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日常編
120 基礎トレーニング
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アルトさんに引きずられるようにして庭へ出た私。体は回復したとはいえ、心の準備はまだ全然できていない。
戦々恐々としている私に対して、アルトさんはやっと鍛錬ができるとウッキウキである。
私は、アルトさんがやりすぎないよう祈るばかりだ。
「さて、今日は基礎トレーニングをしようか」
基礎トレーニングというと、筋トレや体幹トレーニングだろうか?
集中的にいじめ抜かれる筋肉たちに同情せざるを得ない。まあ、その苦痛を受けるのは私なのだが……。
うう、胃がキリキリしてきた……。
「ははっ!そんな怯えた顔しないでよ。大丈夫、もうやりすぎないように気をつけるよ。……カイルにも言われたしね」
どうやらカイルさんにお小言をいただいていたらしい。アルトさんがほんのりしなびているように見える……。
カイルさんのおかげで、アルトさんのスパルタ加減は少し落ち着きそうである。ひとまずは安心だ。
まずは準備運動と、ウォーミングアップとして町の外周を一周走るよう指示される。
念入りな準備運動を終えて、外を一周。今日は一周で終えたが、なんだか一昨日の一周目よりも楽に走り終えられたように感じた。
筋肉痛を乗り越えて、筋力が上がったのだろうか。大変な思いをした分、力になっていると実感できてモチベーションが上がってくる。
あまり疲れを感じずに程よく体を温められ、気分も上向いてきた。
「まずは腹筋、腕立て、スクワット。それぞれ30回ずつで1セットね。それを……とりあえず、5セットやろうか」
「はいっ!」
本当にトレーニング内容の見直しをしてくれたらしい。以前のアルトさんだったらきっと、それぞれ100回ずつを10セットとか言っていたであろう。カイルさん、本当にありがとう……!
私は意気揚々と芝生の上に寝転がり、腹筋を始める。アルトさんも隣に並んで一緒に。
アルトさんは横目で私の姿勢を確認しているのか、時々アドバイスをくれる。アルトさんの言う通りに直してみれば、変なところに入っていた力がスッと抜け、腹筋への負荷が大きくなったように感じた。すごい……。
姿勢が崩れれば指摘され、時には補助もしてくれ、私は黙々と数をこなしていった。
「はぁ、おわったぁ~」
最後の一回まで気を抜かずにやりきった私は、両手を天に掲げ、そのままパタンと後ろに倒れ込む。
筋肉はプルプルと震えているものの、まだ限界は迎えていない。このまま終われたら、きっと気持ちよく眠れることだろう。明日の筋肉痛もほどほどで済むはずだ。
「チナちゃん。休憩したら、次は素振りだからね」
まあ、これだけで済むはずは無いのだが……。
「チナ、お疲れ様です」
青い空を見上げる私に、ミカンがくわえたタオルを差し出す。どこからか見ていたらしい。
タオルを受け取った私は、反動をつけて体を起こしじんわりにじみ出る汗を拭う。タオルはひんやりと湿っていて、気持ちいい。そのまま顔を覆えば、体にこもっていた熱がスゥーっと引いていった。
「ありがとう、ミカン。サッパリした」
アルトさんにもタオルを渡して戻ってきたミカンにそう言えば、機嫌良さそうに尻尾をゆらりと揺らした。
柔らかい風を自分とアルトさんのほうへ送り、扇風機のようにして涼んでいた私は、ふと、ミカンが私越しに何かを見ていることに気がつく。
何かあるのかと思い振り向けば、そこには、一心不乱に腹筋を続けているライくんがいた。
「うわ、びっくりした!」
ライくんがそこにいたことにも驚いたし、ライくんが筋トレをしていることにも驚いた。
ライくんはあんまり筋肉を鍛えているイメージがないから、こんな姿を見るのは珍しい。というか、初めてかもしれない。実は密かに筋トレしていたりしたのだろうか?
あ、腹筋終わった。と思ったら、素早く腕立て伏せに移行する。
頭から爪先までピンと真っ直ぐで、胸がつくギリギリまで腕を曲げる。体を持ち上げる動作も危なげなく安定していた。まさにお手本と言える姿だ。
その後はスクワット、そしてまた腹筋に戻る。私がやっていたのと同じメニューを行っているようだ。ただ、数を増やして。
無表情で黙々と行っている姿はなんだか、筋トレというよりも作業をしているように見えてくる。さすがのタフさだ。
それより、ライくんは何故、気配を消して筋トレをしているのだろうか……?
「チナちゃん、そろそろ休憩は終わりだよ」
ライくんをじっと見ていた私は、アルトさんの声でハッと我に返る。
何故かライくんも動きを止めて立ち上がった。
「じゃあライ、お願いね」
なるほど、ライくんはアルトさんが呼んでいたのか。
今、私が使っているのは短剣だ。ライくんと同じ戦闘スタイルである。
アルトさんは片手剣使いだから、その素振りをするんだと思っていたが違ったらしい。
ライくんは無言で頷いて、私に練習用の短剣を二本渡した。
ライくんの教えは基本を忠実に、だ。毎回、持ち方から確認する。順手と逆手、その切替まで。
念入りに正しい持ち方を確認したら、ようやく素振りだ。最初はゆっくりと、徐々にスピードを上げていく。
的確に相手の急所を狙うために、軌道がブレないよう体幹も大事だ。体幹が弱いと判断されればアルトさんに引き渡され、地獄の体幹トレーニングが始まるので私も必死である。普段から体幹を意識しているかどうかが、ここに出るのだ。
今日は久しぶりだからか、少し大目に見てくれているようだ。
鍛える、というよりも確認をする、というイメージのほうが正しいかもしれない。
集中して何度も同じ動作を繰り返し、ライくんに正してもらいながら勘を取り戻していく。
そんなふうに夕暮れまで素振りを続けて、今日の鍛錬は終了した。
戦々恐々としている私に対して、アルトさんはやっと鍛錬ができるとウッキウキである。
私は、アルトさんがやりすぎないよう祈るばかりだ。
「さて、今日は基礎トレーニングをしようか」
基礎トレーニングというと、筋トレや体幹トレーニングだろうか?
集中的にいじめ抜かれる筋肉たちに同情せざるを得ない。まあ、その苦痛を受けるのは私なのだが……。
うう、胃がキリキリしてきた……。
「ははっ!そんな怯えた顔しないでよ。大丈夫、もうやりすぎないように気をつけるよ。……カイルにも言われたしね」
どうやらカイルさんにお小言をいただいていたらしい。アルトさんがほんのりしなびているように見える……。
カイルさんのおかげで、アルトさんのスパルタ加減は少し落ち着きそうである。ひとまずは安心だ。
まずは準備運動と、ウォーミングアップとして町の外周を一周走るよう指示される。
念入りな準備運動を終えて、外を一周。今日は一周で終えたが、なんだか一昨日の一周目よりも楽に走り終えられたように感じた。
筋肉痛を乗り越えて、筋力が上がったのだろうか。大変な思いをした分、力になっていると実感できてモチベーションが上がってくる。
あまり疲れを感じずに程よく体を温められ、気分も上向いてきた。
「まずは腹筋、腕立て、スクワット。それぞれ30回ずつで1セットね。それを……とりあえず、5セットやろうか」
「はいっ!」
本当にトレーニング内容の見直しをしてくれたらしい。以前のアルトさんだったらきっと、それぞれ100回ずつを10セットとか言っていたであろう。カイルさん、本当にありがとう……!
私は意気揚々と芝生の上に寝転がり、腹筋を始める。アルトさんも隣に並んで一緒に。
アルトさんは横目で私の姿勢を確認しているのか、時々アドバイスをくれる。アルトさんの言う通りに直してみれば、変なところに入っていた力がスッと抜け、腹筋への負荷が大きくなったように感じた。すごい……。
姿勢が崩れれば指摘され、時には補助もしてくれ、私は黙々と数をこなしていった。
「はぁ、おわったぁ~」
最後の一回まで気を抜かずにやりきった私は、両手を天に掲げ、そのままパタンと後ろに倒れ込む。
筋肉はプルプルと震えているものの、まだ限界は迎えていない。このまま終われたら、きっと気持ちよく眠れることだろう。明日の筋肉痛もほどほどで済むはずだ。
「チナちゃん。休憩したら、次は素振りだからね」
まあ、これだけで済むはずは無いのだが……。
「チナ、お疲れ様です」
青い空を見上げる私に、ミカンがくわえたタオルを差し出す。どこからか見ていたらしい。
タオルを受け取った私は、反動をつけて体を起こしじんわりにじみ出る汗を拭う。タオルはひんやりと湿っていて、気持ちいい。そのまま顔を覆えば、体にこもっていた熱がスゥーっと引いていった。
「ありがとう、ミカン。サッパリした」
アルトさんにもタオルを渡して戻ってきたミカンにそう言えば、機嫌良さそうに尻尾をゆらりと揺らした。
柔らかい風を自分とアルトさんのほうへ送り、扇風機のようにして涼んでいた私は、ふと、ミカンが私越しに何かを見ていることに気がつく。
何かあるのかと思い振り向けば、そこには、一心不乱に腹筋を続けているライくんがいた。
「うわ、びっくりした!」
ライくんがそこにいたことにも驚いたし、ライくんが筋トレをしていることにも驚いた。
ライくんはあんまり筋肉を鍛えているイメージがないから、こんな姿を見るのは珍しい。というか、初めてかもしれない。実は密かに筋トレしていたりしたのだろうか?
あ、腹筋終わった。と思ったら、素早く腕立て伏せに移行する。
頭から爪先までピンと真っ直ぐで、胸がつくギリギリまで腕を曲げる。体を持ち上げる動作も危なげなく安定していた。まさにお手本と言える姿だ。
その後はスクワット、そしてまた腹筋に戻る。私がやっていたのと同じメニューを行っているようだ。ただ、数を増やして。
無表情で黙々と行っている姿はなんだか、筋トレというよりも作業をしているように見えてくる。さすがのタフさだ。
それより、ライくんは何故、気配を消して筋トレをしているのだろうか……?
「チナちゃん、そろそろ休憩は終わりだよ」
ライくんをじっと見ていた私は、アルトさんの声でハッと我に返る。
何故かライくんも動きを止めて立ち上がった。
「じゃあライ、お願いね」
なるほど、ライくんはアルトさんが呼んでいたのか。
今、私が使っているのは短剣だ。ライくんと同じ戦闘スタイルである。
アルトさんは片手剣使いだから、その素振りをするんだと思っていたが違ったらしい。
ライくんは無言で頷いて、私に練習用の短剣を二本渡した。
ライくんの教えは基本を忠実に、だ。毎回、持ち方から確認する。順手と逆手、その切替まで。
念入りに正しい持ち方を確認したら、ようやく素振りだ。最初はゆっくりと、徐々にスピードを上げていく。
的確に相手の急所を狙うために、軌道がブレないよう体幹も大事だ。体幹が弱いと判断されればアルトさんに引き渡され、地獄の体幹トレーニングが始まるので私も必死である。普段から体幹を意識しているかどうかが、ここに出るのだ。
今日は久しぶりだからか、少し大目に見てくれているようだ。
鍛える、というよりも確認をする、というイメージのほうが正しいかもしれない。
集中して何度も同じ動作を繰り返し、ライくんに正してもらいながら勘を取り戻していく。
そんなふうに夕暮れまで素振りを続けて、今日の鍛錬は終了した。
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