい?私は五歳のころからあまり体が成長していないと考えると……大体四倍。
エルフが長命なのは、間違いないようだ。
しかしそうなると、ニンファさんやおばばの年齢って……。
女性に年齢を聞くのは失礼にあたるからな。うん、やめておこう。
「エルフは長命故か、年齢に執着する人はあまりいないのよ。多分、自分の年齢を覚えてないって人がほとんどね。その分、子供の成長は毎年祝って、大切に数えていくのだけど。短い幼年期があって、青年期がすっごく長いの。さして最後に、ほんの少しの老年期」
そっか。つまりおばばはもう……。
「だというのに、おばばったら、あんな姿になってからもう三十年は経つのよね。いったいいつまで生にしがみつくつもりなのかしら?」
え?なんか、幻聴が聞こえたような。……まさか、こんなゆるふわなニンファさんがそんなこと言うわけ……。
「こら、ニンファ!子供に何を吹き込んでんだい!それにあたしはまだまだ現役さ!あと百は生きてやるんだからね!」
「……地獄耳ね」
ニンファさんの裏の顔を見てしまったようだ。背徳感のようなものでドキドキする。裏のあるニンファさん……いいかもしれない。
変な扉が開きそうになったが、おばばも随分お酒を飲んだようで今日はお開きとなった。
話の会うエルフの人でもいたのか、カイルさんも頬を赤く染めるまで飲んだようだ。酔いどれカイルさんなんてレア中のレアだぞ。
その日は久しぶりのあったかおふとんでぐっすりと眠ったのだった。
外から見ればおばばのところとあまり変わらない木のお家は、中に入れば全然違うものだったのだと理解する。
壁や天井に丸みはあるが、中は普通の一軒家と変わらない構造で、リビング、ダイニング、キッチンに個室がいくつかついていた。
まるでアリの巣のように廊下や階段が入り組んでおり、縦長の円柱の中に部屋を詰め込めばこうなるのか、と納得させるものを感じる。
空き家とは言うものの、家具は揃っており、ほこりも一つもない。急いで整えてくれたのだろうか、ありがたいことだ。
私たちだけでゆっくりくつろげるようにと、ルーフェさんは帰ってしまった。
「チナー、風呂あるけど、入るか?」
「おふろ!」
カイルさんからの嬉しい報告があったため、考え事は中断してお風呂に入ることにする。
旅は好きだけど、長い事お風呂に入れないのはやはりキツイ。比較的平和な場所であれば水浴びくらいならできるのだが、今回は私の天敵とも言える虫の魔物を警戒して一度も出来なかった。水浴び中にあれに遭遇すれば、私は絶体絶命だ。
魔法でも綺麗にすることはできるが、どうにもちゃんと綺麗になっている気がしないのだ。やはり、思いっきりお湯をかぶって洗うのが一番良い。
ツリーハウスのお風呂はどうなっているのだろうとドキドキしながら入ってみると、想像通り、お風呂も全て木で出来ていた。
想像通りとは言ったものの、実際に目にするとやはり驚く。木のお風呂なんてすぐに腐りそうだし、管理が大変そうだ。そのあたりはいったいどうなっているのだろう?
見た感じ、腐っているところもカビも無いように見えるが……、何かコーティングでもされているのだろうか?
周りをキョロキョロ観察しながも蛇口を捻れば、暖かいお湯が溢れてきた。浴室がお湯で暖められると、木の香りが強まったような気がした。
「ふぁあ~……」
久しぶりに浸かる湯船は、なんと気持ちのいいことか。体に溜まっていた疲れが、一気にほぐれていくようだ。……ここ最近は、ただ担がれていただけだが。
頭や体もガシガシと洗い、かなりさっぱりした。
「おふろ、おさきでした~」
すっかり温まって溶けそうな私は、そのままソファにダイブする。
まるで雲のような柔らかソファは天にも昇る心地よさだ。このまま眠りたい……。
みんなが交代交代でお風呂に入っている間、ソファでうつらうつらしていた私だが、流石に空腹には勝てず熟睡することは無かった。
そんなとき、コンコンと扉をノックする音が聞こえてくる。
「こんばんは、ニンファです。お夕飯のお誘いに来たのですが、いかがでしょうか?」
お夕飯の一言に、私は飛び起きる。そして、勢いよく扉を開けて是非に!と誘いに乗った。
「あらあら、お腹が空いていたのね。おばばのお家で宴の準備をしているのだけど、場所は覚えている?」
「はい!おぼえてます!すぐいきます!」
「うん、ゆっくりでいいからね。みんなでいらっしゃい」
ふわふわしたニンファさんは、私の頭を優しくポンポンとして去っていった。優しい。好き。
私たちはそそくさと外出の準備を整えておばばの家へ向かう。
借りている空き家に鍵は無かったが、ここは閉鎖された環境でお客さんが来ることもほぼ無いらしいから特に必要としていないのだろう。大事なものは全て私の空間収納に入っているので問題は無い。
おばばの家は昼間訪ねたときより豪華な装飾で飾り付けされており、まさに宴といった風貌に様変わりしていた。
臙脂色の絨毯は、金色の刺繍が入ったものに変わっており、そうとう高い値がつきそうな代物だ。フリンジのついたクッションも、ろうそくを立てている繊細な細工の燭台も、どれも一級品ともいえる美しさをもっている。しかし、これらの全てはどうやらこの村のエルフの手作りらしい。どれも立派な売り物と遜色ない作りである。すごい技術だ。
食事の時も変わらず床に座るスタイルで、ホカホカと湯気の立つたくさんの料理も床に並べられている。野営などで、地面で食事する経験は多いので特に抵抗は無い。
おばばの周りには、数人のエルフたちが座って談笑していた。
私たちはニンファさんに促されるまま、長の正面あたりに座る。
「今夜は、若様がうちの村に立ち寄ってくれたお祝いだよ!さあ、たんとお食べ」
おばばの合図で宴が始まった。準備をしていたエルフたちも空いているところに座り、円形になって食事をとる。
ワイワイした雰囲気に、私もリラックスしてご馳走を味わうことができた。
エルフはベジタリアンなイメージがあったが、実際はそんなこと無かったようだ。お肉もお魚も、たっぷり用意されている。
おそろく、村の周辺でとれたものばかりなのだろう。新鮮だからか身はプリプリで、臭みもなくまさに絶品と言える。
お腹が減っていたのもあるだろうが、みんなワイワイ楽しそうで暖かい雰囲気が漂っており、食べ過ぎといえるほどたくさん食べてしまった。
「チナちゃんは、今年いくつになるの?」
お腹を休めるためシエルにもたれかかっていた私に、ニンファさんが質問を投げかけてくる。
「ことしでななさいです!」
「まあ!うちの孫と変わらないくらいに見えるのに、そんなに小さいのね。やっぱり人間って成長が早いんだわ」
ん……?孫?ニンファさんに、孫?
あまりに理解が追いつかないその単語に、私は目を白黒させた。
「おまごさん、いくつなんですか?」
頭の理解は追いついていないが、その質問は自然と口からこぼれ落ちる。すっごく気になるような、あんまり聞きたくないような……。不思議な感覚が胸を占めた。
「えーっと、確か……丁度二十になる年だったじゃないかしら?」
「へぇー、にじゅっさい……」
二十歳で、私と同じくらい?私は五歳のころからあまり体が成長していないと考えると……大体四倍。
エルフが長命なのは、間違いないようだ。
しかしそうなると、ニンファさんやおばばの年齢って……。
女性に年齢を聞くのは失礼にあたるからな。うん、やめておこう。
「エルフは長命故か、年齢に執着する人はあまりいないのよ。多分、自分の年齢を覚えてないって人がほとんどね。その分、子供の成長は毎年祝って、大切に数えていくのだけど。短い幼年期があって、青年期がすっごく長いの。さして最後に、ほんの少しの老年期」
そっか。つまりおばばはもう……。
「だというのに、おばばったら、あんな姿になってからもう三十年は経つのよね。いったいいつまで生にしがみつくつもりなのかしら?」
え?なんか、幻聴が聞こえたような。……まさか、こんなゆるふわなニンファさんがそんなこと言うわけ……。
「こら、ニンファ!子供に何を吹き込んでんだい!それにあたしはまだまだ現役さ!あと百は生きてやるんだからね!」
「……地獄耳ね」
ニンファさんの裏の顔を見てしまったようだ。背徳感のようなものでドキドキする。裏のあるニンファさん……いいかもしれない。
変な扉が開きそうになったが、おばばも随分お酒を飲んだようで今日はお開きとなった。
話の会うエルフの人でもいたのか、カイルさんも頬を赤く染めるまで飲んだようだ。酔いどれカイルさんなんてレア中のレアだぞ。
その日は久しぶりのあったかおふとんでぐっすりと眠ったのだった。
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