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感情のアプリを捨てますか?
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私は何もかもが中途半端。
何をしても何があっても一位なんて取れない。
何もない。何の才能もない。
ただ中途半端に出来るだけ。
天から与えられたものが、人には一つ必ずあると綺麗事を垂れ流すけれど、私にはそんなもの見つからなくて。暗い中一人彷徨っているだけで精一杯で。
ある日学級委員になった。断れない雰囲気に体は強張る。けれど”頼られた”その事実だけで心は前向きに生きていたんだ。
そんな心はもうズタボロで。
噂するクラスメイト。責任おしつける先生達。誰かの言葉。深く突き刺さる。
「割り切れば良いじゃん」
そんなこと出来るならばもうとっくにしている。だけど出来ないから困っている。
「何で出来ないの?」
煩い。うるさい。煩い。五月蝿い。ウルサイ。うるさい。
分かってる。解ってる。出来ないのは性格的なものだから。
手を差し伸べてくる一人の手。周りに溢れるその救い。
その手を振り払われた時がどんなに辛いか知らないでそれを信じて手を取る私の癖。
「もっと周りを頼っていいんだよ」
その言葉が私を底まで突き落とした。
一時の救いの手は、上げるだけ上げて本当に辛い時は振り払う。
「人が悲しんでいる時は手を差し伸べてあげましょう」?
それが何になるの?
手を差し伸べてどん底に突き落とすなら最初からその場にいた方がマシじゃない。
愛情も、恋情も、同情も、裏切るならばそんなものいらない。
校長の綺麗事も、裏で渦巻く汚い陰謀も、そんなものいらない。
いらないって泣いているのに何故与えるの?
そんなどす黒いもので純粋を染めて、真っ黒になった世界で一体何を信じて生きれば正解?
「正解なんてないんです」
ならば何故”失敗”はあるの。
そんな理由も言えない癖に、救ってるふりして殺してる。「その人」の人格形成人生感情容姿その全てを否定して殺してる。
「自分と友達どちらを救う?」
よくある質問にほとんどの人は「友達」と答える。だけど実際は自分自身が第一優先で。自己防衛本能が働くから他人なんて考えてられない。漫画みたいな綺麗なことは、起きるはずなんて微塵もなくて。
私は考えてしまった。
感情がアプリになって、捨てられれば良いのに、と。
そして作ってしまった。私を形成する全てを表示するアプリを。捨てることも保存することも追加することも可能なアプリを。
そして私は一つのものをタップした。
感情、のアプリを。
表示された選択肢を躊躇いもなく押した。
画面上から消え去った「感情」。
待ち望んでいた瞬間だったのに、やった、と言葉が出るかと思ったのに何も感じなかった。どうでも良かった。
私は、やっと変われるのだ。
なのに、なのに、なのに…。
「何も、思わない」
捨てた感情のアプリ。
皆さんはどうしますか?
取り戻すことが出来るかなんて分からない。それでも捨てますか?
携帯を置いて、どこかへ行く私。
消えた筈の表示が、一瞬だけ復活した。
感情のアプリを捨てますか?
ーーーーYesーorーはいーーーー
何をしても何があっても一位なんて取れない。
何もない。何の才能もない。
ただ中途半端に出来るだけ。
天から与えられたものが、人には一つ必ずあると綺麗事を垂れ流すけれど、私にはそんなもの見つからなくて。暗い中一人彷徨っているだけで精一杯で。
ある日学級委員になった。断れない雰囲気に体は強張る。けれど”頼られた”その事実だけで心は前向きに生きていたんだ。
そんな心はもうズタボロで。
噂するクラスメイト。責任おしつける先生達。誰かの言葉。深く突き刺さる。
「割り切れば良いじゃん」
そんなこと出来るならばもうとっくにしている。だけど出来ないから困っている。
「何で出来ないの?」
煩い。うるさい。煩い。五月蝿い。ウルサイ。うるさい。
分かってる。解ってる。出来ないのは性格的なものだから。
手を差し伸べてくる一人の手。周りに溢れるその救い。
その手を振り払われた時がどんなに辛いか知らないでそれを信じて手を取る私の癖。
「もっと周りを頼っていいんだよ」
その言葉が私を底まで突き落とした。
一時の救いの手は、上げるだけ上げて本当に辛い時は振り払う。
「人が悲しんでいる時は手を差し伸べてあげましょう」?
それが何になるの?
手を差し伸べてどん底に突き落とすなら最初からその場にいた方がマシじゃない。
愛情も、恋情も、同情も、裏切るならばそんなものいらない。
校長の綺麗事も、裏で渦巻く汚い陰謀も、そんなものいらない。
いらないって泣いているのに何故与えるの?
そんなどす黒いもので純粋を染めて、真っ黒になった世界で一体何を信じて生きれば正解?
「正解なんてないんです」
ならば何故”失敗”はあるの。
そんな理由も言えない癖に、救ってるふりして殺してる。「その人」の人格形成人生感情容姿その全てを否定して殺してる。
「自分と友達どちらを救う?」
よくある質問にほとんどの人は「友達」と答える。だけど実際は自分自身が第一優先で。自己防衛本能が働くから他人なんて考えてられない。漫画みたいな綺麗なことは、起きるはずなんて微塵もなくて。
私は考えてしまった。
感情がアプリになって、捨てられれば良いのに、と。
そして作ってしまった。私を形成する全てを表示するアプリを。捨てることも保存することも追加することも可能なアプリを。
そして私は一つのものをタップした。
感情、のアプリを。
表示された選択肢を躊躇いもなく押した。
画面上から消え去った「感情」。
待ち望んでいた瞬間だったのに、やった、と言葉が出るかと思ったのに何も感じなかった。どうでも良かった。
私は、やっと変われるのだ。
なのに、なのに、なのに…。
「何も、思わない」
捨てた感情のアプリ。
皆さんはどうしますか?
取り戻すことが出来るかなんて分からない。それでも捨てますか?
携帯を置いて、どこかへ行く私。
消えた筈の表示が、一瞬だけ復活した。
感情のアプリを捨てますか?
ーーーーYesーorーはいーーーー
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